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家と私

人生で数回の引っ越しをした。
毎回毎回学びを得て引っ越ししているので、同様に引っ越し経験のあるみんなと同じように物件選びは上手になっているとは思う。

最初の一人暮らしは大学に入学した時だった。
小学校の頃、2階建ての友達の家、階段を上った先にある小さな洋室が羨ましかった。
納戸に学習机とベッドを置いた寒々しく長居しようとはとても思えない部屋からの脱出。
大学の生協で紹介された「●●荘」の畳敷きの物件に早々にダメ出しして、これまた大学隣の不動産屋で紹介された可愛らしい外観のロフト付き木造アパートに引っ越した。
家賃は3万7千円。
寝るためのスペースをロフト部分に置くことができたので8畳の居室は快適で、高校時代の友人も大学のクラスメイトもよく僕の部屋に集まった。覚えたての麻雀、一夜漬けの試験勉強、彼女を家に招いて一緒に作る料理、色んな初めてが詰まった部屋だった。
我慢できなかったのは「音とカーペット」
目覚まし代わりに流してたJ-POPが五月蠅いと隣の学生が怒鳴りこんできて殴られた時には、頭にきて僕も応戦した。ドアチェーンを引きちぎったので弁償しろと言ったら1万円を投げつけられた。何故かその1万円は酒代に代わって、そいつの部屋で殴り合いの後に酒を飲んだ。バイト先の同僚が家に遊びに来てる時に、そいつに出来た人生初めての彼女の●ぎ声が聞こえて気まずくなった。とにかく木造アパートの音は平穏な暮らしを乱すことを痛感した。
カーペットの掃除はコロコロを使っていたが、シートにくっつく色んな毛を見ていると無性にいらいらした。
次はフローリングと心に誓った。

元々学生専用アパートで卒業時には退去しなければならなかったので、卒業間際になって家探しを始めた。
車のラジオから流れるオウム真理教の引き起こしたテロのニュースを聞きながら不動産屋へ向かい、通勤に便利な15畳の新築ワンルームマンションを契約した。
家賃は5万5千円。
居室は広くなったはずなのだが、暮らしは意外に窮屈だった。
収納らしい収納が全くなく、リビングには食器棚や衣装ケース、デスクトップパソコンが幅を利かせベッドの上しかリラックスできる場所が無かった。
「収納大事」次のマンション選びにまた大事な要素が加わった。

この段階で家選びについては
・ 防音がある程度しっかりしたマンション
・ フローリング
・ 十分な収納
・ 日当たりは日中家にいないのでどうでもいい
・ 但し通風はしっかり
みたいな価値観がしっかり出来上がり以後の住居選びでは入居してみてがっかりといったことはなくなりました。
その後の家賃変遷ですが
1DK 35㎡ 89,000(市川市)
2DK 43㎡ 99,000(茅ヶ崎市)
1K 33㎡ 59,000(名古屋市)
1K 30㎡ 105,000 (台東区)
1K 27㎡ 99,000(世田谷区)
1LDK 35㎡ 120,000(世田谷区)
となります。
東京は家賃が高く、いつも何かを犠牲にしなければならなかった。

今だって住んでる街で、それなりの部屋を探すと住宅ローン支払い額は家賃が高くなってしまいます。
それで住戸仕様がぐっと落ちるのだから…年をとって綺麗な物件に住めるよう住み替えなりリフォームなりのお金は貯めておくべきなんでしょうね。

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