灰色の朝に祈る -ジェズアルドの宗教音楽
以前、「人を殺したことのある大芸術家」として、画家カラヴァッジョを取り上げました。もう一人、私が思い浮かぶ芸術家は、16世紀ルネサンスの音楽家、カルロ・ジェズアルドです。
もっとも、両者の生きた道筋と芸術は全く異なります。カラヴァッジョの場合、度重なる愚行の果ての襲撃であり、作品の価値はさておき、その生涯の罪と愚かさに、同情の余地は全くありません。
しかし、ジェズアルドの場合、その罪は、様々な意味で、一考する部分があるように思えます。そして、カラヴァッジョが、彼の愚行