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第一章 幻灯による映像文化の開幕

幻灯に関する秋田県(明治年間)の資料です。 第一節 幻灯の出現1 写し絵興行㈠写し絵の考案  明治初期、文明開化の風潮が進展する中で、米国からマジックランターン、すなわち幻灯が輸入された。ほどなくして国産化されるようになり、全国に普及した。秋田県においても、明治中期から後期にかけての明治年間、県内各地では連日のように幻灯会が開催された。まさに映像文化の華が開いたのである。  しかし、日本には明治以前から、幻灯と同じレンズ映像である「写し絵」が存在していた。この写し絵につ

    • 秋田の映画史 第一節 明治初期の娯楽興行

      第一節 明治初期の娯楽興行1 芝居興行の進展㈠ 明治維新後の興行   慶応から明治にかけてのこと。 東北諸藩を巻き込んだ戊辰戦争において、久保田藩は城下に程近い椿台(現、秋田市雄和)にまで攻め込まれ、人々を狼狽させた。 ところが同じ頃、新政府軍と対峙していた仙台藩が、戦局の劣勢により官軍に降伏した。このことで、久保田藩の対敵であった庄内軍も、国元の守りを固めるために秋田から撤退をはじめた。 予想外の敵軍撤退の局面では、我が藩勝利とも錯覚されるが、この戊辰の戦いの秋田勢はほぼ

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