ゆめのあと
どうやら寝てしまっていたらしい。腕を枕にすることもなく、顔を床につけたままで。
寝違えた時の首の痛みがそこにはある。意味があるかは知らないが、とりあえず反対を向いて首を伸ばした。
起きるまでの準備体操みたいなものだ。瞼も、体も、まだ重かった。耳には自分の鼓動が聞こえた。
でも、鼓動の他に、体内では出ない音も聞こえた。なんの音だろうか。
銅鑼を叩くような、引き出しを閉めるような、階段を降りるような、色々な音に聞こえた。
リズムは一定ではなく、しかし止まることは無かった。
ようやく目を開け、立ち上がると、窓の外に雨が降っていた。
お前か、と思った。
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