2023-08-06T13:09-イヤホン;ヘッドホン;皮膚炎
本記事では、耳介よりも内側に何かを入れるものを「イヤホン」、反対に、耳介に接触するか外側に何かがあるものを「ヘッドホン」と呼ぶこととします。下記のリンクにもありますように、用語の使用方法について様々な見解があるため、便宜上、上記のように定めたいと思います。
本題ですが、イヤホンやヘッドホンの装着感に、色々な難を感じている方が、もしかしたらいらっしゃるのではないか、というお話になります。といいますのも、私自身が非常に困っているからです。悩みとしては外耳炎と耳介周辺の皮膚炎です。私は、イヤホンが入るところも含めて、いわゆる脂性肌です。なので、イヤホンは筐体やイヤーチップが皮脂ですぐに汚れますし、ものによっては皮脂で滑って耳から落ちてしまいます。ヘッドホンの場合は、落ちるということはないものの、イヤーパッドがすぐに汚れます。
イントラコンカ型でもカナル型でも、外した後にそのまま放置して、また着けるということを繰り返していると、外耳炎になります。恐らく、イヤホンに付着した皮脂を餌にして雑菌が繁殖することや、カナル型であれば気密性が異常に高くなり、外耳道の湿気が逃げにくくなることが原因だと考えています。推奨はできませんが、消毒用エタノールを含ませたティッシュでこまめに清拭し、止むを得ずな感じで対応しています。こちらについて、スポンジ状のイヤーチップでは厳禁なので注意が必要です。以前、油断してエタノール消毒してしまい、ボロボロに崩れてしまった経験があります。最新技術で、このあたりが改善されている商品があれば非常に有難いのですが、私はまだ見たことがありません。
ヘッドホンの場合は、密閉型ですと蒸れが最大の難点になりますが、イヤーパッドの清潔を保つことで、一応何とかできます。ただし、ヘッドホンの場合でも、製造側が保証していなければ、エタノール消毒は推奨できません。なので、ユニ・チャームのピュアウォーター(ウェットティシュ)を使用しています。まだ、長期間の使用でイヤーパッドに悪影響があるか否かの検証は済んでいませんが、今のところ大丈夫そうです。
他方、開放型の場合は非常に悩ましいです。半開放型を除けば、肌触りの良い表面をもつ、起毛された素材が多く見られます。密閉型でも、起毛素材が使用されている例があるかもしれません。この場合、濡れ拭きをして、表面的に付着している皮脂を取り除けたとしても、生地の内側まで浸透してしまった汚れは落ちません。洗って使いまわせて、かつ肌触りの良いイヤーパッドカバーも販売されていますが(例:EarProfit multi 1;mimimamo)、持っているヘッドホン全てに着けたいと思うと結構な額になります。使い捨てのカバーも売っていますが、素材由来の独特な臭いが強い製品を確認しています。日干しすれば、ある程度臭いは無くなりますが、顔の近くで使うものなので安易にお勧めできません。
上記の検討を経てたどりついたのが、開放型のオンイヤーヘッドホンです。要は、KOSSのportaProということです。結局これが落ち着くな、というところでもあります。なお、KOSSについては色々な批判がある様で、そのあたりは専門家の方にお任せします。オンイヤーは、耳介が圧迫される構造になりがちですが、頬への接触が最小限にできます。蒸れにくいですし、開放型だと周囲の音が完全に遮断されないのも便利です。イヤホンでないので、外耳炎になる危険性も低くできます。
私が探した限りでは、長時間着けていられる機種で、音がすきで、軽い、という候補としてportaProが筆頭に挙がりました。このヘッドホンは昔、常田真太郎氏(スキマスイッチ)が「文句無しのヘッドホンです」と断言したことで有名なものでもあります[内田 𠮷昭:別冊Begin 音のプロが選んだジャンル別厳選ヘッドホン,世界文化社,19(2009)]。すきなものを決めるのは結局自分なので、他人の評価を妄信するのは良くありませんが、プロの意見として受け止められるべき評価だと感じています。使い始めて凡そ11年になりますが、今も好んで聴いています。現在は、新たに下記ヘッドホンの購入を決めています。初めてのGRADOなので少し緊張してますが、また新しい鳴り方に出会えることが楽しみです。