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夜凪

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ある少年は、ある夜少女に出会う。 ろうせ初のオリジナル小説。
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2023年8月の記事一覧

夜凪#6

夜凪#6

うるさいなぁ。
もう全部吸い込まれればいいのに───。

「・・・」

誰もいない部屋の中。

『学校には行くんだよ〜』

言ったからには、行かないと。

「あ"ぁ〜やだな〜」

そう言いながら瑠衣はスカートを取った。

「・・・え」

まさか隣の席の子が少年だとは思わなかった。
意外な出会いがあるもんだ。

「もういいや!!改めましてよろしく、"日向凪"くん」

そう言うと、戸惑ったように凪は返

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夜凪#5

夜凪#5

「いや〜まさか同じ学校でしかも同じクラスだとは思わなかったなぁ」

「俺もです」

帰り道。
俺は海、いや瑠衣と一緒に帰っていた。

「あ、そうだ」

「?」

瑠衣の鞄の中から出てきたのは、

「これ面白かったよ」

この前凪が貸した本だった。

「あ、ありがとうございます」

「‪‪‪w‪w‪w あのさ、同級生ってわかったことだし、タメでいいよ?w」

「いや、なんか、抜けないしこれでいいです

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夜凪#4

夜凪#4

5限終わりのチャイムが鳴る。

「トイレ行こうぜ〜」

「ちょっと飲み物買ってくる!」

各々に過ごす休み時間。

することもなく外を眺めていると、教室のドアが開いた。
そいつは俺の方へとやってくる。
何かと視線を向けると、

「・・・は?」

学生服を着た海がいた。
あちらも驚いたようにこっちを見ている。

「え、え?」

「あ、あの、どうしてここに」

「それはこっちのセリフ」

まさか。

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夜凪#3

夜凪#3

「・・・」

今日も可能性を信じて海に来るが、彼女の姿はない。

「どうしたんだろう・・・」

また、会おうと言ったのに。

「仕事行ってくるね!」

「行ってらっしゃい・・・」

いつものように母が声をかけ、家を出て行く。

『学校には行くんだよ〜』

「っ・・・」

行きたくない、けど。

「今日くらい行こう」

ーお昼休みー

「お、」

クラスに入ると、びっくりした目で見られた。
そりゃそ

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夜凪#2

夜凪#2

今日も足は海へと向かう。

「お、来たな少年」

黒髪の少女、"海"と出会ってからはほぼ毎日のように夜、この海に来ている。

ちなみに海という名前は、自分で言っていた。

『うーん、まぁ仮に"海"とでも呼んでよ』と。

「また君は名前教えてくれないのかい?」

「教える気ないので、なんとなく」

「あっそ〜」

そう言って海は寝転ぶ。

「頭道路飛び出してますけど・・・」

「この時間は誰もいない

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夜凪#1

夜凪#1

夏のある夜、月が綺麗だった日。
俺はあなたと出会った───。

「はぁ・・・」

先生から模試の結果が返される。

「×××、お前このままいくと留年だぞ?ちゃんと勉強しとけよ?」

「わかってます」

俺は高校に通うごく普通の生徒。
少し変わったところと言えば───、

「失礼しました」

「あ、あいつって・・・」

「あぁ噂になってる奴だろ?」

不登校で、こういった時くらいしか学校に来ないこと

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