夢の国

サングラスをかけて

半袖の袖を捲り上げ


笑顔なし。



その人は「立って列に並んでいないと1番最後のご案内になります」と叫んだ。



待っている客は私たち家族と


男性が1人。


座っているのは私たち家族だけ。



私たちに言っているんだなと誰しもがわかった。



最後でもいいと思ったので座ったままいると


「座っているとご案内できません」


と言い出した。


かわいそうなやつだ。

定員55人なのに?

座っていたらご案内できない?

何を言っているんだろう。

一通りカッコつけて知恵も愛嬌も無くし


彼はゴリラになってしまった。


パーク内にはターキーレッグを狙う

カラスが飛び回り


スズメが住み着いていた。



これが答えだ。


夢の国なんてない。


最初からなかったのかもしれない。

いつか、整備不良の事故でも起きそうだ。


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