スモモの季節 #17
7月に入ると、学校は、子どもの行動の話題で持ちきりになります。その多くが天の恵み?の話になります。(以下、平成18年7月3日N小学校での学校だよりより引用)
『校長室の窓から,学校の中庭のスモモや柿の木が見えます。また,校長室前の廊下からは,自慢の桜の木も見えます。本校は,本当に樹木の多い学校で,年度当初の4月は桜の花に始まり,リンゴの花,ツツジの花、そしてスモモの花と続きます。
先々週あたりでしょうか、校長室の窓の外が妙にガヤガヤとするものでしたから,そっと窓から覗いてみると、低学年らしき子達がスモモの実を見上げているではないですか。まだ熟していない実をめがけて木を揺すったり,はたまた木に登ろうとする子が出てくる始末でした。
そして先週になると,いよいよ熟した実を食するために,毎日,中休みや昼休みなどに,木の下に集まる子が増えてきましたので,とうとう先週の木曜日にはそのスモモの実を学校で収穫することにしました。(毎年,私共も念のために数個ずつ食しおなかをこわささないと確認していますので,)今年も決して大量では無いのですが,取りの来ている子達には,家に帰って家の人に相談して食するよう話をして数個ずつ渡しております。
本校は,このスモモだけでなく5月末はヤマモモが旬になり,子ども達が集まるもとになっています。スモモもヤマモモも,木に登ってもし落っこちたら大けがになりますので,木には登らないように指導していますが,目を盗んで食しているのも実態のようです。そのために,今回は子どもの手の届く範囲のスモモは取り除き,上のように処置させていただいた訳であります。
私は,本校の子ども達は季節にとても敏感で,その(熟れた)様をよく見ているものだなあと思います。きっとにおいが分かる季節になってくると,毎日「もうすぐだぞ」と思いながら待ち望み,(ねらう?)そんな姿が私にもよく分かるような気がします。それともう一つ,私も去年も今年も食して(検食して?)思ったことは,子どもにはこのスモモの甘さがちょうどよいのかなということです。(ヤマモモはちょっぴり酸っぱいですが)
実は本校は,このスモモやヤマモモだけではなく,春の桜やツツジの花びらの蜜の頃も同じようなことがありました。ツツジの花取り(密取り)は女の子が多かったようですが・・・・。こんな子どもの行動?は子どもらしい行動とは思いますが,どしても木に登ること(このことは禁止させてもらっていますが)や,食べていいから採りなさいと言うのも私共としては苦しいものです。
私(本校の第1回卒業生と同じ年)達の頃は,さほど問題にはならなかった事でしたが・・・・。
昔の「古事記」の中で,伊邪那岐命(いざなぎのみこと)が「桃の子(み)」を投げつけて黄泉(よみ)の国の雷神を退散させる,という部分がありますが,この「桃の子(み)」はヤマモモの実だとの説もあるようです。本校の40年どころではなく,日本の古来から歴史に名を挙げたこの「み」の例えは,先ほど話した季節に敏感な子どもの無垢さに通じるものがありそうです。今週もガサガサがきっと続くでしょう。』
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