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同伴モデル3つが決定!

AS06からはじまり、ZSN Pro X、ZSTXとKZらしい『高音低音重視ドンシャリ』イヤホンを購入し、立て続けにレビューしてきました。どのモデルも低価格だからこんな大人遊びができるわけですが、どの機種も好みの音でありながら、それぞれが聴かせる音質には微妙な違いがあって、同メーカー/同ドライバー構成でもこれだけ音の聴き比べができることにワクワクしています。さて次なる野望は同一メーカーで異なるドライバー構成のモデルを聴いたらどうなのだろうか? というもの。そこで今回白羽の矢を立てたのが、これまで多BAで実現していた中高音域の解像度の高さをDDのみで表現しようとした意欲作、DQ6です。Amazonの期間セールで2,200円(税込)で、限定のブラックフェイスプレートモデルを購入しました。

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KZ DQ6は2020年に発売された比較的新しいモデルで、片側に3つ×2=合計6つのダイナミックドライバを搭載しています。メインとなるのは、ZSTからZSTXまで使用されている低音担当の10mmダイナミックドライバーをTWS開発によってさらに進化させた『XUAN』と呼ばれる新ドライバー。クリア筐体からドライバーの背面を見てみると、このイヤホン独自の「富士山型」のカバーがついており、これがドライバー背面の共鳴空間になっています。この空間のおかげでより豊かな共鳴・反響感が得られ、低音域をさらにリッチにする効果を得られるというものです。

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一方で、高音域を高い解像度で表現するのに最適なBAですが、質の低いBAの場合には耳に「刺さる」シャリシャリした音の粗さが出てしまう危険性もあります。3BAモデルのAS06ではその傾向が若干あり、最新型のZSN pro X(1BA+1DD)ではチューニングによってかなり上手にまとめられているように思います。KZ DQ6では、そのBAの代わりに小径6mm✕2台のDDを並列配置して高音域を担当させ、先述のXUANドライバー(二重磁気)に中・低音域を担当させています。

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では外観をチェックしてみましょう。筐体はおきまりのクリア樹脂製。フェイスプレートとステムは金属製になっていて高級感があります。ステムの先には金属製のフィルターがついています。ZSN pro X同様異素材のハイブリッドとなっていますが、DQ6も製造バリや接着面の粗さなどは一切見当たらず、とても綺麗な仕上りになっています。接着剤跡も見られない程の見事なビルドクオリティーです。

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筐体サイドにはモデル名とダイナミックドライバーが6つ搭載されていることが謳われています。付属ケーブルはZSN Pro X同様アップグレードケーブル相当の4芯銀メッキ銅線の編込みタイプで、3.5mmジャックも金メッキ処理されていて好感がもてます。

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筐体サイズはZSN Pro XよりDQ6のほうがやや大きく厚みがあり、ステムの上部にはこれまでなかった「でっぱり」が見られます。これがもし耳にフィットしなかったらと心配していましたが、結果は耳の形状に見事にフィットしました。というか完璧なFIX状態になって、イヤホンを耳から外すときに苦労するくらい。長時間装着していても不快感はなく、重量も見た目と比べ非常に軽いので気になりません。装着感という点ではこのDQ6がベストワンといえます。

金属製ステムの径は、太目だったZSN pro Xより細くなり、交換イヤピースを選ぶ際には注意が必要です。私の場合、ノズル径が太めのSedna EarfitLightではゆるく、細めのSedna EarfitLight Shortならきっちり装着できました。付属の純正イヤピースは他の方のレビューにもあるとおり、TWS用のものを流用しているのでペラペラで遮音性が低く、個人的には普段使いのイヤピースと交換してしまうことをおすすめします。

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<DQ6の音質について>
音質レビューは、常用のJSHiFiの8芯ケーブルHi8に変更して行いました

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いつものようにPentatonixの Hallelujah から聴き始めます。低音域の圧はZSN pro Xと同等かそれ以上にあるように感じます(ベースの音圧がしっかり聴こえた瞬間に『ハズレ』でなかった安心感がこみ上げてきます。これで一安心!)

AS06と比較するのが一番わかり易いですが、BAでは繊細さ故にやや刺さり気味だった高音域が、DQ6ではチューニングの妙によって華やかさと透明さを失わずに「聴き疲れしない」ちょうどいい音にまとめられています。中音域はボーカルがAS06よりも前に出てくるイメージで、男性・女性ボーカルに関わらずとても聞きやすいと感じます。DQ6は低音重視と表現するよりも中音域重視モデルといえるほどボーカルはクリアで聴きやすく、曲のジャンルを選ばず楽しめそうです。低音域はさすがKZの真骨頂で量感と芯があり、キレのあるダイナミックな音になっています。この低音が高音中音を支えることで、私の好物のドンシャリバランスを聴かせてくれるのです。箱出し状態でこれですから、しばらく聴いたあとにはどう変化していくのでしょう?

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自分の中ではこれまでベストワンだったZSN pro Xが文句のつけようのない最強バランスの優等生とするなら、DQ6は中音域(ボーカル域)を疎かにしない音表現の原点に回帰したモデルであり、長時間でも聴き疲れしない絶妙なドンシャリバランスにチューニングされたもの。高音域は華やか、低音域には強さとキレがあり、中音域は華やかさとともにボーカルがより聴きやすくなったKZイヤホンの進化が感じられます。従来は1BA+1DDのハイブリッドで表現してきたこの音バランスをDD3つで再現することに挑戦した意欲作と言えるのではないでしょうか? ではどの音が一番好きなんだ? ナンバーワンはどれだ? と聞かれると…。

*デシベルが高く、重低音の量感がたまらない超ドンシャリZSN Pro X
*どの音域も分解能が高く、聴き疲れしない最高クオリティーDQ6
*いい意味で一番ナチュラルなバランスでいい音を提供してくれるZSTX

残念ですが、自分の場合は微妙な音の分離性能と重低音の量感の好みで、わずかに ZSN Pro X >DQ6 >  ZSTXという順番になるでしょうか。でも正直、DQ6の音がここまでZSN Pro Xに肉薄してくるとは想像以上でした。 

ZSN Pro X ・DQ6・ZSTX。ここにお気に入り同伴のKZイヤホン3姉妹が決定しました(AS06は表彰台落ちで売却することにしました)。これからも楽しみながら、音の深化と進化を楽しんで行こうと思います。

Amazonの詳細と購入先リンク
https://www.amazon.co.jp/dp/B08R7WMQLJ/?coliid=I3N8XZ49C6SCFP&colid=12LJZLY7UNXR8&psc=1





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