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薄毛の挑戦と「推す営業」
営業4年目、薄毛の気になる年頃。
日々「推さない営業」をしています。
先日美容院に行った際、意外なところから営業の学びがあったので共有まで。
仕事終わり、向かったのは初めての美容院、初めてのお兄さん。
「最近ハゲてきたんですけど、お兄さんだったらどういう髪型にしますか??」
と赤裸々にオススメを聞いてみた。
すると「自分だったら前髪残しながらパーマ当てますね🦱」とのこと。
自分はこれまでパーマをあてた事がなかったが良い機会なのでオススメでお願いしてみた。
「絶対かっこよくなりますよ!」とのこと。
期待を胸にまずはカット。
パーマ用に少し長い見慣れない髪型に緊張。
ただ僕は近眼のためシルエットしかわからない。
彼はどうやら大分の田舎から出てきたらしい。
両親も美容師さんで、実家はバーバーらしい
僕が「サラブレッドですね」というと
彼は力無く笑った。
いよいよパーマに入るというタイミングでも再度「絶対かっこよくなりますよ!」とのこと。
少しずつ上がる期待値、
初めてのパーマ液(ピンパーマというものらしい)のこそばゆさも今は心地いい。
パーマの待ち時間も顔剃り、マッサージなど普段より手厚いコースですでにリラックスモード。
→ここ最高のひととき。
仕事の嫌なことも忘れ、早くも大満足。
そして待つこと15分ほど、、
パーマ液を洗い流し、トリートメント。
薄目で鏡越しの自分を見るとまだハゲている。
後ろから微かに聞こえる、精一杯押し殺したお兄さんの慟哭。
まだわからない。
ハゲ隠しは乾かしてからが本番である。
ドライヤーの間も目は瞑ったまま。
それははたして期待か、不安か、神のみぞ知る感情を傍目にドライヤーの音が止む。
そこでお兄さんから「ワックスもつけましょう」という提案。
時間は22時目前だ、もちろん後は帰るだけだが、
お兄さんの全力を受け止めたい一心で快諾。
さぁ、君の本気を見せてくれ。
美容師はアーティストだろう。
パーマという強気の提案。
提案中の期待値上げ、ホスピタリティ溢れる対応、どれも素晴らしかった。
普段「推さない営業」をしている僕も明日から強気営業をしてみようと、そう思わせてくれた。
ありがとう、お兄さん。
見せてくれ。その本気を。
彼がワックスを手に取るその手は震えていたように見える。
もはや隠す気もないほど全力で前髪の隙間を埋める彼と、まだ目を開けられない僕。
その攻防は体感で10分を優に超えた。
ついに訪れる結末。
メガネを手に取り、かける。
僕は明日からも推さない営業をしようと思った。
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