おまえはひだまりスケッチ10巻を読み、乃莉なずな茉里三角関係について考える

よくきたな。おれは百合噴射すらんだ。おれは毎日大量の百合テキストを書いているが、誰にも読ませるつもりはない。だが今回、さいきん発売されたひだまりスケッチの10巻を読んだおれは、メキシコライオンにも匹敵する恐るべき三角関係を目にし、感想をしたためることにした。

なお、10巻には他にもゆの宮や沙英ヒロといった要素も多分に存在し、それらについても取り上げたいが、とっ散らかるので今回は三角関係に感想を絞る。また、ネタバレには配慮していないので、まだ10巻を読んでいないのならば、おまえはその銃に弾丸を込め、心の準備をしておけ。


(文体の元ネタ)(あまりにも模倣がめんど……難しすぎるのでやや手を抜いています)

ロマンティック天体観測の巻。

冒頭のカラーページを除くと、最初に掲載されているエピソードがこれだ。ここまでは試し読みにも載っているので、まだ読んでいないならば以下のリンクから試し読みし、購買意欲を刺激されるといい。

あらすじとしては、30年に一度の流星群が綺麗に見える夜なので、大家含むみんなで屋根の上に乗って流星群を眺める……。RomanticなSituationであり、これが本当に百合漫画であればキスシーンのひとつやふたつあるところだ。

なお、ここで基本的な前提について説明しておくが、乃莉なずな茉里の三角関係は、基本的に以下のような図式になっている。

なずな→←乃莉←茉里

恐らく反対する人間も多く、何人かはおれに覚悟もなく銃口を向けただろうが、おまえたちはセフティーロックの解除の仕方すら知らない。おまえはひだまりスケッチをもう一度読み直す必要がある。

さて、このエピソッドンでは主に茉里→乃莉の描写が多い。11ページ目で乃莉に乗りかかる茉里の描写に、おれは早くも唸らされた。だが、真に恐ろしいのは15ページ目……「隣に願いを」だ。

乃莉「私も一個お願いがあるんだよね」
茉里「何ですか何ですか? 聞きたーい♡」
乃莉「足で足触んのやめてくれない……?」
茉里「やーん! 無意識でしたぁ♡」

茉里は何を発情しているのだ。しかも読めばわかるが、効果音は「すりすりすりすりすり♡」だし、生脚同士だ。お前は前戯でもしているつもりか。おれは茉里が恐ろしくなり、頭に血が昇り、鼻息が荒くなった……。直前ページのなずなの「この三人は三角関係ってこと?」の意味深さが、ここに来て重くのしかかってくる。しかも茉里は乃莉となずなが付き合っていることを知らないはずがないのだ。知っておいて、目の前でこんなことをしている。おまえは何者なのだ。

ムシムシ大採集の巻。

このエピソードンでは、乃莉なずな茉里三角関係の全ての矢印を楽しむことができ、恐ろしいエピソドと言えるだろう。

茉里→乃莉は、基本的に茉里が乃莉にちょっかいを出して絡みに行くことが多い。これは乃莉に構ってほしい茉里の、健気で可愛げのある行為だ。このepisodoでも、茉里は乃莉をからかいたい一心で自身も苦手な芋虫? を手に取り、乃莉の目の前に差し出している。そこまでして自身に意識を向けてほしいのだろう。

しかし、茉里の努力も虚しく、乃莉→なずなの描写が無慈悲に挟まれる。

なずな「あ……てんとう虫は可愛いかも……♡ ……すごいなー」
乃莉「スゴい?」
なずな「だって生まれつきこんな綺麗なドット柄があるんだよ? すごいよー」
乃莉「そっかー。でもさ、それを言うならなずなだって」
なずな「私?」

ここまで言って、乃莉は顔を真っ赤にして誤魔化すようにてんとう虫を飛ばす。ここは完全に乃莉からなずなへの好意が無意識に溢れ出した瞬間であり、多分帰ってから続きを聞き出されてセックスとかしている。そういう距離感だ。おれは乃莉なずに深くうなずくと共に、茉里を思って涙した……。

フェス太さんの宿題の巻。

10巻の三角関係問題において、一番の問題エピソドンがこれだ。このepesodonではなつやうsみギリギリだというのになずなと茉里の終わっていない宿題を、乃莉が教師役として手伝うといった話だ。乃莉の「茉莉はできるのにやってないだけだけど、なずなはやってないしできない」に自分を理解してくれていると喜ぶなずななど、だいぶヤバい描写は多いが、問題は次の「ドッカーン」である。

茉里「乃莉さぁん。私もわからないとこで詰まっちゃいました」
なずな「……ま……つりちゃん……。私だけ普通科でちょっと寂しいし……。乃莉ちゃんのこと……あんまり……」
茉里「取らないで~、ですか?」

おれは怖かった。公式でこんな三角関係を直球で見せられるとは想像もしておらず、ただおれは女たちの三角関係が怖くて仕方がなかった。しかもこの感じはおれがだいぶ前に書いた小説とひどく似ており、やはり原作者もそう思っていたのだな、と思ったりした。とにかく三角関係が怖かった。

(百合噴射すらん先生の「前の小説」とは以下のものを指しています)

未来へ……

乃莉なずな茉里要素は他にも多くあるのだが、正直前項のを書いて満足してしまったので、この辺りで書くのをやめる。他にも体育祭でも乃莉に対して発情している茉里や、突然やまぶき祭でねじ込まれた真実と中山のポッキーゲーム描写(しかも優勝している。おまえたちはどこまで近付いたのだ)、安定していちゃつくゆの宮や完全に夫婦めいた沙英ヒロなど、多くの百合描写を幻視することができる。

無論、百合描写を幻視せずとも、ほのぼのとした可愛い絵柄の日常ギャグ漫画として(本当に絵が上手になったと感じる)、ひだまりスケッチはとても面白さをおまえたちにていきゅうする。まだ買っていないのならば、以下のリンクからでも、別のサイトからでもいいが、10巻を買って読むことがひどく推奨される。メキシコめいて荒廃した精神に、ひだまりスケッチはオアシスのように入り込み、おまえたちは憩いを得る……。


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