【イベントレポート】UXデザイン ~デジタルプロダクトデザインの今と未来〜
2024年5月28日(火)の開催されました「UXデザイン ~デジタルプロダクトデザインの今と未来〜」に参加しました。
「令和という時代になった今、デジタルプロダクトに関わる私たちデザイナーが当たり前に触れてきた「UXデザイン」とは何なのか」というテーマで
実施したイベントの様子をレポートとしてお届けいたします。
登壇者のご紹介
ライトニングトーク
本記事につきましては、以下4つのライトニングトークに絞ってご紹介していこうと思います。
※重要な部分のみを抜粋しております。
①UX デザインとは何だったのか?再燃(仮)
山下さんから「UX デザインとは何だったのか?」について語って頂きました。
-UXDは終わったのか?
UXDはデザインプロセスのひとつに融け、ユーザーのことを考えるのが当たり前になり、ペルソナ、カスタマージャーニーの設定、意味や価値付けなどを行い、ミッションを持って何が出来るか考え動くことがベースとなっている。
ただし、手法やフレームワークだけでは、進化し続け長期化するジャーニーには限界がある。
-UXDのそもそもの誤解
本来ユーザー体験はデザインするのではなく、
コンテキスト(文脈)にあった良い体験を作るにはどうするすればいいか
を考えるのがUXにあたる。
(クライアントワークではUXという言葉は既に使っていない)
-ユーザーへの共感だけでなく「ビジネスオーナー」への共感も
「ユーザーの代弁者」だけに留まってはいけない、
ユーザーをもっとも理解しているのはビジネスオーナーである。
-これからますます倫理観が大事になってくる
AIによって「デザイナーでは無い人」が色々と物作りをしていきます。
そうしたときにデザイナーは倫理感を持ち、対峙しなければいけない。
-ともに生きるデザイン for AI
デザインプロセスにAIが入るのは確実、デザイナーはいかに紡ぐかが大事。 本当に必要なものだけピックアップして、意図をどう紡ぐか。
ユーザー主導ではなく、プロアクティブ(先を見越した)のUXDが必要になる。
-「定義よりも解釈」
定義はもちろん大事ですが、その人が何を考えているのか解釈を行い、深めていく。
②他者の体験をデザインしない私は、おのれを空しくして他者に憑依する。(仮)
村治さんから「体験デザイン」について語って頂きました。
-誰に向かってデザインしているか分からなかった
2011年まだUXという言葉が使われていなかった頃、
あるデザイナーが大きなモニターに向かって、320ピクセルの拡大してとても近くで編集していたところを見ていた(角丸、トークン設定)などを行なっていた様子を横から見ていて「誰に向かってデザインをしているか分からなかった」。
-「利用する視点を欠いたデザインに課題意識」を感じた
上記の様子を見て、「利用する視点を欠いたデザインに課題意識」を感じた。
-UXデザインに対する疑問
UXデザインが盛り上がってきた時期は、UXがデザイナーの専売特許のようだったが、自分が見ていたのは「他人」ではなく、「自分の頭の中の他人」ではないか?本当にこの人はユーザーなのか?本当にこの体験は実現するものか?など「的を得た」感覚がなかった。
-なぜ「的を得た」感覚がなかったのか
カスタマージャーニー、ペルソナもそんな真っ直ぐシンプルに動くことはないし、その人のことは一切わからない。
現実はその場の気分でものを買ったりするので、シンプルに動くことはない。
フレームワークによって単純化したモデルが、現実に当てはまらない
そもそも当てはめるものではない。
-カスタマージャーニー、ペルソナの活用方法
事業活動のデザインの中で先行指標として利用ができる
意思決定の際に仮説指標として利用ができる。
-簡単にユーザーを知れたような気がしている
表面だけでの違いでは気づきづらい、同じ見方の人が集まれば尚のこと。
発言が同じでも、思考、認知心理、思考態度が全く異なる。
-何がいいのか?確かめる
デザインを取り組む人たちは、人間に対する「より深い洞察」「まなざし」を持ち、他者に触れずに分かったつもりにはならない。
どれだけ画面と向き合って磨き上げたとしても「自らその先を捉えることが大切」
その先で自ら「いい」と知覚・認知し、次の思考や行動につながるかの
何がいいのか?確かめる
-いいと思うその人に憑依せよ。
価値、価値と言うよりも
自らが相手の立場で実感、自分達が心から「いい」と思うものを作りたい
また、自分でなりきってみるのもいい。同じ状況に立つことも一緒に作る人たちと考える機会をつくってるのもいい。
そして、いいと思うその人に憑依せよ。
③UXデザイナーが肩書きの私が、いまUXデザインにそんなに興味がない理由(仮)
後藤さんに「UXのためにプロダクトに向き合っている」ことについて語って頂きました。
-それぞれの主語が違う
ユーザビリティ「サービスの性能」
UX「ユーザーの中で起こる現象」
UI「サービスとユーザーの接触面」
UXデザイン「よいUXになるようにする、作り手の活動」
(UXの再現性を生むように作り手がサービスなどの仕組みを作るプロセス全体)
-UXの概念と期間(あるサービスとの時間)
サービスと出会う前からUXは始まっており、
サービスに関わる全ての人は「UXをよくする」ことに関わる作り手になる。
全部UXデザインの範疇になる。
UXの概念が広いからこそ、いろんな部署でいろいろな職種が携わっている。
-UXデザインとは?
「UXのために(サービス)デザインすること」
よいUXのために「デジタルプロダクトを作ること」
-UXデザインに大切んなこと
ユーザのUXは作り手の理想のUXではない(ユーザーUX≠理想のUX)
「ユーザーはどう使うか」⇄「ユーザーにどう使ってもらうか」
を行き来して考える
-作っているデジタルプロダクトは使いやすく設計出来ているのか?
UXの概念が今や当たり前の観点として「ユーザーが使っているから正解」
「ユーザーが満足しているから正解」などとても良い観点を見れていて良いことだが、デザイナーとして、ユーザーが良ければ必要十分でいいのか??
そこから思うのが、作っているデジタルプロダクトは使いやすく設計出来ているのか?
「プロダクトが使いものなっているか」を担保できるのはプロダクトデザイナーだけである。
そこにちゃんと向き合い、取り組んでいる。
④僕の考えた最強じゃないかもだけど心地よいUXとその実践(仮)
宇野さんから「UXって当たり前でいいよね」について語って頂きました。
-UXは「設計」そのもの
CDOとして3年計画で戦略を考えている。
小さい改善を行う際は、3年後に繋げる形で行なっている。
考え方起点は「misson」と紐づいており、
長期的視点で設定
・顕在化してない潜在的な課題の解決をするサービスだから
・短期的な課題解決では体験設計をすると歪みやすいから
課題トリブンからの起点ではない。
-根本の戦略
双方幸せになる様な記憶に残る体験設計、記憶に残らない体験設計を行うことで続けれる体験サービス設計を行なっている(どっちも大事)
ちょっとしたインタラクションは根本の戦略に紐づている。
-UXという言葉
あまり「UX、体験」って言わなくなってるかも、
意識しないでいいようになってきている。
結果的にUXってあたりまえでいい。
特別じゃなくなったからここに価値(UX)がある
UXってみんなが知るようになってきたから重要になってきた。
(今後どう描かれていくか。)
まとめ
UI、UXという言葉当たり前に使われてきた今だからこそ、
改めて定義を行い、理解する必要があると思いました。
改めまして、このような素敵なイベントを企画してくださった運営の皆様
本当にありがとうございました!
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