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耳の文化

ついに年末になりました。
本日仕事納めの方も多いのではないでしょうか。
私は最近車通勤になったこともあり、ラジオをよく聞くようになりました。
前回に少し触れましたが、「耳の文化」を取り入れています。

今日は“ジェーン・スー 生活は踊る”の中で、スーさんが「本当にお疲れ様でした。今年一年よく頑張った」という言葉に心から救われました。
金曜になるといつも「今週一週間よく頑張りました」とのお言葉を頂戴できますので、最近はその言葉を頼りに一週間生き抜いている私でございます。

ただ、こちらはとりあえず仕事納めしましたが、ラジオの方々は特に年末年始休みがないみたいですね。大変ですね。せっかくですので、ありがたく長時間聞かせていただきたいなと思います。

ちなみに私が聞いているラジオの一日の流れとしては、

6:00から9:00 TOKYO FM ONE MORNING(ワンモ)
9:00から11:00  TOKYO FM Blue Ocean
11:00から13:00 TBSラジオ ジェーン・スー 生活は踊る
13:00から15:30 TBSラジオ 赤江珠緒 たまむすび
17:10から19:52 TOKYO FM Skyrocket Company(スカロケ)

です。
金曜はアフター6 ジャンクションの18:30からやってる映画のやつ(名前忘れた)(今日は18時からシネマランキングのようです!)
を聞いています。スカロケがお休みなので。
もちろん最初から最後まですべてを聞いているわけではないのですが、ワンモとスカロケはだいたい通勤時間にかぶっているのでよく聞きます。
職場によってはラジオが流れているところもあるそうで、羨ましいかぎりです。


映画を好きになって多くの映画を見始めたときに、たまむすびコラム町山さんが担当の「アメリカ流れ者」をYouTubeで聞くようになりました。それから、生(ラジコ含む)でも少しずつ聞くようになりまして。もともと山ちゃんは好きだったのですが、赤江さんの声が良いのと、面白いのとに気が付き、番組を通して聞くようになったのがラジオを聞き始めたきっかけだと思います。

ところで、みなさんは読書しているときに頭の中で声として変換していますか?
僕は変換している側です。声に変換すると、声のスピードでしか読めないので速読できないそうなのですが、「そんなの関係ねえ」ということで、いまだに声に変換しています。(一度トライはしています)
ラジオで聞いた情報なので、正確な数字は覚えていないのですが、確か8割くらいの方は声に変換していたような気がします。ものによっては声に変換しなくても読めるタイプの方もいるそうです。

これを人に話したことはない気がしますが、コミックがアニメ化される時に、自分の中でのキャラの声と声優さんの声の違いに耐えられずに、あまりアニメは見なくなってしまいました。それもあってコミックの映画化を推すに推せない自分がいるような気がします。アニメや映画から入るとそういった心配はないので、全部そうできればよいのかもしれません。
映画化といえば、「ヲタクに恋は難しい」が高畑充希さん主演で公開されるようで楽しみです。・・・あれっ、全然声の違いが気になってない。おかしいな。実写ならいいのかなぁ。わかりません。

目の文化と耳の文化はかなり近い距離にいるようですね。
ただし、見る文化は芸術や建築、文学として形を残しやすいですが、耳の文化は瞬間性が強いです。今でこそ、レコーダーやラジコ、SNS、YouTubeなど音を残せるようになりましたが、目の文化に比べると歴史が浅いのではないでしょうか。もちろん音楽はありますが、音楽はレコーダーでない限り、作った人の音ではない(特にクラシック)ので、記録媒体としての機能は弱い気がします。(もちろんそこも良さの一つです)

「怖い絵」で知られる、中野京子さんが言うには、日本は目の文化、ドイツは耳の文化、イギリスは物語(戯曲)の文化だと仰っています。今年9月に行われた、中野京子さんによる「印象派の衝撃」という講座を聞きに行ったのですが、とても勉強になりましたし、なにより話が面白いですね。ズバズバと物を言われる方で、「コート―ルド美術館展」という印象派の展覧会についての講座だったにもかかわらず、「私は印象派をそんなに好きでもない」ということを仰ってました。(もともと著書ではそういった旨をよく書かれているので、それを聞いてもやっぱりかーくらいにしか思いませんでしたが)それでも歴史や文学など色んな話に膨らませていけるのは、さすがだなと思いました。中野京子さんが書かれた美術関係の本(怖い絵とか)ももちろん面白いのですが、「恐怖と愛の映画102」という映画についての本もめちゃめちゃ面白いのでオススメです。(今は本屋さんには売っていないかもしれません)

とはいえ、時代によって文化は変化しているのかなと思う部分もあり、平安時代の歌の文化の時代の日本は耳の文化であったでしょうし、テレビが世界を席巻していたときにはどこの国も目の文化が作られていたと思います。

そして現代、シリやアレクサ、グーグル等の音声アシスタントを見ると、手書きからキーボード入力に変わったように、音声入力にとシフトチェンジしていくのではないかと思わずにはいられません。(まさに「her/世界でひとつの彼女」の世界)
また耳の文化へと変わっていくのではないでしょうか。またラジオブームが来るかもしれませんね。YouTubeのラジオ版、もしくはブログの音声版のように誰もがラジオパーソナリティーの時代が。(もう来てる?)

現代と平安時代ほどの時代差はありませんが、最近では映画も時代回帰してダラダラと長ったらしい映画が増えましたね。若い世代は2時間も映画館で携帯の電源を切っていられないらしいですが、ぜひバンバン映画館に行ってリハビリしてほしいものです。時代回帰した理由としてはネットフリックスの存在が大きいと思います。映画館で観なくてもいい、家や外で何回かに分けて見られるというのが一つの大きな理由でしょう。アイリッシュマンは3時間半あり、あらゆる意味で昔の映画のような気がしました。俳優陣、監督、長さ、お金のかけ方など本当に最高の映画でした。あのような映画がやっと映画館で観ることができて感無量です。ネットフリックスに税金を納めているかいがありました。アップリンクさんにも感謝しています。アイリッシュマンといえば、ライムスター宇多丸さんのアイリッシュマンの評論は最高でした。音源が残っているかはわかりませんが、映画観た方はぜひお聴きになっていただきたいです。

時代の変化、技術の進化によって逆に戻ってくるものもあるのですね。

ただし、耳の文化の特徴である刹那性はできるだけ消えないで欲しいです。
刹那性が消えるというのもおかしな表現ですが、普段の会話のように言った瞬間から消えていく、ラジコもタイムフリーがありますが、一週間経つとそもそも聞けない、聞き始めた番組は1日だけというタイムリミットがある。(プレミアムは別)
いつでもどこでも見ることができるのも良さの一つだとは思いますが、一定期間しか聞けない、その瞬間しか味わえない、映画館に行かないと観られないなど、限定性も良さになりうるように思います。(ライブなんかは特に)

多分スピルバーグ監督がネットフリックスを批判するのはそういった理由があるんではないでしょうか。
全員が孤独を共有できる映画館での経験というのはなにものにも代えがたいと思いますので、皆様映画館に行けるチャンスがあるときにはぜひ足をお運びいただきたいものです。


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