朝5時の新宿
カラオケを出ると、外がもう明るくて眩しい。
夏の新宿の朝5時はもう明るいけど、空気は澱んでいる。
始発に乗るために駅に向かう人の波。
みんな疲れて朝を迎えているみたいに見える。
わたしも疲れた。
女友達3人で初めて相席屋的なのに行って、仲良くなった男性3人と朝までカラオケ。
女友達のうち1人はぶっ潰れてしまい、男に持ち帰られている。救えなくてごめん。
わたし、ずっと初めましての会話は得意だと思ってたし、これまでこういうノリはめっちゃ楽しんできたと思うんだけど、なんか今回はとことん没頭できなかった。
お酒の力を借りても、ノリの中にいることを意識しないでノることができなかった。
どこか俯瞰してしまう自分が常にいた。
かっこいいお兄さんもいたし、面白い人たちだったのに。
もうこういう遊び方も楽しめない年齢になってしまったのかも。
楽しめる時期に、楽しく遊ぶ経験ができてよかったなと思う。
やっときゃよかった、と後悔するのが一番悲しいから。
あとは、どんなに顔が良くても、見た目だけでは好きになることはできないということに気づいた。
その場限りの関係なら良いが、そのためにお金と時間をかけるのはただの浪費かも、と思うようになった。
それなら、気心知れた人に最近の仕事の話を聞く方が、豊かである。
それなら、精神的繋がりも感じられるセフレとセックスした方が、豊かである。
それなら、早寝早起きして朝5時から勉強した方が、豊かである。
「大事にしたいものがあるなら、大事にしたいものにお金と時間を使いなさい」っていうどこかの誰かが言った名言があるけど、その通りだと思う。
やりたいことはこれからもたくさんやっていこうと思うけど、そのせいで大事にしたいものが大事にできなくなるような生活はしたくない。
その価値基準だけは、忘れずに心に置いてたいなと思う。
でもやっぱりそうは言っても、
飲みすぎて気持ち悪くて吐きそうな私も、
3時間睡眠で仕事に行こうとしてる私も、
男に狙われなくてちょっと悔しい私も、
朝5時で髪の毛はボサボサだけど肌は綺麗な私も、
ぜんぶ丸ごと抱きしめてあげたい。
メイクだけはちゃんと落として、少し寝よう。
あー気持ち悪い