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始まりも終わりもない恋

吸い込まれるように恋をする。
見つけたって思う。
私の全てをなくす人、この世界から意味をなくす人。
鬱の時に現れる消え去りたいって願いが、いつもは心の奥底に隠されていて、
生きてるときに恋としてふっと息をする。
心の奥底からゆらゆら昇って、表面でパチンと弾ける。
そこにそれ以上の意味はないのに、気泡が弾けてできた波紋は、呑まれろ、呑まれろと囁いてくる。
消えたい、消えたい、呑まれたい、飲み込んでほしい、呑まれて消えたい!

その衝動は、なぜだか心地良い。
寒いなか吐く白い息への愛おしさ。
こだわって、執着して、その波紋が消えないように必死になる。
忘れないで、消えないで、ちゃんとしないで、まともにならないで、私に戻らないで。
映画に出てくるヒステリックな母親が我が子に怒鳴るように。
叱って、痛めつけて、一時的に癒されて、憎む。

私の恋はいつもそう。


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