見出し画像

物撮りカメラとしてのPENTAX Q-S1の魅力


私は銀塩フィルム時代からカメラが好きでしたので、色々使ってきました。
デジタルカメラになって昔ほどカメラに思い入れは無くなりましたが、それでも現在もデジタルカメラを8台使っています。その中でちょっと古いけど異色のカメラを紹介します。
それは PENTAXの Q-S1というカメラです。既に生産終了しているので、中古でしか入手できませんが、なかなか特徴のあるカメラです。ある目的にこのカメラは大活躍してくれてます。

PEXTAX Q-S1はどんなカメラなのか

ジャンルとしてはミラーレス一眼レフということになりますが、一般のミラーレス一眼レフとは大きく違います。まず、何と言っても一眼レフと思えないほどに小さい。手のひらサイズと言ってもいいです。本体の幅は約10cm、高さは6cm弱、厚みは3cmちょっとで、重さは200gちょっとです。
サイズが小さいということは撮影素子も小さいので、いわゆるコンデジと言われるコンパクトデジタルカメラ並みの1/1.7型素子を使ってます。デジタルカメラの性能を決める大きな要素が撮影素子の大きさと画素数と言われていますので、その点では見劣りしてしまう仕様ではありますが、それを補って余りある魅力がこのカメラにはあります。

もちろん小さいことが第一の魅力です。レンズ部分が本体に収納されるコンデジに比べると、レンズの分だけサイズは嵩張りますが、それでもバッグにちょいと入れて出掛けられる小ささです。
第二の魅力は小さくてもレンズ交換式であることです。これは同じような撮影素子を使っているコンデジとの大きさ差別化です。Q-S1に使える純正レンズは8種類あります。そのうち4種類は特殊効果を狙ったレンズなので、普段使うレンズではありませんが、それでもこの小さいカメラで4種類のレンズを普段使い出来るのは大きい魅力です。レンズを合わせて持ち出そうとしても、通常の一眼レフやミラーレス一眼レフの比ではありません。大きめのポーチに一式入ってしまうほどです。
第三の魅力は意外と写りがいいことです。既に発売開始から年月が経過していますし、先ほど書いたように撮影素子はコンデジ並なのですが、不思議と写りがいいのです。コンパクトにするためにレンズ設計に無理があるコンデジに対して、このサイズに合わせたレンズ設計がきちんと出来ているせいなのでしょうか。

その他、小さいのにミレーレス一眼レフぽいデザインでいかにもカメラを使っている気になるところや、カラーバリエーションが40パターンもあることや、小さくてもレンズマウントが金属であることなど様々な魅力があります。カラーバリエーションに関しては中古で探す場合は出会いになってしまうので、希望するカラーに巡り合えるかは運次第になってしまいますが。

もしもっと詳しいことが知りたいようでしたら、メーカーサイトを覗いてみてください。
特に作例の写りには驚かされると思います。

私の Q-S1の使い方

私がこの Q-S1を手に入れたのは Q-S1が生産終了した直後でした。その時私はある目的をもってカメラを検討してました。その目的はブログに掲載する画像撮影やフリマやオークションに載せる品物の撮影でした。それならば無駄に高性能である必要はなく、手軽さが第一です。小さくて、使いたい時にすぐ使える気軽なカメラが欲しいと思いました。

それならコンデジで充分では、と言われそうですが、コンデジで広角が使えるカメラはありません。ですが物撮りに広角は威力を発揮します。大きめのものを遠ざからずに全体を撮影出来たり、より接近して接写のような撮影が出来たりします。小さくてレンズ交換が可能なモデルは、当時Q-S1以外にもありました。しかし Q-S1には 3.8mm~5.9mmという広角ズームレンズが存在しました。これはよく言う 35mm換算で 17.5mmというとんでもない広角域です。さすがこのクラスの広角レンズを備えているカメラは同じクラスにありませんでした。
ちなみに撮影素子の小さいデジタルカメラは、素子の小ささのため望遠側を実現するのは得意ですが、広角側を実現するのはより難しくなります。一時コンデジが望遠性能を競っていたのはそういう背景もあります。Q-S1はそのような条件下でこのサイズ随一の広角を実現しています。

この断トツに広角なレンズを使いたいがためにQ-S1を探し始めました。まだ新品が手に入る時期ではありましたが、市場にあるのは売れ残りのカラーバリエーションとおぼしきカラーリングのモデルばかりで、仕方なく中古で探しました。本当は欲しいカラーバリエーションのモデルはありましたが、なかなか見つからないか価格設定が高く、一般的で流通量も多いブラックモデルの中から本体を選びました。
レンズも単焦点標準レンズの 01 STANDARD PRIME、標準ズームレンズの 02 STANDARD ZOOM、念願の広角ズームレンズの 08 WIDE ZOOMと入手することが出来ました。現在もこの 3本を所有していますが、常に広角ズームレンズを付けっぱなしにして身近に置いています。

このような撮影目的であれば iPhoneなどのスマフォでいいという意見もあると思います。お気軽撮影ならばスマフォでの撮影でもいいのですが、私は長年カメラをいじってきたので、撮影するぞという時はカメラの方が気持ちよく使えるのです。あと撮影した画像は Windows PCで利用しますが、iPhoneから PCへの画像転送よりもデジカメからの転送の方が簡単です。

使っていて感じるのは、ほんとうにこの小ささでこの広角画像が撮れるのかという驚きです。これにはテンションが上がります。まあ私がフィルム時代から広角レンズ好きであることも影響しているのですが。しかし、いわゆる寄りの撮影といいますか、狭い場所で後ろに下がれなくても写したいものが画角に収まるというのは非常にメリットが大きいです。

主にWeb掲載用の物撮りカメラとして使ってますが、荷物を極力減らしたい時の旅カメラとしても活躍してます。風景を広大に撮影したり、狭い機内などでも画角に収まるなど、旅カメラとして広角レンズのメリットを活かしながらもほとんど荷物になりません。
私は日帰りの飛行機旅をよくするのですが、その時はボディバッグにスマフォと財布とQ-S1とKindleを入れて出掛けます。ミニマルな旅もまた楽しいものです。

Q
Q-S1での撮影 (機内)
Q-S1での撮影 (機外)
Q-S1での撮影 (屋外)

さいごに

Q-S1はいかがだったでしょうか。私にとって思い入れのあるカメラはまた別にありますが、目的特化のカメラもまたいいものです。その魅力が少しで伝えられたならいいなと思います。
そして最新のカメラでなくても目的と性能が合えば充分に実用に値することもわかって頂けたらと思います。

最後にカメラマンの赤城耕一さんが2022年始めにこのカメラを購入して、その魅力を語っている記事があります。もちろん様々な条件を差し引いての評価ではありますが、今この時にこのカメラを再評価して頂けているのは我が事のように嬉しいですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?