見出し画像

絵本『ルピナスさん』

最近寝る前によく読む絵本があります。バーバラ・クーニー著『ルピナスさん』です。

一人の女性の人生を、子供時代から老年期まで描いた絵本です。買ってもう30年以上経ちます。

移民三世のルピナスさんは子供時代おじいさんと「世の中をちょっとだけ美しくする」ことを約束しました。

ルピナスさんは大人になって、よその町で図書館司書として自立しました。真冬に植物園で南国植物を楽しみ、一人で世界中を旅します。けれども旅の途中背骨を痛めてしまい、海辺の町に隠棲します。

シニアになったルピナスさんは、一時痛めた背骨のため自宅で寝たきりになりましたが、病床から見えた、自分が種を撒いたルピナスの美しい花々が元気を取り戻すきっかけとなり、島中にルピナスの種を蒔き続けて美しい風景を作って、子供時代おじいさんとした約束を果たしました。

そして同じ約束は姪孫へと、世代を経て受け継がれます。優しい色彩で描かれた、そんな絵本です。

私もシニア世代になって「世の中をちょっとだけ美しくする」を意識するようになり、ルピナスさんの後半人生に大きく共感するようになりました。

今のところバス停の掃き掃除くらいしかできませんが、小さなことでちょっとだけ世の中を美しくすることができるといいな、そんなことを考えているのです。