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朝のルーティンで誓うこと【推し活リベンジ!01】

推しがいるアラサーの朝は早い…わけでもない。

いつもの時間に目を覚まし、Youtubeで推しが出演している動画を流してから、朝食を食べたり、身だしなみを整えて出かける準備をしたりする。
この時、推しが動画全体ではなく部分的に映っているものを選ぶ。推しが出るたびに手が止まるからだ。全編に出ていたら何もできなくなってしまう。
逆に、全編に出ている動画はいつ見るかって?
実は10分以上出続けている動画がいくつかあるが、ブックマークしただけで1本も見られてない。だって、ずーっと推しが出ているなんて……心臓持ちますかね?
そのうち挑戦したいと思っているが、心の準備と時間の余裕がないので実現できずにいる。流し見なんてとんでもない。例えるなら、玉音放送。一言一句漏らすことなく、背筋を伸ばして視聴したい。

なんてことを考えながら着替えていたら、推しと全然関係ない関連動画に飛んでしまった。
また準備の手が止まる。気の利かないYoutubeめ、AIのディープラーニングもまだまだだな、などと思いながら同じ動画を再び再生する。
この手間を無くすためにプレイリストを作った方がよさそうだ。次から一度見た動画をどんどんフォルダに放り込んでいこう。毎度そう思っているが、結局やっていない。次こそはやろう、次こそは。

家を出る前に、ヘッドホンを付ける。Bluetoothでスマートフォンと接続すると、指定したプレイリストの音楽が自動で流れるように設定してある。
あれ? 動画は適当なのに音楽の方はちゃんと設定している……なぜだろう。まぁいいや。

1曲目は推しが現在所属している球団の歌。ホーム戦で勝利した時に流れる、ファンなら誰もが知っている曲だ。「どうかこの曲が今日も聴けますように、勝ちますように」と、ある種の「予祝」の意味も込めて入れている。

そして2曲目は、推しの現役時代の入場曲。インディーズだが明るく、爽やかに未来への希望を歌っている。歌いだしが印象的で、何度も繰り返されるメロディーが心地よい。MONKEY MAJIKみたいなテイストだ。

この曲が地元の某球団のスタジアムで流れていたのを、かつての私は聴いていた。そしてその片隅で、彼の活躍を願った。

なぜなら、勝てば目の前に並んだグッズがたくさん売れるから。

当時、私は彼を推していなかった。
それどころか野球選手にあまり興味がなく、夜のスポーツニュースで「チームが勝った/負けた」「監督がなんかしゃべった」「最近名前をよく聞くあの選手、今日も活躍したんだ」くらいしか認識していなかった。
そしてスタジアムは「バイトしに行くところ」としか思っていなかった。

あの頃の自分に後悔しながら、今日も歩き出す。
今度こそ、推しを推す。きちんと応援する。そう誓うまでが朝のルーティンになっている。

クリエイティブ不毛の地・仙台出身の平成元年生まれが、令和元年に上京して「平面系マルチクリエイター」を目指しております。皆さまから格別のお引き立てをいただけることが、何よりの励みになります。