【football chat#11】森保政権はサッカー人気の低迷の始まりか
かつて日本代表はかなり人気があったはずです。調べてみると、特に中田英寿が君臨した時代(1997年から2006年)は群を抜いています。スタジアムはどこが相手でも満員だったし、ワールドカップは予選でも視聴率は50，60％を連発している状態でした。今となっては考えられない視聴率ですよね。
今年7月に行われたE―1選手権は盛況とは言い難く、香港戦の入場者数はわずか5000人弱で、視聴率も約6％と低い数字です。中国戦はようやく1万人に届きましたが、悶々とするようなドローゲーム。優勝を決めた日韓戦でさえ、1万弱の観客数で、視聴率は2桁に届かなかったのです。Jリーグ選抜というべき陣容で、いわゆるフル代表ではなかった点は差し引いても、日本サッカー代表にかつてのようなブランド力はないかもしれないと誰もが思うはずです。
butしかし！これだけで「日本サッカーの人気凋落」と結論付けるのは正しいのか？自分なりに考えてみました。
サポーターの二元化
先程話した代表戦の視聴率、観客動員数とは裏腹に、豊田スタジアムでの名古屋グランパス対浦和レッズの一戦の入場者数は約3万3千人であり、これは日韓戦の倍以上の数字です。
Jリーグは応援するクラブのため、人々が足を運ぶのが習慣化してきており、Jリーグ選抜の代表戦では必然的に集客力は弱いと考えられます。おまけに、相手の韓国代表選手の名前はほとんど知られず、関心度は上がらない方向に結びつきます。
サッカーファンやサポーターはライト層とディープ層というのに二元化されてしまったのかもしれない。
前者はファッション的にかっこいいものを追い続け、それは大谷翔平やレブロン・ジェームズを応援するに近い感覚で、ライトにスポーツを楽しむファンだろうと思います。後者は、自分たちと運命共同体と信じるサッカークラブがあり、とにかくそこを深く堀り下げ、それはやや閉鎖的であり排他的で、自分たちの世界を作る人々であると思います。かなりキツイ言い方をしましたが、詳しい人はよくライト層を『にわか』と嘲笑しますよね。それに近い気がします。
ここで言いたいのは、かつてサッカー日本代表は、そのどちらからも支持されていたのだが、今やどちらからの人気も失いつつあるという事です。
単純な理由
人気低迷の原因と挙げられるのは、単純に考えるとライト層が離れたと思うのが妥当でしょう。かつての代表は、三浦知良、中田、本田圭佑と年代ごとに世界へ挑み、未開の地を切り拓くような姿が単純に”格好良かった”と感じさせられました。自分はザックジャパン世代の人間なので、あの当時はテレビにかじりついてました笑。
実は、今のほうが世界に飛び出している選手は多いのです。しかし、象徴と言えるような選手が不在であり、久保建英、鎌田大地、三笘薫、南野拓実などには期待がかかりますがどうなるのかは分かりません。
拍車をかけるように、森保監督の戦術の無さが結果として現れ始める事でファンも失望してきます。そしてJリーグのそれぞれのクラブを愛するディープ層は、自分たちが愛する選手がいない代表にそこまで興味を示さなくなっています。
（個人的には気にしてはいないが）Jリーグの声出し問題などのマイナスな報道をメディアがしている事もあり、過激なディープ層が目立ち、新規のファンが入りずらい構図を生み出しているとも考えられます。
多様化した娯楽
昔はテレビがあり、ドラマをみたり映画もテレビで見てました。今はスマホが数々のサブスク配信が見ることができます。今まで知ることのなかった海外のものがたくさん見る事ができ、人々の楽しみが多様化したのも要因にあると思います。若い人はテレビを持たずに携帯でDAZNやSPOT TVなどと契約してサッカーを見ています。Youtubeなどではレオザフットボールなどが台頭してきており、地上波の解説が聞けなくなっているのも事実です。
かつての日本代表を指揮した岡田監督も、サッカーはエンタメと結びつけなくては人気に繋がらないとも発言しています。
日本サッカー協会が本当に人気低下を危惧しているなら、今回のE―1選手権はマネジメントが悪いと言えます。開催地を本拠地にするクラブの選手を、もっと召集すべきだっただろうし、プロの興行としてそれができなかったのは単純に失敗と見てもおかしくありません。
カタールW杯に向けて
ただ、日本サッカー人気全体は急に低下したわけではないと思います。
森保JAPANでも一気に急上昇にのることは可能です。それはカタールW杯で結果を残す事です。スペイン、ドイツという強豪がいるグループにはいってしまったのですか、決まってしまった以上応援するしかありません。
皆さんは忘れてはいけません。スポーツの良いところであり、悪いところでもある点があります。それは強くて勝てば人気があがり、弱くて負け続ければ人気は下がる。この残酷でもある特性がスポーツでいうロジックだと思います。
要するに11月から始まるカタールW杯に向けて皆んなで関心を高め、応援しましょう！