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画廊(ギャラリー)って入りづらいとこ? vol.2「アイアイエーギャラリー」で聞いてみた!

画廊ってどんなところ?
「存在を知ってはいるけれど入ったことはない」という方が多いのではないでしょうか。ちょっとイメージしにくい「画廊」という場所。
画廊は美術館に慣れたあなたにも、もう少し違うアート体験を提供してくれる場所です。

まだ出会っていない自分だけの一枚を探しに画廊を訪れてみませんか。

ふらっと寄ってこんにちは!
~「アイアイエーギャラリー」 ギャラリスト稲葉さんに会いに行ってみた~

東京メトロ日比谷線小伝馬町駅から徒歩で 4 分。
東京らしい雑居ビルが立ち並ぶ大通りを抜けてひとつ裏手にいくと、由緒ありげな小さい神社が見えます。そのほど近く、懐かしい雰囲気の一角にアイアイエーギャラリーがあります。

大きな一枚ガラス。稲葉さん、こっち向いて~!

写真のとおり、覗くまでもなくギャラリーの中は大きな一枚ガラス越しによく見えるのです。まるで額に入った写真のような光景。ちょうど伺ったときにはギャラリストの稲葉さんと男性が談笑していました。次回の個展の打ち合わせということでしたが、堅苦しい雰囲気はまったくなく、世間話の延長のように楽しく企画についてお話しされていました。

和やかな雰囲気に背中を押されてさっそく私も単刀直入にこの話題を取り上げました。

「ギャラリーに入るときっていつも妙に緊張しちゃうんです!」

「やっぱりギャラリーってみなさん入りづらいものですか?
 でもね、お散歩がてらにぐるりと通っていく人もいるんですよ(笑)」

お散歩とはびっくり。しかし、お話を聞いているうちにそれもそうかもという気がしてきました。インタビュー中も外から様子を伺って一声かけていく方がいたり、扉をあけて軽くおしゃべりをしていく方がいたりと内と外の感覚が意外とあいまいな空間なのです。
まるで縁側のような場所。
なるほど、これは通りに面しているという立地にも大いに関係していそうです。

稲葉さんはギャラリーを立ち上げる前から、都市計画にかかわるお仕事をされてきたとのこと。
「まち」に興味があり、人が集まることに関心を持つなかで、「写真」という好きな分野で何かかかわっていきたいという思いがあり、この場所にギャラリーを立ち上げたそうです。まさにその狙い通り写真を軸に人が集まるスペースになっています。

とはいえ、初めてその場所に入るというのは勇気がいるというか、きっかけがいりますよね。なんとなくいいなと思う作品があっても、話しかけられちゃったらとか、コメントを求められたらどうしようとか考えて躊躇してしまうこともあります。

「もちろん私たちも、話しかけちゃいけないオーラの人だなとか、むしろ話しかけてオーラを出しているなとか、そこらへんを見ながらお声はかけています。でも、むしろ質問しちゃって下さい! それはかなり嬉しいんです」

逆に質問ですか。それはあまり考えていませんでした。
どんなことを聞かれたら作家の方やギャラリストさんは嬉しいのでしょうか。

「そうですね。『これはどんな風に撮影したんですか?』とか『どんな気持ちで撮影されたんですか?』とか聞くのはどうでしょう。結構みなさん語りたがりだと思いますよ(笑)

私も「いいな」と思う作品に出会えた時は、頑張りすぎない感想(「この光の入り方がすごく好きです」とか、「仲が良さそうなのが伝わってきて幸せな気持ちになります」とか)をお伝えすることがあります。

「そういう風に伝えてもらうと作家さんはとても励みになると思います」

やはり人と人との関係として、興味を持ちそれを伝えるのは大事ですね。

「あと何といってもギャラリーで開かれている個展の場合、その部屋が一つの世界になっています。それを作家のみなさんに披露してもらうこと、その世界のお手伝いをすることがギャラリストの醍醐味でもあります」

先ほど、内と外があいまいな空間と書きましたがやはり入ってみると空気が変わるのは確かです。ギャラリーに入ることは、その作品を創り上げた方の世界にお邪魔しているような感じです。

通りからふと覗いて、一歩入ると違う世界。

実際、近くのオフィスで働いている方が昼休みにふらりと寄っていくこともあるのだそう。遠くにいかずともリフレッシュできる場所なのかもしれません。

また、こちらでは撮影者向けに、写真を撮るところから印刷、写真の選定、展示の仕方など、初心者が個展を開けるようになるまで、一連の流れを学べるセミナーも開催されています。もちろんゴールにはアイアイエーギャラリーでの展示が設定されているということです。見る側から参加するのももちろんですが、撮る側から参加するというのもギャラリーに飛び込む方法かもしれませんね。

日常から少し離れてみたいとき、新しい感性に触れて刺激を受けたいとき、やさしく受け入れてくれる場所。そんな風にギャラリーをとらえるのは、自分の世界をより大きくして楽しみを増やす方法なのかもしれません。

見所のひとつ、ドアのなかの窓。

アイアイエーギャラリー
iia gallery com 2022








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