国交政務官 佐々木紀氏の「国は自粛要請しています。感染拡大を国のせいにしないでくださいね」というツイートについて

国交政務官を務める佐々木紀氏が4月4日にツイッターで「国は自粛要請しています。感染拡大を国のせいにしないでくださいね」とツイートし、その後、当該ツイートを削除。その後、「国は自粛要請しています。感染拡大を国だけの責任にしないでくださいね。でも、自粛を求めるなら補償とセットでないといけません。しっかり取り組みます!」と投稿した。

国政を担う政治家としての責任放棄であり、今後の日本の政治を考える上で重要なことなので、備忘として書いておく。

論じるべきは以下の3つだと思う。

●政治家がSNSをすることの意義

政治家がツイッターなどのSNSをやることの意義は何だろうと考える。色々考えられると思うが、今の感染拡大の状況を考えたとき、正しい情報を的確なタイミングで発信すること、そして、国民に伝わっていない情報を発信することだと思う。

佐々木氏の過去のツイートを遡って見てみたが、ほとんど一般人のツイートと変わらない。厳しいことを言うけれど、とても政治家のツイートとは思えない。河野太郎氏の感染者数の推移、新型コロナウイルスに関係する制度に関してのツイートなど有益性は歴然としたものがある。

冒頭でも述べた通り当初のツイートを削除し、後のツイートで「自粛を求めるなら補償とセットでないといけません。しっかり取り組みます!」と苦し紛れにツイートしているが、そもそも政治家ともあろうものがツイートを削除するとはどういうことだろう。政治家の発言にはすべて責任が伴うということを理解していないのだろうか。国会答弁で「あっ、今の発言はなしで」などとは通用しない。SNSへの感度が一般人と変わらないのは論ずるに値しない。

●自粛要請

これはすべての政治家に言えることで、何も佐々木氏だけのことではないが、「自粛」というのは個人で実践できることである。政治家や知事に言われなくても、たいていの国民は仕事が休みの日にやりたいことも我慢して家で安静にしている。

佐々木氏の「国は自粛要請しています」というツイートにあるように「我々は必要十分なことをやっている!」と個人でもできることをさぞ立派なことのように主張されても鼻白むばかりである。また、佐々木氏が当初のツイートを削除して、先述したようにツイートを再投稿した後も「国は自粛要請しています」と文言を削除しないところに佐々木氏の本音が透けて見える。日本の政治家のすべてがそうだとは思わないし、実際に国のために懸命に働いてくれている政治家もいるはずだが、少なくとも佐々木氏は「自粛要請してるだろ!」くらいの感覚なのだろう。本当にありえない。「自粛」というのは、個人の良識にあまりに寄り添いすぎている。あまりに甘えすぎている。

「自粛」によって自主的にお店を閉店したり、予定されているイベントの開催中止が相次ぎ、悲惨なことになっているのは当然知っているはずだろう。

僕は、個人や民間業者が今までの通りの経済活動を維持したまま国に補償だけを求めているのではない。当然ながら、「自粛」はする。それでも個人や民間業者にできることはあまりに限られている。そのときのために政治家がいるのではないか?政治があるのではないか?

●感染拡大は個人の責任か、それとも国の責任か

ツイッターを見ていると、意見が割れているが、どちらかというと現時点では「国の責任」と考えている人が多いように思う。あくまでツイッターを利用している人のほんの少しのツイートを見ただけなので、データとしては著しく少ないとは思うけれど、僕は個人の責任も当然あるし、国の責任もある。

この2か月くらいの間に様々なことがあった。もはや数えきれないほどで、その中には「個人の責任」もあったし、「国の責任」もあった。ただ、もう過去をとやかく言っても仕方がない。ここで言いたいのは、佐々木氏の「国だけの責任にしないでくださいね」という部分だ。

とても政治家が言うべき言葉ではないように思う。個人や民間業者ができないことを引き受けて断行していくのが政治家だと思う。あなた方がやらなければ、一体誰がやるというのだろう。仕事を放棄していると受け取られても仕方がない。このツイートに関しても削除した後も再投稿しているということは、これに関しても本音なのだろう。だとしたら、もう辞めるべきである。他の大多数の本当に身を粉にして何とかしようとしてくれている政治家に失礼だと思う。最前線で働いている医療従事者にも失礼だ。

在宅勤務やリモートワークができる会社はもうとっくにやっている。それらができないから、明日も明後日も満員電車に揺られながら通勤するしかないのだ。働かざるを得ない人たちが大勢を占める中で、それでも「感染拡大を国だけの責任にしないでくださいね」と言えるのだろうか。

最後に

感染拡大がまったく止まらない。東京都でも毎日100人単位の感染者が出ている。今まで感染者が出ていなかった都道府県にも次々と陽性患者が確認されている。

ただ、ようやく国からの支援の具体策が出てくるようになり、かなり遅いとは思うが、それでも一歩前進といったところだろう。

僕は今までもちろん投票には行っていたが、正直なところここまで日本の政治に不信と不快感を持ったのは初めてだった。だから、自分でも少し驚いている。ここまで憤っていることにも心底驚いている。

でも、僕がなぜここまで厳しいことを書き連ねるのかと言えば、声を上げないと、結局のところ政治家は何もしてくれないと気づいたからだ。「自粛」という名の我慢をすることは簡単だ。でも、それだけでは搾取されるだけだ。いつかまた日本全土を揺るがすようなことが起きたときに「じっと我慢するだけ」の人には絶対になりたくない。声を上げ続けることで、もしかすると届くかもしれない。何かが良い方向に変わるかもしれない。そう願っている。

#日記 #雑記 #コロナウイルス #佐々木紀

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