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少し特殊な方程式の解き方

始めに

マロ:ねえ、ミケ

ミケ:どうしたの?

マロ:問題!この方程式を解いて!

$${x^2+y^2-xy-3x-3y+9=0}$$

ミケ:いきなりだね(笑)ん~、$${x}$$でくくっても因数分解できないな~

ミケ:因数分解できそうな形なのにな~、わかんない!

マロ:この問題は因数分解できないように仕掛けてるの!

マロ:この問題も解いてみて!

$${x^6-x^5-x^4+2x^3-x^2-x+1=0}$$

ミケ:ん~、これも因数分解できないな~(笑)また仕掛けがあるんだ!

マロ:そう!じゃあこの二つの解き方教えるね!


1問目の解き方

まず、この問題$${x^2+y^2-xy-3x-3y+9=0}$$はミケが言ってくれたように因数分解ができそうな形してるんだよね!

例えば、$${x^2-2xy+y^2=(x-y)^2}$$ていう因数分解が左の3項でできそうだけど、$${xy}$$の係数が違うからできないし、$${-3x-3y=-3(x+y)}$$みたいにして共通因数でくくろうとしても$${x+y}$$の形が作れない…

でも、実は最初の因数分解$${x^2-2xy+y^2=(x-y)^2}$$が重要なんだよね!

$${xy}$$の係数が足りないけど、2倍すれば足りる!!

方程式だから両辺を2倍すると、

$${2x^2+2y^2-2xy-6x-6y+18=0}$$

これで$${(x-y)^2}$$の形が左辺の中に作れるね!

$${(x-y)^2+x^2+y^2-6x-6y+18=0}$$

こうすると見えてくるのが、$${x^2-6x+9=(x-3)^2}$$っていう因数分解ができそうだね!

実際、$${18}$$を$${9+9}$$に分ければ因数分解できるようになるね!

$${(x-y)^2+(x-3)^2+(y-3)^2=0}$$

すると、2乗の形が3つもできた!

でも、これを読んでる人の中には「2乗の形が作れただけで左辺自体は因数分解できてないし解けないじゃん」って思ってる人もいるかな?

ここで思い出してほしいのが、どんな実数でも2乗したら必ず0以上になるってこと!

必ず$${N^2\geqq0}$$になるし、$${N^2}$$が0になるには$${N=0}$$の時なんだよね!

ていうことは、今回の方程式も、3つの2乗が全部0になるときに方程式が成り立つよね?

だから、$${x-y=0,\ x-3=0,\ y-3=0}$$のとき、すなわち$${x=y=3}$$がこの方程式の答え!

この方程式を解くのに必要なテクニックが、

  • 両辺を何倍かして2乗の部分を作る

  • すべての2乗が0の時を求める

この2つのことをやれば解ける!

2問目の解き方

この方程式$${x^6-x^5-x^4+2x^3-x^2-x+1=0}$$の特徴って、1が$${x^0}$$って考えたら係数は、$${1,\ -1,\ -1,\ 2,\ -1,\ -1,\ 1}$$っていう感じで対称になってるね。

実はこれ相反方程式っていって、係数が対称な方程式のことで、解き方にテクニックがあるんだよね!

で、相反方程式は、

(最高次数が$${x^{2n}}$$の時)
両辺を$${x^n}$$で割って、$${\displaystyle x+\frac{1}{x}=t}$$と置く

ってすれば解けるようになるんだよね!

じゃあ、この問題で試してみると、まず明らかに$${x=0}$$ではないから両辺を$${x^3}$$でわると、

$${\displaystyle x^3-x^2-x+2-\frac{1}{x}-\frac{1}{x^2}+\frac{1}{x^3}=0}$$

この式を$${\displaystyle x+\frac{1}{x}}$$の形ができるように変形すると、

$${\displaystyle \left( x+\frac{1}{x}\right)^3-\left( x+\frac{1}{x}\right)^2-4\left( x+\frac{1}{x}\right)+4=0}$$

次に$${\displaystyle x+\frac{1}{x}=t}$$とすると、

$${t^3-t^2-4t+4=0}$$
$${t^2(t-1)-4(t-1)=0}$$
$${(t-1)(t^2-4)=0}$$
$${(t-1)(t-2)(t+2)=0}$$

よって、$${t=1,\pm2}$$だから、$${\displaystyle x+\frac{1}{x}=t}$$で$${x}$$を求めると、

$${\displaystyle x=\frac{1\pm\sqrt{3}i}{2},\ \pm1}$$

が答え!

ちなみに最高次数が$${x^{2n+1}}$$の時は、相反方程式なら因数に$${(x+1)}$$が必ず含まれるから、因数分解すれば

$${(x+1)(最高次数が偶数の相反方程式)=0}$$

になるからさっきみたいに解くことができるよ!

まとめ

今回は少し特殊な方程式を解いたけど、ポイントをまとめると、

因数分解ができないけどできそうな形なら

  • 両辺を何倍かして2乗の部分を作る

  • すべての2乗が0の時を求める

相反方程式なら

  • 最高次数が$${x^{2n+1}}$$なら(x+1)で因数分解して最高次数が偶数の部分を作る

  • 最高次数が$${x^{2n}}$$なら両辺を$${x^{n}}$$で割る

  • $${\displaystyle x+\frac{1}{x}}$$の形ができるように変形する

  • $${\displaystyle x+\frac{1}{x}=t}$$とおいて$${t}$$を求める

  • $${\displaystyle x+\frac{1}{x}=t}$$より$${x}$$を求める

ってやれば解けるよ!

最後に

マロ:マロ的には1問目の解き方が結構好きなんだよね!

ミケ:確かに$${N^2\geqq0}$$は不等式の証明とかには使うけど方程式に使うのはなんかハッってするよね。

ミケ:相反方程式も知らないと解くのが難しいから半分知識問題みたいだね(笑)

マロ:確かにね(笑)

ミケ:明日自分で似た問題作って友達に出してみる!


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byマロ

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