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はじめてのインタビューは雑誌編集長でした。

今受講しているライター講座で、二人一組のペアで「読書と私」というテーマでインタビューをすることになった。

あみだくじで決めることになり、次々の他の受講生のペアがきまっていく。その日の参加受講生は奇数で、誰かが余るな、、、と心の中で助走をつけた。あみだくじを引く。なんと余ったのはわたしだった。インタビューする相手が発表された。私は強運だった。なんと、講師として参加している、Aさんをインタビューすることになったからだ(汗) 助走をつけすぎて勢い余って転倒しそうなインタビューとなった。これから赤ペンがたくさん入るのだろうか、、下記はインタビューを三人称で書いた下書きです。

テーマ:「読書と私」~タイムトラベル読書~

Aさんは、編集者、ライター、そして編集長として多才な一面を持つ人物。彼女のキャリアは多岐にわたり、元々は研究職。現在は雑誌の編集長を務めている。好奇心旺盛だと自ら語るAさんの読書歴は、彼女のキャリアと同様に多彩だ。特に、読書の興味がSFジャンルから時間の経過と共に歴史的な作品へと移っていった経緯が印象的なインタビューとなった。

「若い頃はSF一辺倒なんですけど、最近は、割と歴史ものとか読みます。」とAさん。歴史ものに興味を持ったきっかけについて教えてくれた。「私は今はこんなこと(雑誌編集長)やってますけど高校の頃とかは古典が苦手だったんですよだったんですよ」と意外な過去を教えてくれた。

とにかく古い日本の歴史ものっていうのは、遠ざけていたと言う。そんなAさんが、歴史という海に漕ぎ出すきっかけとなったのは、平家物語を特集したテレビ番組だった。

Aさんの出身は香川県。「源平合戦とか、屋島とか、那須与一の下りとか、昔の高校とか中学の時とかもやったんですけど、久しぶりに、NHKの番組を見て、その言葉を聞きかじったことに興味を持ちました」とAさん。

ある時、久しぶりにNHKで放送された番組を観たことが、Aさんの注意を引き、日本語のリズムや調子の面白さに気づいたそうだ。以前はそのような要素に全く気付かなかったが、これがきっかけで、歴史が身近に感じられるようになったと話してくれた。

その後、昔の文学や歴史作品に興味を持ち始め、日本の過去の人々の考え方や、文化について理解を深めるようになったそうだ。さらに過去の時代について考える機会は続く。

編集長を務める雑誌の60年前の古い投稿をまとめる仕事があった。前の世代の人々が書いた文章を沢山読むことがあったという。「今の自分の価値観は、ずっと自分が生きている間はこれが正しい、変わらないものだと思ってたんです」とAさんは振り返る。

自分が生きている間、自身の価値観が不変であることに疑問を抱くことはなかった。だが、過去の投稿を読み、時代を遡ることで、考え方や価値観が自分とは全く異なることに気づいたという。この経験から、昭和、大正、明治、江戸、さらに遡り平安と、人々がどのような考え方で生きていたのかに深い興味を抱くようになったそうだ。

またAさんはある日、猿之助の心中事件についてのニュースを聞いたとき、最初は「なんてことを!」と驚きを隠せなかったそうだ。しかし、その後、近松門左衛門の浄瑠璃に関する解説本を読んで、当時のストーリーに深く没頭するうちに、考え方に変化が現れた。

「昔の人はこんな風に考えていたんだ!」と感じ、「猿之助さんもそう思うよね、心中するよね」と昔の人々の死生観や感情や動機に強く共感したとも話してくれた。歴史ものや古典を読むこで「分からないと思っていた人のことも分かるようになると思う」と教えてくれた。

Aさんの言葉を借りれば、「昔の人ってこういう風に考えるんだ!」という新たな発見が、今を生きる私たちに、他者への理解や共感を促す。さらにそれは、過去の時代を生きた彼らの感じた世界観に、深くアクセスできることを意味するのだろう。Aさんの読書体験は、歴史や古典を読むことの一番の醍醐味だ。SFから古典へ時空を超え、読書の醍醐味を様々な角度から教えていただいたインタビューとなった。タイムトラベル読書は続く。

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