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日曜"改造"の手引き

  【改造】建物・機械・組織などをつくり直すこと。別の用途にかなうように作りかえること。...素晴らしい響きの言葉である。皆さんはこう思ったことは無いだろうか。「好きなキャラのフィギュアが欲しいけどマイナーで売ってないな...」「この道具、もう使わないけど勿体ないな」と。私は前者に非常に共感する。というのも、私はこの願いでサンタクロースさえ困らせた事があるからだ。

 幼い頃、私は東京メトロ5000系と京王3000系という電車が好きだった。当時はリアルモデルの存在を知らなかったので、これらの電車のプラレールが欲しかった。しかし、プラレールは子供のおもちゃ。40歳の通勤電車が製品化される訳がなかったのである。そして私は、人智を超えたサンタクロースなら叶えてくれると信じて手紙を書いたが、部屋にはNゲージ模型が置かれていた。こちらの方がリアルなので本来はここで満足するはずなのだが、私は面倒くさいお子様である。この思いは消える事なく中学生まで引きずったのだが、ある時youtubeで出会ったプラレール改造の動画を見て、目から鱗が落ちた。私は独学で塗装やはんだ付けを学び、複数の既製品を組み合わせて遂にそれらのプラレールを完成させた。今は別宅の倉庫に仕舞ってあるが、完成した時の感動は今も忘れることは無い。

 さて、改造の大きな喜びの一つが、「世界に一つだけの自分の愛の結晶」をその手で産み出せることだ。改造は大きな手間と失敗の危険性、多大な材料費を必要とする。敬遠する人が多いのも仕方のないことだろう。しかし、どうか一回簡単な改造をしてみてほしい。トミカの塗り替えや、キノピオのソフビを2Pカラーにするのだって立派な改造である。既製品で満足している人達とは違い、自分は究極まで「スキ」を突き詰めたのだ。その計り知れない愛情は、出来上がった作品が一番の理解者である。

 このような改造の力強い味方が、東急ハンズである。ハンズは元々、手芸や趣味人のハンドメイド需要に応える為の量販店である。フィギュアのボディ成形は勿論、はんだ付けやプラ材の調達、その接着剤に至るまでもハンズで十分揃える事が可能である。

 改造に魅せられた私は、今3Dプリンターに無限の可能性を感じている。同人サークルと3Dプリンターは特に相性抜群であり、実際に私の所有する模型でも、3Dプリンターで制作された特殊な屋根を纏うものがある。(某事務所さんその節はありがとうございました)

 ネットで作例もすぐに手に入り、メルカリで改造素材もすぐに購入出来る令和時代。改造が手軽に、そしてハイクオリティに出来てしまう時代が、既に到来しているのである。

ーーー独創的なものは、初めは少数派である。多数というものは独創ではない。(湯川秀樹)

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