2019年ワダデミー賞

あっという間に年末になりました。
今年はあまり寒くないからなのか、クリスマス、年末ともにいつもの盛り上がりには欠けているような気がしています。
消費が冷え込んでいるのかもしれません。

さて今年もたくさんの映画が公開されました。
皆さんの印象に残った映画は何でしょうか。今年はスターウォーズ、アベンジャーズがともにシリーズの終わりを迎え、悲しんでいるファンも多かったのではないかと思います。

ゆっくりと誰かと一緒に今年の映画を振り返りたいような気もしますが、ひとまず2019年ワダデミー賞を発表したいと思います。

上半期の時に2019年のアカデミー賞にノミネートされた作品を除いたので、今回も除いてあります。除かなければスパイダー・バースがダントツの一位になるのではないでしょうか。
来年からはアカデミー作品にかかわらず、1年の間に自分が観た新作映画の中で選ぼうかなと思ってます。

日本だと翌年のアカデミーに絡むのが確実視されている映画も、年を越えて公開されるケースがあるので、難しいですね。時期合わせるのも変な感じですし。今年だと、ジョジョ。ラビット、パラサイトあたりが楽しみで仕方ありません。

今年は観る本数を減らして本を読む数を増やしたので、観た本数自体は少なめですが、映画館で観た本数は一番多いかもしれません。

12月31日「家族を想う時」で131本観させていただきました。
その中の6位から10位です。(順不同)

愛がなんだ 今泉力哉監督
わたしは光をにぎっている 中川龍太郎監督
バーニング 劇場版 イ・チャンドン監督
ガリーボーイ ゾーヤ・アクタル監督
家族を想う時 ケン・ローチ監督

では5位から1位の発表です。

5位 真実 是枝裕和監督

去年「万引き家族」でパルム・ドールを獲得した是枝監督の作品です。ぜひとも是枝監督の書いた「こんな雨の日に」と同時に楽しんでいただきたいと思います。
家族を描いてきた是枝監督が海外で日本とのギャップに直面しながら、家族の在り方と優しい嘘を丁寧に撮影した作品です。観ているとカトリーヌ・ドヌーヴが樹木希林さんとが重なって見えるようになります。是枝監督にとっての樹木希林さんの存在の大きさを感じました。僕の大好きな女優の一人である、ジュリエット・ビノシュさんの色々な感情を含ませた笑顔が「イングリッシュ・ペイシェント」の時以上に深みを増していて素晴らしかったです。

4位 この世界のさらにいくつもの片隅に 片渕須直監督

一大現象となった「この世界の片隅に」のディレクターズ・カット。とでもいうのでしょうか。ストーリーの大筋は同じはずなのに、いくつかの場面が足されていることで全く違った表情を魅せる映画です。主人公のすずさん役、のんさんの声は相変わらずのほほんとしていましたが、そのすずさんの違う一面も見れて、自分としては「今作の方が好き!」です。
12月20日から劇場公開されたばかりなので、年を明けても映画館で観られます!
ぜひ劇場に足をお運びください。


3位 アイリッシュマン マーティン・スコセッシ監督

言わずと知れたマーティン・スコセッシ監督の作品。久々のデ・ニーロ主演というだけでなく、引退していたジョーペシを引きずり出し、アル・パチーノまで登場させる。「アベンジャーズよ。これが映画だ」という言葉の通りの豪華さでした。(っていうか豪華すぎでしょ!)本当にネットフリックス様様です。2時間映画館に座ってることができない人々が増えている中、3時間半の映画をこの豪華な俳優陣で作れるネットフリックス。時代の変化を感じます。僕は映画館で観ましたけど。カジノ、グッド・フェローズに次ぐスコセッシによるマフィア映画の第3部です。これだけ言えばもう十分でしょう。
3位なのは他の2作が素晴らしかっのと、今日の気分です。明日になったら1位って言ってる可能性は十分にあります。
ネットフリックスにて公開中。アップリンクでも見られるかもしれません。時間が余りがちな年末向けの映画かもしれませんよ。

2位 宮本から君へ 真利子哲也監督
衝撃。原作の漫画を僕は知らなかったのですが、凄まじかったです。原作もこれくらいの衝撃なんでしょうか。2時間劇場で観たからすごかったのか。それはわかりませんが、こんなにもノーガードでの殴り合い。裸でのぶつかり合いができる漢がこの世界にいるでしょうか。正しいとか間違っているとかじゃなく、ぶっ飛んでる。そもそもこの映画今の時代に上映してよかったのか。と疑問さえ湧きます。いやあ、スゴイ映画ですよ、これは。主演の池松壮両さんも素晴らしいのですが、何より蒼井優さんが「流石!」の一言でした。今年のワダデミー女優賞は蒼井優さんです。そしてご結婚もおめでとうございます。


1位 マリッジ・ストーリ- ノア・バームバック監督

1位です。これもネットフリックス作品ですね。ネットフリックスがこのタイミングで出してくるということは、アカデミーを狙っていることは間違いないでしょう。主演はアダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンソン。カイロレンとブラック・ウィドウという、スターウォーズとアベンジャーズのスター同士。二人ともキャラが先に目立ってしまっているかと思いますが、どちらも本当に演技が上手いなぁと改めて思い知らされました。本気の夫婦のぶつかり合いを長回しで永遠とやらされるなど撮影は大変だったようですが、その分映画の一つの山として、迫力のあるシーンになっています。
離婚の話なのに、タイトルは「マリッジ・ストーリー」。と不思議な感じですが、監督の離婚経験を基にしていて、監督の人生を見ているようでもあり、監督のセラピーを見ているようでもあります。ただ、それを個人の経験としてではなく、家族の物語として描くと同時に現代の社会に潜む問題にも光を当てているという、脚本、俳優、撮影全てが素晴らしい映画でした。

ネットフリックスで公開中。アップリンクでも公開中です。

今年は一年間いい映画だらけで、面白かったです。
来年もまた良い映画に出会えますように。
それではみなさんよいお年をお迎えください。


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