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今宵は満月             ~艶楽師匠と打ち合わせをしました

みとぎやの創作裏話です。
久しぶりに『お話を練る』タイムが成立しました。
これは、長くなるかもしれない。長編になりそうな予感ですね。

昨晩、みとぎやの方に、艶楽師匠が下りてきました。

艶「よいしょっと、ああ、ごめんなさいよ。ああ、すまないねえ、ケンさんじゃなくってさあ」
み「あ、艶楽さん、わざわざ、来て頂いて。やる気を出してきたんだそうで」
艶「何、言ってんだい? あんたが、ちゃんとしてくれれば、あたしは、いつも、やる気満々なんだけどねえ」
み「それは、そうかもしれないですけど💦・・・で?」
艶「うん・・・あたしはね、・・・って、ここはお茶も出ないのかい?」
み「はい、どうぞ、これでよければ」
艶「ああ、ありがとう、井筒屋は、持ってこられなかったから・・・」
み「あ、一度、聴きたかったんですけど、井筒屋さんのお団子、毎回というほど、食べてますけど、飽きませんか?」
艶「まあ、他にもないことはないんだけど、やっぱり、あそこが一番なんだよ。お城にも、御用達らしいからね」
み「はあ、そうだったんですね、で?」
艶「あたしさあ、実は、頼まれてたことがあってね」
み「なんですか?」
艶「仙吉さんに、だよ」
み「あ、なるほど、で?」
艶「あたしね、旅がしたいんだよ」
み「まさか、西国に、会いに行くんですか?」

 艶楽師匠は、ここで、首を振った。
 それにしても、急ですね。大丈夫かな?

艶「まあ、西国もいいんだけどね、ある意味、全国行脚だね」
み「えー、まあ、それも、いいとは思いますけど・・・」
艶「ふふふ、長くなるだろ?長編さね、諸国漫遊記みたいなの」
み「はあ、それはそれは」
艶「どうだい?いいんじゃないか?」
み「そうですね、こっちとしましては、・・・」
艶「まあ、奇天烈な、これを押すと文字が出てるね、どうなってんだい、これ?」

 艶楽師匠、PCを覗きこんでいますが。

艶「あれ、今、喋ってるの」
み「そうですよ、粗方、打ってます」
艶「はあ、便利というか、そうそう、仙吉さんが、似たようなの、持ってたよ」
み「そうなんですか?」
艶「なんて言ったかな、てんぷ、あー、天ぷらなんとかって、」
み「あー、それ、タイプライターじゃないですか?」
艶「ああ、そうだよ、それっ。それは、紙にパチパチ、ハンコの、そうそう、それみたいなのが、並んでて、そっくりだねえ・・・あれの、この仮名で打つの、作りたいと言ってて、でも、漢字が多すぎるから、駄目で、・・・あれ、これ、漢字が出るね」
み「まあ、変換って、このボタンをね、・・・まあまあ、それはいいんですけど、仙吉さんが、どうしたんですか・・・」
艶「これなんだけどさ、かなり旧いね・・・よく持ってたと思ってさ」

 艶楽師匠が、手にしているのは、ああ、これ、今、ここにあるんですね。

艶「『惟月島神書』と、それから『艶歌乃書』ってね」
み「で?」
艶「この分は、粗方、書いたというか、写したというね、細かい所は、まだできないんだよ」
み「お話をですか?」

 自慢気にしてますね、艶楽さん。良かった、やる気が出てきて。

艶「そう。題名はね『惟月島畸神譚』っていうんだよ、どうだい?」
み「なるほど、いいですね。これを仙吉さんから、もらって」
艶「そう、これを書き起こして、後世に伝えてくれって」
み「そうですか」

 そうだったんですね。

艶「でもね、これは、一部分しかないんだよ。なんだっけ?兎上幸多祁理うなかみのこうのたけりってお人が書いたらしいんだけどね」
み「これも、書き起こし、写しですね、恐らく」
艶「原本はないだろうよ、すごい、旧い話だからね」
み「これ、多分、駄目食らいますよね?上から」
艶「そうなんだよ・・・仙吉さんから、それを聞いたんだ。だから、密かにやってたんだけどね」
み「艶楽さんの時代では、畸神は否定されてるから。発禁書になるからね」
艶「そうだね、神社も寺もあるんだけど、この畸神の祀られているところはないんだよね、粗方の人の住む所には・・・ってね、仙吉さんがね」
み「うん・・・そうみたいですね」

 着物の合わせを直して、艶楽さんはしっかり、座り直した。

艶「あんた、あたしが行かないと、繋がんないんだろ?この世界が」
み「ああ、そういう事にもなりますかね・・・ありがとう。艶楽さん、やってくれるんですか?」
艶「まあ、黒墨が身体を食い尽くす前にね、ももたろさんは鬼退治しないとね」
み「なんですか?それ?」
艶「あたしが桃太郎ならさ、井筒屋の団子渡して、犬と猿と雉をつれてかないとね、と思ったのさ」

 また、訳わかんないこと言う、
 ・・・そんな、艶楽さんが好きなんですけど。

み「じゃあ、次のお話から、長編ですね?じゃあ、その話を書くのに、足りない部分の資料を探しに行くってことですね?」
艶「そう、それも仙吉さんがね、言ってたことで、・・・ダメなら、次の機会にとか、わけのわかんないこと言って・・・」
み「はいはい。解りました。じゃあ、これでいいですか?
艶楽の徒然なる儘~諸国漫遊記編~』って感じで」
艶「いいじゃあないか、あたしの書きつけでもいいかな?」
み「旅日記ね。できる時でいいですからね。艶楽さんには、そっちの取材して『惟月島畸神譚』描いてもらわないと」
艶「まあ、そうだね。じゃあ、早速、帰って、犬と猿と雉の当たりを付けるからね」
み「行先は、解ってますか?」
艶「中つ大洲おおしまは、中程の南側の海辺と、長箕沢って山ん中、あと、それこそ、ケンさんの北睦周辺、それと、諸島部の船の家の方だね・・・これ、書きつけだよ。仙吉さんに貰ってるやつだよ」
み「わかりました。それで行きましょうか。お互い、顔晴りましょう」
艶「ああ、いいね。さてさて、犬はあの、お馬鹿さんで、猿はまあ・・・随分、大きな親分猿じゃあないか・・・でもねえ、それぞれ、生業なりわいがあるからねえ、・・・ものは相談からだねえ・・・」

 あ、消えていきました。
 気をつけて、お帰りは、時の淵に嵌らないようにね。


 そんなわけで、艶楽師匠との打ち合わせが終わりました。
 この後、艶楽師匠は、仙吉さんからの頼まれごとを果たす為に、この東国の歴史の真実を、密かに探る旅に出ます。するってぇと、辿る、元のお話が、気になってきますが・・・。ひとまず投稿のまま、一話で足踏みしている、あの話の続きも、呼んでやる必要が出てきたようです。どう組み立てるか、みとぎやの頭の中も、クルクル・・・今年は、長編がクロスする展開になりそうです。今後のお話たちも、どうぞ、お楽しみになさってください。

★ちなみに★
 今日は満月ですね。嫌な事、変えたい事があったら、紙に書き出して、破って捨てて、リリース(手離し)すると良い日だそうですね。
    みとぎやは、時間の使い方が下手、心配性と書いて、捨てました。
    最近では、note以外にも、SNSを使い始めて、あちこちから、通知が来るのに振り回されています💦下手くそすぎるのですが・・・💦
 特にツイッターは、親切なnoterさんが、アドバイスを下さったりしています。noterさんは、優しい方が多いですね💙 感謝です💛

 

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