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つらい思い出も「これで良かった」と思いたい。ドラマ『顔に泥を塗る』最終回を観て

9月21日に最終回を迎えた、ドラマ『顔に泥を塗る』。今期のドラマで、いちばんハマった作品でした。

最終回があまりにも感動する内容だったので、忘れないように残しておきます。
(ネタバレを含みますので注意!)

まずはあらすじから。

派遣社員としてデパートの受付で働く美紅は、彼氏であるハルと付き合って6年。すでに婚約を結んでいた。彼のことが大好きでふさわしい女性になろうと努力していた美紅だが、ある日新しい赤リップをつけたことで、ハルからひどい言葉を浴びせられてしまう。
その後は、クレンジングオイルを頭からかけられたり、言うことを聞かないと同居している家から追い出されたり......。耐えられなかった美紅は、ついにハルとの婚約破棄を決意する。

最終的に、ハルは婚約破棄に同意。ふたりは別れを選択しました。優しくて理想の彼氏だったハルの豹変ぶりには、恐怖すら感じましたね……。

ストーリーとしては、ざっくりこんな感じです。詳しく知りたい方は、公式サイトをご覧ください!

別れるまでに美紅とハルが話し合うシーンが最終回にあり、そのなかで印象的なセリフがありました。

「ハルくんにとっての私って何?」

ハルはこのように答えます。

「大切な人だったけど、俺にとって都合の良い存在だった」
「愛していたけれど、“こんなの愛してない”と言われたらその通り」
「今日の美紅に初めて会ったら、好きにすらなっていなかった」
「6年も無駄にさせてごめん」

ハルはきっと、“自分(ハル)をいちばんに考えてくれる美紅”が好きだったんですよね。赤リップをつける美紅は、自分好みの美紅じゃない。「赤リップやめて」とお願いしたら美紅は聞いてくれるはずなのに、今回の美紅は赤リップをつけ続けた。

“愛しているけど愛していない”人間関係の難しいところだなって思います。

そんなハルに対して、美紅は返事をします。

「でも、今の私がいるのは、ハルくんにめいっぱい恋をした6年があるから」
「ありがとう。6年は全然無駄じゃなかった」

精神的にもつらい経験をしたはずなのに、「ありがとう」でお別れするんですよ。素敵だな......。

きっと美紅は、6年の月日を経て本当に好きな自分に出会えたんだと思います。大嫌いになってもいいはずの相手なのに、好きな自分に出会わせてくれたハルへの“ありがとう”。言葉の重みを感じますね。


私は、昔から悪い思い出をずっと覚えてしまう性格。自分にいじわるなことをしてきた人の顔と名前は、死ぬまで忘れないだろうなと思います。

そんな人に対して、今まで許せない気持ちを抱いていました。でも、美紅のハルへの“ありがとう”で捉え方が変わったんです。

これまでの出会いは、大好きな自分に出会うための大切な過程だった

このように考えたら、つらい出会いがあったとしても「この人に出会えてよかった」と思える気がします。

今日まで私と出会ってくれた人たち、ありがとう!
大好きな私と出会わせてくれて、ありがとう!

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