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うつ病の症状(その1)
うつ病は、気分が落ち込んでやる気が出ないといった精神症状(いわゆる「抑うつ」)と、眠れない食欲がないといった身体症状により、日常生活に支障が生じている状態といわれます。
私の場合もおおむねそれに当てはまりました。
でも、細かな症状には個人差が結構あるのではないかと思うので、私の経験した症状をご紹介したいと思います。
1 からだの異変
(その1 睡眠障害)
もともと睡眠には長年問題を抱えておりまして、特に寝付きの悪さに悩み、数年前からかかりつけの内科医に睡眠導入剤(マイスリー)を処方してもらって時々服用していました。
うつ発病後は、寝付きの悪さ(入眠困難)に加えて、夜中に何度も目が覚めたり起きたい時刻より全然早く目が覚めてしまう、中途覚醒・早朝覚醒の症状が出てきました。
休職する前は、この状態で仕事に行くのが本当にキツかったです。
あと、寝言と寝汗が多くなりました。
私の寝言は独特で、声を出したいのに出せない状況が夢の中で頻繁に起きて、たいていその時に寝言が出ます。
言葉になっていない唸り声(というか叫び?)で、しかも高音でビブラートが効いているそうです。クレシェンドもかかっていて、音量・音程・ビブラートが徐々に加速して行くらしいです。
同じ寝室で寝ていた妻にとって、これはかなりの恐怖で、私の寝言を聞いた後はドキドキして眠れなかったといいます。
妻曰く、私が寝言が始まるのを予知できるようになったそうですが、さすがに予知は無理だろうと思います。地震じゃないんだから。
でも、地震と同じで初期微動で気付けるようになってきたということでしょう。
どちらにせよ、大変ご迷惑をおかけしました。
単身赴任先では壁の薄いアパートで生活していて、やはり夜中に寝言を言って(叫んで)目が覚めることが何度もありました。
隣の住人には、きっと怖い思いをさせてしまったに違いありません。
まさにホラー。自分で言うのもアレですが、隣の部屋からあの声が聞こえてきたら恐怖以外にありません。
寝汗は、なぜか下半身だけかきました。
太もも、ひざ、ふくらはぎにかけてビッショリということが、よくありました。
あまりの汗の量に「しまった!オネショしてしまった!」と思うぐらい下半身だけパジャマが湿っているのです。
でも、股間の部分はそうでもないので、やはりオネショではなかったのです(笑)。
(その2 食欲不振)
気分が塞ぐと、やはり食欲が減退しました。
たくさん食べることはもちろんできないし、何を食べても美味しくありませんでした。
世界はコロナ以前でしたが、うつによって味覚もかなり失われていたと思います。
何か食べなきゃと思い、ゼリー飲料、コーンフレーク、カロリーメイトなどをお腹に入れるのですが、それさえ受け付けない時期もありました。
体重は最大で8kg減まで落ちました。
食べることができないとみるみる体重が減っていき、それが数字ではっきり示されるので、ちょっとした恐怖でした。
「俺、このままどうなっちゃうんだろ」
「休職して2ヶ月経つのに全然よくなってないじゃん」
客観的な数字は、そういった不安にも直結するので、調子が悪いときはあまり見ない方がよかったのかなと思います。
(その3 その他の症状)
自分がうつ病なのでは?と思い始めた頃、なんだか体が痒いなと感じ、入浴の際に鏡で全身を見ると、蕁麻疹がたくさん出ていました。
花粉症以外のアレルギーはなく、今まで蕁麻疹が出た経験はほとんどなかったので、心の問題に起因するものだったのでしょう。
ちなみに私の場合、蕁麻疹が出たのはうつ病の症状がで始めた頃に3、4回で、それほどひどく悩まされた記憶はありません。でも、「こんな形で体にも反応が出るのかー」と驚きました。
あと、手足や顔面に痺れを感じました。1日の終わりに出ることが多く、この症状は休職中から職場復帰後まで長く続きました。
今でも、夜、風呂に入っている時や、寝る時にベッドに入って手足が痺れているのに気付くことがあります。
痺れを感じるのは、毎日ではありません。ですから、痺れは自分の疲れ具合を知るための目安の1つと考えるようにしています。
運動による身体の疲れは気付きやすいけど、思考やストレスによる頭や心の疲れには気付きにくいので、私にとって痺れはアラーム機能みたいなものとして重宝しています。
以上、私が経験したうつ病の症状として、「からだの異変」に関するものを書きました。
眠れない、食べれない。常に疲れているから運動も不足して、体力はどんどん落ちていく悪循環。身体の症状だけを見ても本当に辛いものです。
自分の経験を思い返すと、言葉では言い表せない苦しさが蘇ります。そして、私より重く長い辛さに耐えている人は数え切れないほどいるはずです。
この病気と闘いながら生きているということは、それだけでとても大きな仕事をしているのと同じです。
だから、敬意を込めて祈ります。
この病気と闘っている仲間の上に、確実な回復のきっかけが訪れ、それを掴むことができますように。
うつ状態とは、充電器につないでもほとんど電池が増えないスマホみたいなものだと思います。
だから、やはり無理は禁物です。今はスマホを休ませて、たとえ充電効率が悪くても充電器に繋いで少しずつでも電池を増やしていくことが大事だと思います。
次回以降、心や頭に現れた症状について順次ご紹介していきます。
(つづく)
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