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私たちはどこへ行くのか(2010+α)


 最初の記事もこの記事も、今までブログやFacebookに書いていた記事の焼き直し。しかし、聖書や思考の記事というのは、時代を問わないから、時間が経ってもそれほど時代錯誤は感じないのがよいところ。2024年の文を早いうちに打ち込んでみたいが、なかなか…だ。
 
 いろいろな方々と話をしていると、自分もまあ、いろいろあって大変なんですけれど、本当に、みんな何かと抱えながら生きてるなあ、と思うのです。1897年、ポール・ゴーギャンが書いた作品、「私たちはいったいどこから来たのか 私たちはいったい何者か 私たちはどこへいくのか」です。
 人生の浮き沈みを経験し、35歳で画家を志したものの、全く売れないで、逃げるようにフランスからタヒチへ向かったゴーギャン。今でこそ、超有名な画家ですが、生存時はむしろ悲しい人生を送った。フランスにおいてきた妻子との通信も途絶え、絶望の中書いた作品。右には誕生した赤ん坊、中央にはりんごをとる男性(アダム?)、左端には老婆と、一つの絵の中に生老病死が描かれ、タイトルどおり、人生とはなんであろうか、という問いかけが絵全体から感じ取れます。
 生老病死。ブッダがまだ王子さまだった頃、父に外出を申しでる。四門出遊の話。最初の外出は東の門からで、途中で、今まで見たことの無い皺だらけで、歯が欠け、白髪、やせ衰え骨と皮ばかりのひとりの老人をブッダは見る。ゴータマ・シッダッタ(ブッダ)は召使いに聞く。「ねえ、この人は何なの? どうしてこんな恰好をしているのだい?」
召使いは、「これは老人というものです」と答えた。さらにブツダは「老人はこの人だけなのかい?」と聞くと、「人間はだれもが年をとれば、必ずこのような老人になるのでございます」と召使いは答えた。これを聞くと、彼は遊びに行く気持ちは消え失せてしまった。
 二度目の外出は南の門からで、途中で、病人が自分の汚物の中で、転げて苦しむ姿を見て、彼は「人間はだれもが必ず病気になるのでございます」と聞き、遊びに行く気持ちはまたまた消え失せてしまった。三度目の外出は西の門からで、途中で、死者を嘆き悲しむ人々と出会う。彼はみたび召使いに聞く。「死者ってなんなの?」召使いは、「死者は、親兄弟とはもう二度と会えないのですよ」と答えた。さらにブッダは、「なら、ぼくも死ななければならないのかい。そして親兄弟とも二度と会えなくなるのかい」と聞いた。召使は・・・ 「そのとおりでございます。王子さまもわたしもいずれは死ぬべきものであり、避けることはできないのです」と答えた。王子は深く心をうたれ馬車を引き返した。
 最後の外出は北の門からで、途中で、黄色の袈裟をつけ、乞食のための鉢を手にもち、じっと前方を見て歩く托鉢僧と出会った。「この人はなにものか」とブッダが聞くと、召使いは、「この者は、出家した修行僧であらゆる欲望を離れ、ひたすら心の平静を求め修行しているのでございます」と教えた。このことを聞いたブッダはこころが救われたような気持ちになり、自らも出家の意思を固めいくこととなります。ゴーギャンもブッダも生きていると本当にいろいろなことがあって、でもって、人生ってなんだろう、そして自分はどこから来て、そしてどこに行くのだろうか・・・と問いかけた。ブッダは後に悟りをひらい、最後に「この世はすべてすばらしい」と言い残して亡くなったというし、ゴーギャンは残念ながら絶望して死んでいった。対称的な2人ではあるけれど、人はどこから来てどこへ行くのか、という問いを常に持ち続けたという意味では共通しているように思います。
 そういったことを、あんまり考えすぎると、混乱してしまうので、ある程度に抑えてながら考えてみると、自分の日々の生活や仕事、家庭でいろいろな人とであい、与え、与えられているということは実は、すんごいことなのかなと思います。誰と話して楽しかった。誰が腹たった。これがおいしかった。嬉しかった、悲しかった・・・。いろいろな生き方、仕事、関わりがあって、そのどれもが大切な出会いを持っている。そのことに気づくことがちょっとでも出来れば、私はどこからきて、どこへ行くのか、という問いのほんの少しだけかもしれないけれど答えのヒントが見つかるのかもしれません。

 どこに行くのか、ということについては、「死」に向かうのでしょうけれど、その死に至るまで、どう考えられるか何に気が付けるのかは、とりあえず健康な体をいただいている自分としては、とても大事なことなのかな、と思います。だからこそ、もがいて何もしない自分を打破していかないと、と思います。その一歩は大事。その一歩が踏み出せる力があるのに踏み出せないのは気持ちの沈下か、あきらめか…。利益にならなくてもいいから自分のために何かやる、そういう気持ちを復活させれば、私がどこに行こうとしているのかが見えるのかも。

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