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親ロシア派は反ワクチンかつQアノンで確定なのか

まずは産経新聞発のこのニュースから。
「親露アカウントの9割、過去に反ワクチン関連ツイート 東大大学院教授分析」
https://www.sankei.com/article/20220420-JCFZ2YCNSBPWHDLLEES4UJKYA4/

この記事に書かれている文だけを見ると、受け取れる情報は「ウクライナがネオナチだという主張を拡散するグループは反ワクチン思想を拡散するグループと大部分一致する」という事項になります。
これは新たな「発見」として報道されていて、目を引くポイント(関係ないと思われていたAとBが一致する)を強調する書き方を記者があえて行っているため、仕方ないことでしょう。報道ではよくあることです。
ですが読み取れるのはそれだけです。

主観を述べます。
そもそも
A.ウクライナがネオナチ
という主張と
B.新型コロナワクチンは有害
という主張は同じカテゴリーとして発信されたように感じていました。
発信者は「陰謀論」を信奉するグループです。

上記記事では「リツイート」に重きを置いているため、バラバラに存在する「A」と「B」が拡散(RT)者の都合でピックアップされたように見えます。
しかしながら、もし「A」と「B」が同じ人物から発信されたものであるなら、それをリツイートする者が9割近く一致することは自然なことで、新たな発見とは言えません。

陰謀論と言えど何から何まで一致することはありません。
例えば異星人が政府中枢に潜伏しているという主張と明治天皇すり替え説は別のグループから発信されています。
その為、今回の調査でも「ウクライナネオナチ説」RT者と「Qアノン情報」RT者の一致は5割以下に留まっています。

「ウクライナネオナチ説」発信者の何割が「ワクチン有害説」を主張しているか、また、何割がその他の陰謀論に加担しているかまで調査することによって、拡散者の思考まで理解できます。

拡散者の思考を理解することによって、
・思想的に強い意図を持ってRTしたのか
・漠然と同調しているだけなのか

を知ることができます。

またしても個人的な主観になりますが、陰謀論に加担する人の多くは、社会への反発心故に陰謀論の反体制的側面に惹かれた人たちだと思っています。
(エビデンスはありません。他人の心の内は読めないので)
それらライト層と、信仰心や利害関係に基づいて激しく陰謀論を発信する人たちの間には、社会性や影響力等の差異があるはずです。
陰謀論を拡散した時点で陰謀論者として警戒対象と見なしたり、情報弱者と蔑んだりすることは好ましくありません。

最後になりますが、記事のまとめにある「物事の裏にある真実を知った、と思ったときには注意が必要。優越感をくすぐったり不安につけ込んだりする偽情報や誤情報も世の中には多いことを意識する必要がある」という注意喚起はとても重要です。
また当該記事を読んだ各位も、闇雲に陰謀論者を貶め、優越感を得るための誤情報等に惑わされない注意力が求められることを忘れてはならないでしょう。

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