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わたしの新入社員時代について振り返る

4月1日、わたしは、仕事終わりに満員電車に乗った。乗客のほとんどが、サラリーマンだった。

ほとんどの人にとっては何気ない1日だったけれど、昨日が特別だった人もいる。

わたしが吊り革につかまってスマホをいじっているとき、隣の女性は資料を読みながらウトウトしていた。おそらく、新入社員だろう。今日学んだことを忘れないようにと資料を読むのに、睡魔には勝てない。それでも資料を読みたい。でも寝たい。彼女は、その繰り返しだった。

「きっと、慣れない環境に疲れたんだろうね。お疲れさま」と、わたしは心の中で彼女に伝えた。

新入社員を見ると、社会人1年目の自分を思い出す。せっかくなので、ここに残しておこうと思う。


実家のあたたかさを感じた4月

わたしは、就職をきっかけにひとり暮らしを始めた。大学生の頃から「就職したら実家を出る」と自分で決めていたし、実家がある埼玉県から離れた群馬県への就職が決まったからだ。

祖母・両親と一緒の生活から、1人の生活になる。当時のわたしは、楽しみでしかたなかった。休日に行きたいごはん屋さんをたくさん調べていたし、ある程度の自炊も頑張っていた。自分の好きなタイミングでお風呂に入れて、誰にも迷惑をかけずに夜更かしができる……。とにかく、誰にも縛られない自由な生活が幸せだった。

しかし、現実は厳しいもの。

慣れない社会人生活、覚えなくてはならないものごと、営業として求められる数字、想像以上の残業時間……。あっという間に、わたしの心は限界を迎えた。

ベッドに入って目をつぶると、その日の出来事が頭の中で再生される。疲れているのに、明日がくるのが怖くて眠れなかった。

そんなボロボロな毎日を過ごしているとき、父が電話をかけてくれた。
「仕事はどう?頑張ってる?」
父の声を聞いただけで、安心して涙が止まらなかったことを覚えている。

そのときに、わたしは気づいた。実家は、安心できる場所。両親は、いるだけで安心できる存在。

つらさや苦しさを誰にも相談できなかったわたしは、急に実家に帰りたくなってしまった。

群馬に戻りたくなくなったゴールデンウィーク

社会人として初めて心が休んだのは、5月のゴールデンウィークだった。仕事を終えてすぐに電車に乗り込み、夜の遅い時間に実家へ帰ったのを覚えている。

家族と一緒にご飯を食べた。父とコンビニへ行って、お酒やお菓子を大量に買い込んだ。夜中のプロ野球ニュースを見て、応援している球団についてあーだこーだと語り合った。

実家の居心地がよすぎた。このゴールデンウィークをきっかけに、わたしは月1回のペースで実家に帰るようになる。

なんか違う……違和感を持ち始める

社会人1年目の10月、わたしは自分の生活に違和感を持つようになった。「本当にやりたいことってこれだっけ?」と、仕事でのモヤモヤは積もるばかり。それでも、必死に就職活動をして入社したから、簡単に退職を決断できなかった。

わたしをいちばんモヤモヤさせていたのは、都内に就職した友達の存在だった。土日になれば集まってご飯を食べて、インスタ映えするカフェでおしゃべりして、かわいいフワフワなお洋服を着ている……。そこで気づく。わたしって、置いていかれてる……?

今なら「自分は自分」だと割り切れるけど、当時はできなかった。だから、友達を距離をとってしまった。

仕事もプライベートも全然楽しくなくて、これからの人生について真剣に考え始めた時期だったと思う。


振り返ってみると、社会人1年目のわたしはずっと迷っていた。都内にいる友達と自分を比べて、キラキラした世界にいられないことが悔しかった。

だからわたしは、新入社員のみなさんに伝えたい。
「人と比べるのはつまらないこと」だと。

あなたの人生は、あなたにしか歩めないから。自分は選んだ道を信じて、与えられた場所で精一杯の努力をしてほしい。

頑張れば、新しい道が見えてくるから。

気づいたら、わたしは社会人8年目。1年目では想像もしていなかった、フリーランスになった。不安がないと言ったら嘘になるけど、毎日ワクワクしている。

家族と友達を大切にしながら、全力で仕事を頑張っていこう。また、新たな道を見つけられるように。

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