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居酒屋レポート番外編202408 ~明石みつぼし~ 後編

タコ料理が食べたいと言う王様の希望を叶えるべく、明石までやってきた私たち一家。
たこ料理がウリだというお店のおまかせコースをオーダーしたものの、まだちゃんとしたタコメニューがやってこない!
どうなる?私たち!

ここにもタコはいなかった

いやいやいやいやー、さすがに焼き物や揚げ物があるでしょう。まだタコ出てきてないし。
それでも侑さんは次たこ飯で終わりなんちゃう?などとまだ訝しがっている。

天ぷらが到着した!
私は遅めの2杯目生ビールをオーダー。王様と侑さんも、来たるたこ飯に備えて3本目のご当地日本酒をオーダーする。最後は播磨のお酒だった。
さて、天ぷらをじっくり見る。
鯛一切れ、海老、海老の頭、海老の足、そしてピーマン。1個のピーマンの8分の1カットだ。

タコかどうかを確かめるため齧ったら鯛だった

もう我慢ができずメニューを確認してみる。
鯛のあら煮か揚げ物、と書いてある。そして次はご飯となっている。
揚げ物が来たのでもうあら煮はやってこない。

こ、この天ぷらがメインだったのかー!!

たこの天ぷらとか、なかった。
実質、海老1本と鯛1切れじゃん。これを盛り合わせと言ったら通常の盛り合わせは豪華盛り合わせとわざわざ言わないといけなくなってしまうぐらいの量だ。
ピンク岩塩が添えられていたけどなんかちょっと気持ちが荒々しくなってしまった私は、先ほどの蒸し物用の出汁ポン酢に天ぷらをつけて食してやりましたぜ。そしてビールをあおりましたぜ。そして勢いのまま杏露酒のソーダ割を追加オーダーしてやりましたぜ。

私たち3人は少しずつ言葉数が減ってくる。
そして沈黙の時間。それぞれがこの事態に何とか向き合おうとしているかのようだ。

あんかけの茶碗蒸しだ

茶碗蒸しがやってきた。中に小指の爪ほどのサイズのタコが入っていた。侑さんは気づかなかったらしい。

と、失礼します、と店員さんが来られる。
お、いよいよたこ飯のご登場ですか?私たちは気を取り直した。
ところが店員さんは小さな小さなお茶碗を配るではないか。

中に入っているのはほんのひと口で終わってしまいそうな穴子飯だ。私たちは自分の目を疑った。
え?た、た、た、たこは?
本日2回目の本気のたこ探しだ。タコは現れなかった。私たちの前にその姿を見せることはなかったのだ。
「わしゃ、何しに来たんじゃ」と侑さんが言う。隣のマダムのお食事以上、少なくとも同レベルのものがやってくると思っていたのに、一口の穴子飯。そしてお味噌汁。

お食事は以上となります、最後にデザートをお持ちします、と無情な通告。
タコを食べに来たはずだったのに。タコが美味しいお店、って謳ってたのに。お店のロゴにタコの足の絵描いてあるのに。なんならコースはたこづくしだったらどうしようかと密かに悩んでもいたのに。

デザートはレモンシャーベットと温かいお茶だった。

美味しかったけれど、残念

予約時にタコをお願いします、と念押しすべきだったのか。おまかせという言葉に任せてはいけなかったのだ。また一つ勉強になった。しかし、お店は本当に良いところだった。うそつけぃ、などと思わないで頂きたい。私たちのチョイスと期待度が微妙にすれ違いをおこしただけなのだ。

こうなったら自分で調理するしかあるまい、なんて一瞬やる気が起きたのだが、王様はいつもは食べられない美味しいものが食べたいと仰ったのだ。私が作るいつでも食べられるたこ酢や天ぷら、お刺身なんぞは対象外のはずだ。さて、どうするか。
あと、いくつか候補に挙げたお店は全部却下となった。
ああ、今年のお誕生日も成功とはいかなかった。王様に満足していただくにはまだまだ時間がかかりそうだ。

#誕生日

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