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映画を観た「太陽がいっぱい」

1960年のフランスとイタリアの作品。アラン・ドロン主演。鑑賞は3回目ぐらい。
最初に観たのは小学生ぐらいだったのだろうか。母にいい映画よ、と勧められて一緒に観た。

筆跡をまねるために映写機で壁一面に文字を映して練習するところや、ラストに犯罪が露呈する場面に度肝を抜かれた。そして、アラン・ドロンは名前は知っていたが、世の中にこんなにもかっこいい人がいるのか、と驚き、感動し、そして憧れた。ただ幼い自分にはおじさんに見えたので、恋はしなかった。

さて、物語は大富豪にイタリアで遊び惚ける道楽息子をアメリカへ帰らせるよう依頼を受けたドロンさまが、道楽息子を手にかけてしまうことからあれよあれよと予期せぬ方向へと転がっていくストーリーだ。結構忙しい。
ドロンさまもずる賢いところがあって、大富豪に、その息子と自分が昔からの友人だと言って信頼を得たり、またその道楽息子のほうも、お父様の地位と財産を笠に、ドロンさまにひどい仕打ちをしたりするのだ。しかも本人はいたずら半分だからホント始末が悪いのだ。

転がっていくストーリーと書いたが、でこぼこ道にバウンドして大きく跳ねたかと思うと平坦な道をスピードを増しながらゴロゴロ転がるようなそんなコントロールが利かないイメージの展開だ。

子供の頃の私には、アラン・ドロンほどの有名な俳優さんが、貧しく、しかも犯罪を犯す側の役を演じるはずがないとなかなか理解し難かったのだが、今はもちろんもう理解ができる。彼にこの役はぴったりだったのだ。彼の容姿と色気を以てこそ、うちに秘めたギラギラ感を表現できたのだと思う。

名作と謳われてしかるべき作品だ。何年か経ったらまた観たくなるだろう作品だ。


#太陽がいっぱい    #WOWOW

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