NODWIN GamingがComic Con Indiaを買収 金額は?今後の戦略は?
2024年1月にNODWIN GamingによるComic Con Indiaの買収が発表されました。
2015年から日本の電子マンガプラットフォームや大手出版社のComic Con India出展をサポートさせていただいている私たちにとって、この買収の影響は気になるところです。
買収発表後の両企業CEOへのインタビューがCNBC -TV18のニュースになっていましたので、その内容を少しご紹介します。
そもそもComic Con Indiaとは?
コミック好きのJatin Verma氏とKaran Kalra氏が、サンディエゴ・コミコンを模して2011年2月にデリーで開催したことに始まります。初回のイベント参加は無料、参加者は1,000人ほどだったそうです。
当時の出展企業は、Amar Chitra Katha、Vimanika Comics、Diamond Comics、Kshiraj Telang、Manta Ray、Level 10 Comics、Campfireなどのローカルの出版社が中心でした。
2014年に国際的な見本市運営会社リードエグジビジョンとComic Con India Pvt. Ltd.を設立。今では、デリーをはじめ、ムンバイ、ハイデラバード、ベンガルール、チェンナイなど複数の都市で毎年開催され、コミック、コスプレ、映画、テレビ番組、ゲームなどの国内外の様々な企業やアーティストが出展しています。
ちなみに、2015年より日本の自動車メーカー「スズキ」のインドにおける乗用車販売会社の「Maruti Suzuki」が冠スポンサーです。
来場者属性
チケット価格(Mumbai Comic Con 2024)
NODWIN Gamingについて
NODWIN Gamingは2015年に設立されたインドのeスポーツ企業の一つで、同じくインドを拠点とするゲームおよびスポーツメディアプラットフォームのリーディングカンパニー「Nazara Technologies」の傘下です。
プロゲーマー、コンテンツクリエイター、トーナメント主催者、観客との持続可能なフレームワークを構築し、さまざまなIPを通じてファン、パブリッシャー、ブランドにeスポーツエンターテイメントをコアバリューとして提供しています。
具体的には、メディア、インフルエンサー、トーナメントIP、ブランドソリューション、およびマーチャンダイジングの各分野でビジネスを展開しています。
買収の背景と今後の戦略
コロナの影響で大きな打撃を受けたインドのイベント業界ですが、コロナ後はリアルイベントへの参加意欲が高まり、コロナ前の状況に戻りつつあります。
Comic Con India創業者のJatin氏はインタビューで「年間のべ来場者数はおよそ25万人、平均滞在時間は5時間以上、チケット販売を含むFY23の売り上げは1億6000万ルピー以上」と好調をうかがわせました。
また、世界のポップカルチャーを一度に体験できるというComic Con Indiaならではの体験ができるイベントはインドでは他に例がなく、その点がeスポーツでIPビジネスを展開するNODWIN Gamingの目に留まったところでもあるようです。
「コロナ以前よりNODWIN Gamingとは協力関係にあり、今回の売却によりNODWIN Gamingの影響力とリソースを活用し、Comic Con Indiaをさらに拡大させる機会になると感じました。」と前述のJatin氏。
NODWIN GamingのCEO、Akshat Rathee氏は「私たちはComic Con Indiaで育ちました。Comic Conが育んできたものをこれからも継続し、さらに拡大していきます。NODWIN gamingは収益性を重視していますが、持続可能な成長も大切だと考えています。今後は、Comic Conを誘致したい都市とも協力関係を築いて行けたら。」と話します。
気になる買収額は?
インタビューの中でJatin氏、Akshat氏は買収額は5.5億ルピー(およそ9.8億円)と明かしました。また買収額の半分は現金で、残り半分はNODWIN Gamingの株式としてComic Con Indiaへ支払われます。買収のプロセスは今後、数週間以内に完了する見込みとのことです。
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