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インスリン感受性を高める6つの方法

こんにちは、パーソナルトレーナーユウ(Twitter:@supps_jiten)と申します。

簡単に自己紹介しますと、大学で栄養学や運動生理学を専攻し、現在はパーソナルトレーナーとして働いています。

運動(特に筋トレ)が好きで、筋トレ歴は6年になります。自身が理系の大学院卒であることからもわかるように根っからの理論派です。筋トレやダイエットにまつわる様々な説、理論を検証するのが好きで、様々な文献を読んでは、それを私が運営する「サプリ辞典」というサイトで発信しています。

今回は、インスリン感受性を維持することの重要さとそのための方法についてご紹介します。

インスリン感受性とは?

私のnoteを読んでいる方ならばほとんどの方がご存知かと思いますが、人間は食べ物や飲み物を外部から摂取すると血糖値が上がります。特に炭水化物(≒糖質)では一気に血糖値が上がります。

この上がった血糖値を下げるために分泌されるのがインスリンです。

このようにインスリンには血糖値を下げる(元に戻す)という重要な働きがありますが、その他にも組織(細胞)に栄養を送り込むという働きがあります。そのため、ダイエット界隈ではインスリンが「肥満ホルモン」と呼ばれてしまうこともあるようです。実際にインスリン分泌が亢進しているタイミングでは体脂肪の合成も高まっている可能性が高いです。

また、筋トレ界隈ではインスリンはアナボリックホルモンとして知られています。筋肉の材料はタンパク質。このタンパク質を筋肉に吸収させて、筋肉を成長させる働きもあるためインスリンは筋トレには欠かせないものなのです。

このように血糖値を下げることにも繋がるし、体脂肪を増やすことにも繋がる、さらに筋肉を増やすことにも繋がるという良い面と悪い面を兼ね備えたのがインスリンなのです。

このインスリンの良い面をできるだけ伸ばしつつ、上手に付き合っていく方法はないのでしょうか?

インスリンの害を抑えるためにインスリン分泌の原因になる糖質をカットする健康法(断糖やケトジェニックダイエット)もありますが、できるならばインスリンの良い面だけを享受したいですよね!そのためのキーワードが「インスリン感受性」です。

なぜインスリン感受性が大事なのか

インスリン感受性とは超簡単に言ってしまえばインスリンの効き目が良い状態のこと。

インスリンはダラダラと長い時間分泌されてしまえばその分、体脂肪合成や※糖質酔いなど悪い面が目立ってきてしまいます。インスリンできるだけ短時間に少量分泌されるのがベストなのです。このようにインスリンの効き目が良く、インスリンの良い所取りができた状態の事を「インスリン感受性」と言います。

反対にインスリンの効き目が悪い状態は「インスリン抵抗性」と言います。この場合、インスリンがダラダラと長時間分泌されてしまい、肥満や体調不良の原因となります。さらに、肥満はインスリン抵抗性をもたらすので、

インスリン抵抗性→肥満→肥満がさらにインスリン抵抗性を加速

と言った具合に悪循環に陥るのです。

※糖質酔い:糖質を摂った際に出る倦怠感や頭痛、吐き気といった諸症状の総称。これらの原因もインスリンの過剰分泌(つまりインスリン抵抗性)が原因とされている。


また、インスリンにはヒエラルキーがあります。つまり作用する順番が決まっているという事。

この順番は

筋肉→肝臓→体脂肪

といった順番です。インスリンがきちんと正しく働いている人であれば体脂肪は最後に働くため、インスリンが肥満の原因になる可能性は低いです。(当然、その人のその他の食生活に依存しますが)

しかし、インスリン抵抗性がある場合、この順番が崩れる場合があるのです。つまり、インスリンが即、肥満に繋がるという事。

これを避けるためにもインスリン感受性が重要です。


余談ですが、インスリンは筋肉と肝臓に作用した残りが体脂肪に作用する仕組みとなっているため、筋肉量が多いほど太りにくい理屈になります。

筋肉量を増やすと基礎代謝が上がって、太りにくくなるという説は筋肉1㎏が持つ代謝量は13kcal/日なので誤りだと言われることがありますが、基礎代謝以外にもこのインスリンヒエラルキーの面から筋肉を付けると太りにくくなるということができるのです。

詳しくはこちらのnoteに書いていますが、アマゾンで書籍出版をした際に焼き直しをnoteで公開していると言う事情があるので無料公開はできません。ご了承ください。どちらも2万字程度の結構な分量です。

インスリン感受性の重要性はわかっていただけましたでしょうか。

ここからはインスリン感受性を高める具体的な方法について言及します。

鍵はインスリンをできるだけ節約することです。インスリンが毎回ドバドバ出ているとその分、インスリンヒエラルキーにより体脂肪に作用する確率が高まりますし、膵臓にも負担をかけ、インスリン抵抗性に繋がります。「インスリンは出すけど、少量に」これが大事です。

(インスリン感受性は「インスリンの働きが良い状態」を言うので、「インスリン感受性を高める」という日本語は間違っている気がしなくもないですが、一般的に使われる言い回しなのでこの表現を使います)

方法1 αリポ酸を摂る

αリポ酸は強い抗酸化作用が知られていますが、インスリン感受性を高める作用もあります。

S体とR体があるのですが、体内で使われるのはR体のみ。さらに、ビタミンBの一種であるビオチンとの拮抗作用があるのでビタミンBコンプレックスと一緒に飲むかビオチンが配合されたものを選ぶようにしてください。

参考↓

オススメのαリポ酸(R体のみでビオチンも配合されている)↓

方法2 お酢を摂る

お酢の健康パワーは多くの人が知るところですが、インスリン感受性を高める働きもあります。

オススメの摂取タイミングは寝る前や食事の前。ティースプーン1杯を目安に摂取してください。特に食事の前のお酢はまた食事後のインスリン感受性を30~40%上げるという報告があります。また、サラダのドレッシングとしてお酢の入ったものを選ぶのも良い手段です。

しかしながら、お酢は酸っぱいですからそのままではちょっと…という方はリンゴ酢がオススメ。リンゴ酢はさらにインスリン感受性を高める働きが強く、ぜひ摂取したいものです。

私はリンゴ酢にブルーベリーやクエン酸を入れて飲んでいます。

海外の商品では「アップルサイダービネガー(apple cyder vinegar)」という名前で売られています。しかし、炭酸があるわけではありません。

炭酸にしたいなら、上のツイートのようにクエン酸と重曹で炭酸にするのがオススメです。

方法3 シナモンを摂る

シナモンには食事の吸収をゆっくりにしインスリン分泌を抑える働きがあります。

インスリンそのものが悪いわけではないというのは先述した通りですが、インスリンは毎回大量に分泌させていては膵臓に負担がかかりますし、インスリン抵抗性ももたらします。インスリン感受性を保ちつつ、健康的な生活を送っていくためには吸収がゆっくりな食事を心がけることが重要です。

インスリン分泌の度合いを表す指数にGI値というものがあります。厳密な意味では血糖値の上がり具合を表す指標ですが、インスリンの指標と考えても問題ないでしょう。GI値が小さければ小さいほど、血糖値をゆっくり上げ、インスリン分泌も緩やかな食べものになりますので、GI値を考えた食事をすることもオススメです。

方法4 オオバコ(サイリウム)を摂る

オオバコ(サイリウム)には血糖値を下げる働きがあります。

摂取量の目安はティースプーン1杯を2日に1回。毎日のプロテインや飲み物(味噌汁など)に混ぜても良いですが、味が気になるようならわらび餅にすることをオススメします。

レシピは私のサイトで紹介しています。

もしくはこのようなカプセルタイプのオオバコ(サイリウム)を購入してもOKです。

方法5 EPAを摂る

魚の脂の有効成分として知られるEPAにもインスリン感受性を高める働きがあります。

サプリメントはフィッシュオイルとして売られていることが多いですが、フィッシュオイル(オメガ3系脂肪酸)は酸化し易く品質が安定しないためオススメしません。選ぶなら、第三者機関の調査で品質の安全性が担保されたものを選びましょう。Life extension社のSuper omega3がオススメです。

もしくは、最近になって南極のオキアミ(エビの一種)から獲れる脂質を用いた「クリルオイル」と言う商品が出てきました。最近ではかなり値段も安くなっているのでこちらでもOKです。

クリルオイルのメリットは南極の海で獲れている原材料なので酸化レベルが低いこと、重金属汚染の懸念が低いこと、エビの赤色の成分「アスタキサンチン」も同時に摂取できることです。

毎日1錠を目安に摂取してみてください。

方法6 ベジタブルファースト

血糖値の上昇を緩やかにすることはそのままインスリンの節約に繋がりますから、インスリン感受性を維持することにも繋がります。

血糖値の上昇を緩やかにするためには、GI値の小さい物から順番に食べていけば良いわけです。つまり、野菜→タンパク質→糖質の順に食べると良いでしょう。

しかし、最後におかずがないのにご飯だけを食べるのはしんどいですから、そこまでシビアにはせずとも、食事の前に野菜を食べる習慣を身に着けておくだけでも良いでしょう。そして、このドレッシングにお酢を使えば完璧です!


さて、ここまでインスリン感受性を高める取り組みについて紹介してきました。

最後の最後に元も子もない事を言って恐縮ですが、インスリン抵抗性の最大の原因は肥満です。体脂肪から分泌される「アディポカイン」がインスリン抵抗性に繋がるとされています。

そのため、インスリン感受性を高めるための最も効果的な手段は「痩せること」になるのですが、「そんなに簡単に痩せれたら苦労しねーよ」っていう声が聞こえてきそうなのと、インスリン感受性を高めること自体がダイエットに効果的なので、「ダイエット」という元も子もない方法以外に効果的だと考えられる取り組みについて紹介させていただきました。


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