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福山雅治『想望』

「好きなんだ 君をまだ好きなまま 帰らぬ旅へ征かなきゃ」
最初の一文で、楽曲のすべてが語られている。
好きなのに、絶対に離れなくてはならない。なんて切ないの……?

『想望』は、12月8日に公開された映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の主題歌。福山雅治さんが実際に映画を鑑賞し、特攻隊員の佐久間彰の目線で作詞をしたとのこと。

映画は、戦争の時代を描いている。「命を懸けてでも国のために戦う」が、あたり前の世の中だった。明日には自分がどうなっているのかわからないからこそ、楽曲の主人公は、必死に愛を伝えていたのではないだろうか……?

「泣かないで 君よ幸せであれ」
「止めないで 僕が決めたこの道 これでよかったと いつか ねえ 思って」
「叶うなら 僕が君の明日を 君の夏を 何度も まぶしくしたい」
「君をまだ好きなまま 飛び立つ僕は バカだね でも征かなきゃ」

相手のことが好きで好きでたまらない。自分の手で幸せにしたい。でもできない。僕は、戦場へ征かなくてはいけないから……。せめて君には、幸せになってほしい。いつか「出会えてよかった」なんて思ってくれたら、嬉しいな……。

戦争という時代には逆らえないけれど、いつだって変わらない愛はあって。一緒にいたいのに、いられなくて。毎日愛を伝えても、足りない。

こんなに自分のことを想ってくれる人がいたら、どんなに幸せなんだろうか?なんてことを考えてしまった……(笑)。

苦しく儚い恋かもしれないけれど、2人は日々の何気ない幸せも感じていたはず。

うちに帰ろう ごらん夕焼け 
綺麗と思える 小さな世界で 
笑ったり泣いたり
食べたり眠ったり
僕らは いま 生きている

結局、好きな人が隣にいてくれるだけで嬉しいのだ。いつもと変わらない景色が綺麗に見えるし、特別じゃないご飯だった何千倍も美味しく感じる。

いつの時代だって、愛のパワーはすごい。そんな思いを感じる楽曲だった。

映画を見ると、楽曲の捉え方も変わるだろう。見に行かなきゃ!


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