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(番外編)なぜ楽天のグローバル化が上手くいかなかったのか?
楽天の海外展開は当初の想定レベルで成功したのか?私が楽天を退職後大手ゲーム会社で米国に駐在していた期間(2012-2014年くらい)が、楽天がグローバル展開を本気で推進していた最盛期だと思います。その間、楽天はViberやebatesなど、数千億円規模で海外の様々な企業を買収していました。私は2011年の前半に退職したので、それ以降の内部情報は知りません。そのため、ここで述べることはアウトサイダー
もっとみる現地に任せるか、グローバルでマネジメントするか?
マルチローカル VS グローバル組織前回はモバイルアプリゲームの海外展開について話しました。モバイルアプリゲームはプラットフォーマーが多くの部分を整えてくれるため、マーケティング以外の準備はほとんど不要です。しかし、今回はより一般的なビジネスの海外展開におけるマーケティングチームの管理について話します。具体的には、マーケティングチームをグローバルに管理するべき場合と、マルチローカルに進めるべき場合
もっとみるグローバルへのマーケティング展開
日本でも海外でもマーケティングの基本は何も変わらない私のこれまでの経験から考えると、グローバルマーケティングを展開し、世界で通用するマーケティングを実施するにはいくつかの重要なポイントがあります。まず人材についてですが、パフォーマンスマーケティングの観点では、GoogleとMetaが世界的に中心的な役割を果たしていることが挙げられます。これにより、マーケティングツールの使用方法や各媒体の特性は国を
もっとみる国際本部って本当に必要?
プロフェッショナルスキルで評価されるグローバル社会グローバルマーケティングについてまず話したいのは、組織体制のことです。私が海外のマーケターと話して感じるのは、専門的なスキルに対する厳しい評価です。日本以外の多くの国では、新卒時点から職種別の採用が基本です。そのため、スキルの高低は別として、個々の人材はその職種のプロフェッショナルであるか、またはプロフェッショナルになりたいと思って会社に入ってきま
もっとみるなぜ日本企業はグローバルなマーケティングができないのか?
グローバル展開で苦労した体験から学んだこと大手ゲーム会社で、私はグローバルのマーケティング責任者として8年間活動しました。その間、日本企業が海外市場でグローバル企業(多くは米国企業)とどのように戦い、顧客を獲得するのかを必死で考え続けました。結果的に、私自身にグローバルでの成功したと言いきれる実績が残せたわけでもなく、そもそも自分をグローバル人材というほどの十分な英語力もないことを自覚しているので
もっとみるブランドマネジメントの障害とその克服
ブランドマネジメント=一貫性ブランドマネジメントを成功させるための重要な要素は、一貫性です。ブランドマネジメントとは、企業やブランドが行うすべての活動を通じて外部とのコミュニケーションを管理し、そのブランドの価値を高めていくことです。これには、まずブランドのあり方や姿を明確に定義し、それを企業内外のすべての関係者が理解し、行動に移すことが不可欠です。
製品やサービスの開発段階からマーケティングや
ブランドマネジメントとは?
ブランドの価値=ブランドエクイティとは何か?ブランドマネジメントは、専門的なマーケティング分野であり、世界中にはこれを専門とする研究者が多数存在しています。したがって、私がここで述べる内容が、専門家から見れば稚拙な議論になる可能性もありますが、実務家としての視点から考えてみたいと思います。
まず、ブランドの定義についてですが、専門家によるとても複雑な定義が存在しますが、簡単に言えば、「ある企業、
スポーツマーケティング
デジタルマーケターにしては豊富(?)なスポーツマーケ経験私個人としてはスポーツ系のスポンサードマーケティングにはあまり積極的ではありませんが、楽天をはじめこれまでのキャリアを通じてそれなりに多くのスポーツスポンサーシップ系のプロジェクトに関わってきたので、その活用法などについて簡単に議論できればと思います。まず、私のスポーツマーケティングの経験の振り返りからしたいと思います。最初は楽天が東京ヴェル
もっとみるクリエイティブが疲弊した?
マーケティングにおけるクリエイティブの疲弊という言葉は、主にSNSやディスプレイ広告などのパフォーマンスマーケティングにおいて使われることが多いです。具体的には、あるクリエイティブが一定期間にわたって良好な成果を上げていたにも関わらず、突然その効果が低下する現象を指します。この時、マーケティング担当者や広告主は、この劣化したパフォーマンスの原因を「クリエイティブの疲弊」として説明することがあります
もっとみるインフルエンサーマーケティング
SNSやYoutubeから生まれた新しいメディア近年のマーケティングにおいて、インフルエンサーマーケティングは顕著な影響力を持つ手法です。従来から有名人による商品・サービスの推薦という手法は存在しましたが、ソーシャルメディアや動画プラットフォームの普及により、誰でも情報発信が可能になりました。これにより、従来の有名人中心から、一般の人がが自ら情報を発信し、製品やサービスを広める新しい形が生まれまし
もっとみるコンテンツマーケティング
中長期視点でMiddle Funnel向けに行うコンテンツマーケティングコンテンツマーケティングは、事業会社がオンライン上で自社のターゲット顧客に向けてコンテンツを作成し、配信することで、顧客との関係を築く手法です。この手法はメルマガやSNSでの情報配信との境界が曖昧であり、明確な定義が存在しません。私の解釈では、既存のCRM施策とは異なり、コンテンツマーケティングは即効性のある効果だけでなく、長
もっとみるSNSマーケティング
SNSにより情報拡散量が圧倒的に強化されたここまでで、最近のデジタルマーケティングのトレンドについては触れてこなかったので、それらについて私の考えを述べることにします。ただし、私自身の成功体験があまりないため、各手法についての注意点をまとめる程度の話として理解していただきたいです。
まず今回は、SNS系のマーケティングについて、まず取り上げます。FacebookやInstagram、X(旧Twi
デジタルマーケティングのクリエイティブ戦略
デジタルマーケティングのクリエイティブ制作3つのポイント以前、データドリブンマーケティングにおけるクリエイティブの考え方について語ったとき、私はUser Insightに過度に頼りすぎることが問題であると指摘しました。今回の議論もそのテーマにかなり重なるかもしれませんが、クリエイティブを考える際には避けて通れない話題ですので、再度振り返ってみたいと思います。
以前に紹介したように、マーケティング
良いクリエイティブを創るには?
クリエイティブ制作の8割はロジックで決まる私はアーティストでもコピーライターでもないので自分でクリエイティブを作ることはできません。しかし、マーケティングにおいてクリエイティブを理解する能力は重要であると考えています。私の経験から、クリエイティブに関わる能力は一定の割合でセンスに依存していますが、その割合が重要です。私の見解では、センスがないとできないことは2割程度であり、残りの8割はクリエイティ
もっとみる顧客情報の鮮度と密度を高める
CRMの成果を改善するオールマイティな方法CRMの成功には、リピート顧客の増加が不可欠です。接触回数をただ増やすのではなく、各接触がリピート率を向上させる可能性を持つことが重要です。。MAツールやロイヤリティプログラムの適切な活用は、これを実現するための効果的な手段として考えられます。
今回は、リピート顧客を増大させる様々な手法に対してオールマイティに貢献できる素晴らしいポイントを議論したいと思