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御相伴衆~Escorts 第一章 第七十二話暗澹たる日々②「木から落ちた猿、泣きっ面に蜂」

「数馬、大丈夫?」
「はあ、こういうのを、猿も木から落ちる、って言うんだよな」
「無理したんじゃないのか?張り切り過ぎたのだろうな、お前の事だからな」
「皆、そんな、覗き込むなよ、脚、ちょっと、やっただけだよ。やっぱり、一年のブランクが響いてるなあ、俺としたことが・・・」
「過信は良くない。慎重に進めるべきだ」

 俺は、中庭で宙返りの練習をしていた。実は、ここに囚われる直前に練習していたのが、高い所から、飛び下りながらの宙返りだったのだが、その時はまだ、親爺や兄者が補助してくれていた。殆ど、完成形になっていたから、できると思ったが甘かった。少し、背が伸びて、体重も増えたせいかな。目算誤って、脚のつき方をしくじって、捻挫をしてしまったらしい。

「数馬、大丈夫なのかしら?・・・あーあ、御殿医が見る所だと、じっとしてれば、一か月ぐらいで治る見込みと聞いているのだけれども・・・」

 俺以外の三人は、簡略の挨拶で、頭を下げた。ベッドの上からで申し訳なかったが、俺も、お妃様に頭を下げた。俺が運ばれた医務室に、お妃様がわざわざお越しになられたのだ。

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