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#2 わくわく 海外への旅 トルコ石と絨毯


#わたしの旅行記

旅立ち

 ヨーロッパとアジアの中間にあるトルコはエキゾティックで魅力的。
個人的に旅をすると、国によっては黄色人種に対する差別を感じる
こともある。
 エルトゥールル号の話が教科書にも載っているトルコ。親日的で、
旅も心地よいかもしれない。

エルトゥールル号の遭難
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ms/da/page22_001052.html

 何度も行きたいと計画したが、トルコ国内の問題や近隣諸国との関係で
なかなか実現しない。2013年ようやく80歳になった両親を連れて訪れる
ことが叶った。

 旅行前、母と確認したことがあった。「トルコ石と絨毯は絶対に買わない」と。どちらかが、買うと言ったら、必ず袖を引っ張ってやめさせよう!

 母と私はお金についての考えが似ていて、日用品など少額の買い物は
えらく迷うのに、ちょっと値の張るものは、買う決断がはやい。そして
お金を払うときに、心が晴れ晴れとするのだ。だから2人で店にいるのは、かなり危険だ。
 妹は気質が違うので私たちのことを「カウカウ星人」と言っている。

 買ってしまわないか、若干不安を抱きながらトルコに向け出発した。
 高齢の両親の疲れを予想し、トルコ航空のプレミアムエコノミーの
ツアーに参加。航空会社によっては、席だけ少しゆとりがあり、
機内食はエコノミーと同じところもある。その点、トルコ航空は
食事も専用メニューがあったので十分満足した。


エフェソス遺跡

ローマ帝国に次ぐ大都市 エフェソス遺跡

 1世紀ごろには25万人が数んでいたと考えられている都市。ここには、
世界最古の酒場があったと言われている。奥さんには図書館に行くと
嘘をついて秘密の抜け道を通ってきれいな人のところに通っていたのこと。
 いつの時代も人間は誘惑には弱いかも。でも図書館に行くという嘘は、
少々いただけない。

パムッカレとヒエラポリス

足をつけた パムッカレの石灰棚

 非常に濃度の高い炭酸塩と石灰を含んだ湯が冷却されてできた
段々畑のような石灰棚。太陽に照らされ、この世のものと思えないほど
美しかった。濃度によってコバルトブルーの色が微妙に違う。
 すぐそばのヒエラポリスには温泉施設があったようで、上のほうから
「病気は治るよ」と声をかけていたらしい。神の声と思った人は
病気の回復につながったようだ。信じる者は救われるのか?

トルコの美味しい料理

 世界三大料理の一つであるトルコの食事は、とてもおいしかったが
私は串焼きのラムの脂がちょっと苦手だった。のびるアイスは必見。
 鯖サンドは食べそこなった。

 トイレ休憩で立ち寄った中部のある土産物店で、母は突然中学生ぐらいの女の子に抱きつかれた。その子のおばあちゃんに似ているのか、はたまた 日本人だったからなのかー 言葉が全く分からないので、理由はわからず じまいだった。

カッパドキア

広大なカッパドキアの風景

 異次元に迷い込んだような何とも不思議な光景。それでいて岩の形が、
まるで生き物のように感じられる。真夏のカッパドキアは37度ほど。
歩き回った父の靴が壊れてしまった。暑さのためか接着部分が
外れたのだった。

 これからイスタンブールにもどるので、どこで靴を買えばいいか現地
係員の青年に聞いたら、僕にプレゼントさせてくださいというので、
びっくりした。トルコで旅人と農民に親切にするのは徳を積むことに
なるとのこと。
 そこで、気持ちだけありがたくいただいて靴を買ったら、本当に
残念そうだった。日本ではあまり聞いたことのない考え方に
驚かされた。

旅の締めくくりに

 見たことのない美しく、不思議な景色。美味しい食べ物。
親切で優しい人々。今まで訪れた国の中でも特別だ。

さて「トルコ石と絨毯」はどうなったか。
ー実は、2つとも家にあるー

 トルコ石のネックレスは日本で見かけるものと全く色が違い
目の保養だと思って眺めていた。私が心ひかれたものは、
表と裏で柄が違う。店の人曰く、
「これが本物の証拠だ」
母がやってきて
「今度の旅行、とても楽しかったから、プレゼントするよ」
「えっ!思わぬ変化球が来た。どうしよう」
そこで店の人に
「私はアジャスター付きでないと、ペンダントトップが下に
下がりすぎて見えなくなるからやめときます。」
というと、すぐさま
「このチョーカーは後ろで長さを調節できます。今なら
もともとのオフホワイトに黒もプレゼントします。
付け替えると、ほら、感じが全然違うでしょう」
と説明を受け、万事休す!
とうとうプレゼントしてもらうことになった。

想像上の海の世界

さて、絨毯が家に来たいきさつは、というとー

 カッパドキアで海を見たことのない少女が織った絨毯を見た。
これを売って、嫁入り支度をそろえるそうだ。
 母は戦後生活が激変し、学校を中退して洋裁をしながら
家族の生活を支えた。何か通じるものがあったのか?
 タコが、火星人のように見える?子どもらしい絨毯を
買うという。一般向きではない柄だ。
 私は別送品はトラブルのもとになることもあると
母に教えた。するとお店の人は、すぐに裏の表示部分にサインを
してもらい、日本の代理店から届けると。
 「トルコの絨毯はダブルノットで二重織りになっているので
100年持ちます。」
 そんなこと言われても寿命が足りない。
家宝にせよとのことか。母が
「私が死んだら、これを私の代わりだと思って。そうすると
さみしくないから」とまで言う。とうとう観念した。
父に聞くと
「ほしいものは、買えば」
長い年月、家庭の平和を守るため、そう言わざるを得なかったのか。
「買ったらだめ」と言えば「もう一度トルコに行くから」と
言い出しかねない母だから。
私も手作りの味わいが気に入っているが、とても重いのが難点。

 トルコはチューリップの咲き乱れる春が最高だときいた。
夏のトルコもよかったが、とにかく暑かった。
 ぜひ季節を変えて、また訪れたいものだ。


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