新たな恋

八幡インターの高速道路工事の竣工検査が終わってしばらくたって、支店の青年婦人部からバスハイクがあるので来ないかと先輩から誘いが来た。


参加することにした、バスは男女同数くらいだった。初めは男性と女性の同性で固まっていたが、役員の指示で男女のペアで座ることになった。


僕の横に来た子は、背が高い美形のTさんだった。

楽しい時間だった。ただ歌っている歌が全然わからず、曲名を聞くと、「え!この曲知らないですか?」と不思議な顔をされた。


一年近くTVを見ない生活があったからだ。


何日かして、先輩から現場へ電話があった。「この前のバスハイクで横に座った女の子が会いたいと言っている。」 先輩を含め食事に行った。

それから付き合いを始めた。


その頃は、現場が熊本県水俣市のポンプ状に変わっていた。

水俣から北九州市へ帰ってデートしていた。


3回目にあった時、前回のTさんに振られたショックが大きかったのか、

「俺と結婚する気があるなら付き合う。その気がないなら、今この場で帰ってくれ。」

と言った。いきなり二十歳の娘さんに無理なことを吹っ掛けた。


しばらくして、彼女が『良いです!』と答えた。


しばらく付き合っていたが、どうも結婚の二文字が心の負担になって嫌になり、別れを言った。

そして、別れた。


なんて奴だろう!!相手をその気にさせといて、嫌だからやめ〜〜た。

ろくな者じゃねえ!!相手を深く傷つけたという思いでトラウマになった。


紹介してくれた先輩の、出たかった結婚式には招待されなかった。


40年間心の隅で、彼女に申し訳ないと言う思いが消えなくて、ハートの中にしこりが出来ていた。


去年、ルチアと言う女の方と何かのワークをやった時、このしこりが解けて亡くなった。

不思議な感覚だった。

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