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#聴いてみた モーツァルトのフルート協奏曲第1番

NHKFM「音楽の泉」の モーツァルトのフルート協奏曲第1番を聞き逃し配信で聴いてみた。

曲目

フルート協奏曲 第1番 ト長調 K313
カール・ハインツ・シュッツ(フルート) 、
オルケストラ・ダ・カメラ・ディ・ペルージャ(管弦楽)
作曲: モーツァルト(24分5秒)
<カメラータ・トウキョウ CMCD28353>
解説は🖊曲解説へ

フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調 K315
カール・ハインツ・シュッツ(フルート) 、
オルケストラ・ダ・カメラ・ディ・ペルージャ(管弦楽)
作曲: モーツァルト(6分2秒)
<カメラータ・トウキョウ CMCD28353>
フルートと管弦楽のために書かれたハ長調の美しいアンダンテをお送り致します。
このアンダンテは旅行先のマンハイムで多くの部分が作曲されました。
先ほどのフルート協奏曲第1番第2楽章のもう1つのヴァージョンと考えられています。
アマチュア演奏家ドジャンの求めで作られた、少しだけ演奏が易しい差し替え版かもしれません。

バイオリン・ソナタ ト長調 K301
アルテュール・グリュミオー(バイオリン) 、
クララ・ハスキル(ピアノ)
作曲: モーツァルト(10分40秒)
<ポリグラム/フィリップス PHCP24011>
2つの楽章からなるヴァイオリンソナタト長調をお送り致します。
旅先のマンハイム及びパリで作曲、パリで作品1として出版された6曲のソナタの1つ、ヨハン・クリスチャン・バッハやドイツのシュースターという作曲家の2重奏様式を会得した上で音符と戯れ自在に羽ばたいたモーツァルトがここにいます。

曲解説(奥田佳道先生解説からの抜粋)

🖊今朝はモーツァルトのフルート協奏曲第1番をお送り致します。
(♪~)第1楽章、フルートのソロが始まったところを少しお送り致しました。
軽やかな弦楽、ホルン、オーボエとの対話も素晴らしいですね。
モーツァルトのフルート協奏曲はト長調と二長調の2曲、 この2曲は一般的にはモーツァルトが21才から22才の時に行ったドイツのマンハイムやパリへの旅行の際にマンハイムで知り合ったフルートを嗜むドジャンという裕福な商人の依頼で書かれたと言われています。
このアマチュアのフルート奏者ドジャンの発音については何通りかあります。
21・2才のモーツァルトが滞在した当時のマンハイムにはトップクラスの宮廷オーケストラがありました。
そのオーケストラを仲立ちに優れた演奏家や音楽を嗜む商人が行き交っていたわけです。
マンハイムは裕福で活気ある音楽の街でした。
モーツァルトはそのマンハイムでアマチュア演奏家のドジャンからフルートの為の小規模で簡単な協奏曲を3曲、それにフルート四重奏曲を数曲依頼されます。
ドジャンはマンハイム宮廷オーケストラのベテランフルート奏者ヨハン・ベンドリングを介してモーツァルトと知り合ったようです。
モーツァルトがドジャンの求めに応じてフルート曲を作った、作る約束をしたことは、お父さんのレオポルトへの手紙にも記してあります。
しかし、何曲依頼され、何曲できたのか、実は分かっていません。
そもそもドジャンの依頼なのかという声さえあります。
モーツァルトの言葉を信じればドジャンとの契約に基づきフルート協奏曲とフルート四重奏曲を書いたのに、謝礼が約束の半分だった、ドジャンは当初約束の全額を支払うべきである、となりますが、その言葉をそのまま受け取ることは出来ません。
近年、これからお送りするフルート協奏曲第1番ト長調についてはマンハイムに向かう前の1777年の夏に故郷ザルツブルクで作曲、モーツァルトの姉通称ナンネルの命名祝日を祝う晴れやかなコンサートで宮廷楽士が演奏した、との説も出されています。
この説、結構有力かもしれません。
因みにもう1つのフルート協奏曲第2番イ長調はやはり旅行前に作られていたオーボエ協奏曲ハ長調の編曲です。
さて、フルート協奏曲第1番の第2楽章の冒頭を少し聴いてみましょう。
(♪~)第2楽章、アダージョ ノン トロッポ二長調の冒頭、今のフルートはオーケストラパートのフルートです。
この第2楽章ではオーボエ2本に替わってフルート2本がオーケストラに登場します。
今朝はウイーンフィルハーモニー管弦楽団の主席フルート奏者の1人、カール・ハインツ・シュッツとイタリア ペルージャの室内オーケストラの共演でお送り致します。
ソリストの妙技、テクニックを披露するカデンツァはカール・ハインツ・シュッツの自作です。

🖊 モーツァルトのフルート協奏曲第1番を聴いてみて

カール・ハインツ・シュッツの名演で聴いてみた。
モーツァルト自身、実はフルートが好きではなかったようなのだが、この爽快感、清涼感溢れる協奏曲にはフルートの魅力が沢山詰まっている。
モーツァルトって好きではない楽器ですら愛情を注いで素敵な作品に仕上げてしまう。
やはり稀代の作曲家ですね。







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