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医療従事者のコアコンピテンシーとは?

▼ 文献情報 と 抄録和訳

WHOリハビリテーションコンピテンシーフレームワークの開発と検証;混合法による研究

Mills, Jody-Anne, et al. "Development and Validation of the WHO Rehabilitation Competency Framework: A Mixed Methods Study." Archives of Physical Medicine and Rehabilitation 102.6 (2021): 1113-1123.

[ハイパーリンク] DOI, PubMed, Google Scholar

[目的] リハビリテーション医療従事者に求められる能力、行動、活動、タスク、およびその中核となる価値観や信念を明らかにし、リハビリテーション医療従事者とサービス利用者の間でこれらを検証すること。

[方法] デザイン→リハビリテーション関連のコンピテンシーフレームワークの内容分析、修正デルファイ調査、およびサービス利用者へのコンサルテーションに基づくアンケート調査を含む、混合手法による研究。参加者→修正デルファイ調査の第1回目(N=77、47%)と第2回目(N=68、67%)を完了した参加者。サービス・ユーザー・コンサルテーションには37名が参加した。この混合研究の参加者は、さまざまな国のさまざまなリハビリテーションの専門家であり、高所得者層と低所得者層の両方を対象としている。

[結果] 混合法による研究の結果、リハビリテーションコンピテンシーフレームワークには、4つのコアバリュー、4つのコアビリーフ、17のコンピテンシー、56の行動、20の活動、62のタスクが含まれることがわかった。リハビリテーション関連コンピテンシーフレームワークの内容分析により、コンピテンシー、行動、活動、タスク(「ステートメント」)のαリストが作成され、これらは5つのドメインに分類された。修正デルファイ調査の最終段階では、ステートメントに対する平均95%の同意が得られたが、サービスユーザーによるコンサルテーションでは、アンケートに含まれるステートメントに対する平均87%の同意が得られた。

[結論] リハビリテーション医療従事者の構成は多様であるにもかかわらず、この混合法による研究では、職種、専門分野、環境を超えて共有される能力と行動、およびリハビリテーション診療の範囲を包括的に示す活動とタスクについて、強いコンセンサスがあることが示された。リハビリテーションコンピテンシーフレームワークの開発は、ケアの質を向上させるための労働力の能力構築と、システムレベルでの可視性と影響力を強化するための共通のリハビリテーション労働力のアイデンティティの強化という2つの目標に向けた極めて重要なステップである。

▼ So What?:何が面白いと感じたか?

コンピテンシー、ざっくりいえば「優秀な人の特徴」。それを明らかにしていこう、という営みをWHOがやっている。これまでは、提供されるリハビリテーションの質に関して光が当たってきた。最近、患者に対する医療従事者の態度など、医療サービス提供者、すなわちリハを提供する『人』にスポットライトがズレ始めている気がする。「おまえは、人として、どうある?」が問われ、しかもそれが客観的に評価される時代が、来るかもしれない。