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技術書積読消化技「1時間速読」

 この記事は慶應理工アドベントカレンダー2022の20日目の記事です。

 皆さんは技術書を良く読んでいらっしゃるでしょうか。
はい皆さん心の中で答えてください


「読んでるよー」
「読んでるよー」
「読んでないよー」

「読みたい本がありすぎて積んでるよ…」⇐

はいそこのあなた、気持ちが良くわかります。特に

「今は必要ないけど、気になったから買っちゃった☆」
「将来のために勉強しなきゃ!
(o・∇・o)

みたいな本は良く積まれます。無念。

今回はそんな本たちを一斉供養する裏技

「技術書1時間速読」

を提案します。

技術書1時間速読とは

 技術書1時間速読とはその名の通り

「技術書を決まった短時間で1冊全体をざっと目を通す」

というだけのものです。
 これをすることで

「その本の概略を知る」
「キーワードを知り、欲しいときに調べられる状態にする」
「積読の罪悪感を減らす」

といった効果を得ることができます。
 単純な作業ですが、結構得るものは大きいと思います。

やり方

・時間を測ってその時間内に本全体に目を通す
・読む順序は何でもよいが、時間半分のチェックポイントを作る
・簡単な実行環境が必要ならば用意、必要なければ後でいい

  やり方は簡単で、時間を測ってその時間内に本を読めばよいです。時間が決まっていればよいので1時間でなくても30分でも良いです。
 とにかく、その時間中集中できるであろう時間に設定しましょう。私は1時間が限界です。

 また、登下校時間が長い方は電車に乗っている間に読む、と決めてしまうのがおすすめです。時間の流れが分かりやすいですからね。

 読む順序は何でも良いです。その本の構成、本人の力量によって読む場所は変わってきます。それを知るためにも1章は目を通すことをお勧めします。レベル感を知ることができます。

 決めた時間の半分でチェックポイントを作っておきましょう。案外1時間は長いです。中だるみを防ぐため半分までに半分読む!といった中間目標を作っておきましょう。

 集中力が続かなければ時間を短くしたり、チェックポイントを増やしたりしましょう。根性ではどうにもなりません。

 1時間では環境構築、コードを書いて実行、とやっている時間はないでしょう。新しい言語を学ぶときに簡単にREPLで練習するくらいならいいと思いますが、ガッツリコードを書くのは全体を見渡してからの方がいいかもしれません。

速読のメリット

・とにかく一通り目を通せる
・重要そうな語句を頭に残すことができる。
・本の買いっぱなしを防ぐ
・読むべき場所を見極めることができる。

 まずとにかく一通り目を通すことができます。
 
1時間という時間は斜め読みするにはかなり長い時間でしょう。いざやってみると1時間で案外細部まで読むことができます。積読の中には「気になって買ったけど表紙と概要しか知らない」みたいな残念なことになっている本もあるかもしれません。少なくともそんな本をなくすことができます。

 重要そうな語句を頭に入れることができます。それぞれの分野には専門用語があります。例えばプログラミングでは無名関数、三項演算子、GCなど、言語特有の概念、Rustならクレート、所有権、JSならオブジェクト、イベントハンドラなど。これらの専門用語は名前すら知らないとググることすらままなりません。速読を通して「検索エンジンで語句を調べることができる」レベルになります。一回見たことがあるため心理的障壁も小さいでしょう。

 読むべき場所を見極められます。ある程度分かっている分野の本なら前半の章は読む必要がないことが多いです。そんなときはがっつり飛ばして読まれると思いますが、一通り目を通すことでその見極めができます。知っていたと思っていた概念をその本ではさらにわかりやすく丁寧に解説しているかもしれません。案外わかってなくて読み飛ばしていた章に戻ってくるのはあるある。

速読のデメリット

・全て読んだ気になってしまう
・割と疲れる

 全て読んだ気になってしまう。一番起こりえる問題はこれでしょう。皆さんはダニングクルーガー効果をご存じでしょうか。ググればグラフが出てきます。いわゆる

「線形代数チョットワカル」
「C++完全に理解してしまった…」

みたいなやつですね。速読が上手くいくと↑のC++完全理解の状態になりがち。いわゆる「馬鹿の山」の頂上にいるわけです。1時間でそこまで行ければ大したものですが、「概略を読んだだけ」であることは念頭にいれないと物事を中途半端に知っているという一番危険な状態になります。
 この状態は寧ろ学習の進度を阻害しだすので注意が必要です。

 案外疲れる。1時間の集中は相応の体力を使います。図書館であれも読みたい、これも読みたい、としているとあっという間に疲れます。(n敗)

まとめ

 今年は積読に悩んだ末に考えた無理やり本を読む方法「1時間技術書速読」を提案しました。
 この速読はあくまで概要を読む作業なので

「本を1冊読む前に行う儀式」

のように使うのが一番良いと思います。
 もし気になった方がいましたら是非お試しください。ポテンシャルはある技だと思いますので皆さんの手で改良していただけたら幸いです。



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