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3.11から10年、わたしたちの今 vol.03 - England 2012 (ロンドン五輪)

2012年『ロンドンオリンピック2012』開催中のイギリスでプログラムを実施。参加した子どもたちの今をお伝えします。


SOK068 MORITAKA

Support Our Kidsの研修初日の夜にメンバーと震災体験を共有したことは自分の考え方を変える大きなきっかけとなりました。「海外に行って普段はできない経験ができたらいい」と軽く考えていた自分にとって、同行するメンバーの被災経験、親を失ったり、家が津波で流されたという話は衝撃的でした。なぜ自分がこの研修に選ばれたのか分からなくなり、その場にいるのが恥ずかしいとさえ思っていました。自分より甚大な被害のあった人いるはずだし、もっと他に行くべき人がいたのではないかと思っていました。しかし、ロンドンでの非日常の日々の中で、同行したメンバーと深い時間を過ごす中で、自分たちが考えている将来への悩みなどを腹を割って話すことができました。その結果、風化して震災を忘れてしまいそうになる人の気持ちと、甚大な被害を負った人両方の気持ちがわかる自分だからこそできることがあるのではないかと考えられるようになりました。その考えに基づいて、その後行動してきたことが多かったので、ロンドンに行った際の同行メンバーの話は自分に間違いなく大きな影響を与えています。

帰国後、SOKのOBOGの有志で結成した団体HABATAKIのリーダーとして復興に向けて微力ながら自分たちでもできることを模索しました。 2015年に発生したネパール大震災で被災したネパールの中高生を東北へ招待し、東北の復興の過程を見学しながらお互いの地元に活かせること、自分たちの夢について語らう機会を提供しました。資金集めから企画、実行など、全く経験のない中で対立やトラブルもありましたが、学んだことがとてつもなく多かったのは間違いありません。 その経験から、大学では友人や留学生を宮城県女川に連れていくツアーを企画実行しました。

私の住んでいた都市部では、全く震災の面影は見えません。地下鉄ができ、新たなショッピングモールができ、統一感のない街の復興だけが進んでいます。一方郊外では、復興のためにきていた建設会社やボランティアがある程度去り、震災以前よりも更に地方の問題が浮き彫りになってきていると感じます。しかし、地元の若者、おじさんおばさんたち、外から来た若者が協力してなにか新しい街づくりを実践しようとしている街も出てきています。コミュニティの中で終わらせるだけでなく、他のコミュニティと連動した動きが必要なのではないかと思います。そして、技術を持った若者がコミュニティを作っていくことが必要だと思います。SOKのOBOGを見ていても、youtuberや広告マンや自動車会社の社員まで多様な人種がそろっています。まずは自分の持ち場でしっかりできることを増やして、地元への貢献欲を絶やさずに生活すること。その先に、できることの増えた若者が地元で、自分たちの視点で街をプロデュースしていくことが必要ではないかと思います。

現在は、ずっと夢だったラジオ局で仕事をしています。ラジオを使った営業企画作りは非常に面白いです。自分のアイデア次第で1年目でも関係なく先輩や代理店から問い合わせが来て、オンエアに乗った時の喜びは忘れられません。これからも見えなくてもそっと誰かを支えるラジオを、制作でも営業でも関係なく作り続けたいと思います。

SOK068_UK2012_白井森隆



SOK069 HONAMI

被災に際して、頂いたものへの感謝を海外の人に伝えたくて応募しました。
ロンドンはオリンピック期間中だったこともあり、様々な人種の様々な個性が共存していて、良い意味でごちゃ混ぜでした。当時自分は何故生かされたのか、自分とは何なのかと悩んでいたけれど、悩んでいることが少し馬鹿らしくなりました。死ななければ、生きてさえいれば、物事は進んでいくし、どうとでもなるんだなと、ある種の諦めがついたような感覚でした。

0817サッカー交流

帰国後は、家族が増えたり、復興には程遠いところに住んでいたので、日々精一杯生きることを心がけました。被災地である地元のご飯をよく食べ、この地で生きることが復興のためにできる1番のことだと思いました。復興と言いつつ、人口流出は止まらないので、どこからが復興でどこまでが再興なのか分からない。しかし、空っぽになってしまった街を見て、「復興」と言うにはまだ心の整理は着いていないのが正直なところです。何よりも人の暮らしが隣町に頼りきりになってしまっているので、自分の町の魅力を内外に発信して、商業施設を作るなどして人の交流ができる場所が必要だと思います。私自身は、地元で取れる木の実でアクセサリーを作ったり、少しずつ周りの人に震災のことを話せるようにしています。

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SOK071 HONOKA

トラファルガー広場には様々な国の人たちが集まっていて、10代ながらに言葉にならない高揚を感じたのを覚えています。ホームステイや言語学校などで出会う文化の違いに強い興味を持ったことや、改めて日本の良さを感じたこと。これは海外の大学に進学したり、仕事を選ぶ上で非常に大きい影響となりました。もっと色んな文化に興味が湧きました。

福島の地元の復興は進んでいます。仮設住宅住まいだった祖母も集合住宅に入れたり。ただ、本当の意味で復興しているかと問われると分かりません。県民がどれだけ災害を風化させないかという意識にかかっていると思います。

現在は、外資系ファッションブランドでPRに取り組んでいます。ファッションだけではなく、様々なチャリティやLGBT関連のコミュニケーションも多く、海外文化を日本に広めることにやりがいを感じます。

SOK071_UK2012_半澤ほのか




SOK072 MAREI

ロンドンで一番印象に残っているのは「生き方」について。人の「優しさ」と「明るさ」です。

優しさはホストファミリーの方からものすごく感じました。見ず知らずの日本人を快く受け入れ、よくきてくれたねとハグをしてくれ、家族のことも心配してくれたこと。その方と過ごした2週間から、相手のことを理解して、支えてあげようとする姿勢を学びました。 

明るさは様々なところに行くたびに、働く人を見て思いました。日本では、一言も話さずに商品を並べたり、決まった言葉をしっかり使って接客をしたりときちっと仕事をこなしているイメージでした。ロンドンでは、歌いながら商品を並べたり、お客さんにたくさん話しかけてニーズに応えようとしていたりと、すごく明るく楽しく働いてるように見えました。これは一言で言ってしまえば文化の違いかもしれないが、仕事をする上で大事なことだと今でも感じています。明るく遊び心を持って、相手の様子をみて、理解して声を掛けてあげること。これは今後も大切にしたいと思っています。

街並みや人柄、文化に数多く触れ、海外の良さをたくさん日本に持ち帰りました。その後、1人で海外に行ったり、外国に対して興味を持つようになったりと海外に魅力を感じました。 また、反対に日本の良さをものすごく感じるシーンもあり、帰国後、大切にしようと思う部分が増えた所も多くなりました。

地元・宮城県仙台市はかなり復興が進んできたと感じます。ただ、今勤務するところは沿岸部に近いところですが、行くたびに道路が増えたり変わったりをしている地域もあるよう、、、。10年近く経った今でもまだまだ足りない部分があるのが現状だと捉えています。必要なのは、モチベーションを上げていけることだと思います。 働くことについても、地域や仲間と関わっていく上でも楽しみを待って、明るく過ごしていければ人がみんな明るくなっていくと思います。

今は新型感染症の対応に追われています。小学校の先生という仕事柄、子どもと一番近くで関わり支えていかなければならない立場にあるため、辛い状況でも楽しみを待ってモチベーション高く過ごしていけるように準備したいです。そして、それが子どもたちのためになればと思って、日々仕事をしてます。

SOK072_UK2012_小野寺真礼




SOK073 HIBIKI

ロンドンオリンピック観戦で、私が行っていた競技であるレスリングを観ることができました。

湯元選手の応援0811

女子のトップレベルの選手の試合は以前に観戦した経験はありましたが、男子選手の試合を観戦するのは当時が初めてで、力強さと迫力、各国によっての選手の特徴などを直接感じ取ることができました。

SOK073_UK2012_佐藤響




聖火を手に@選手村0811

選手村にて塚原さんと交流0811

選手村の前にて0811




ご支援ありがとうございます!いただいた支援金は、被災した子ども達の自立支援活動に充当させていただきます。どうぞよろしくお願い致します。