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薬草デビュー 45 カキドオシ 生薬名 連銭草(金銭草) 馬蹄草 味 甘、性質 涼 帰経 肝、腎、膀胱

佐藤潤平「家庭で使える薬になる植物」1集より
疳(かん)取りの妙薬 カキドオシ
馬蹄草   連銭草(レンセンソウ)
☘️疳(かん)取りの妙薬  「カキドオシのまたの名にはカントリソウとあるのは名前のとおりで、子どもの疳の虫をこの草でなおすから、疳取草、すなわちカントリソウである」

🤔🤔🤔🤔
疳の虫?
兄が疳の虫が強いと言われてましたが、そういう子に飲ませる薬草があることに驚いています⤴️⤴️

疳と癇の違い。癇癪かんしゃくの癇。「癇癪持ち」や「癇に触る」という言葉もあります。
神経過敏な子どもに対して癇癪の癇ではなくて疳の字を使うのだそうです。

福井市福祉部子育て支援課ブログさんより「疳の虫」の詳しい記事がありました。長文です

疳の虫(かんのむし)』というのは、どういう意味でしょうか。最近あまり耳にしないような言葉ですが、小さい子が夜泣きやかんしゃく、ひきつけなどを起こすことで、現代でも確実に存在します。なにも本当に虫が存在するということではありませんが、疳の虫とよばれる病態(病気とよぶには憚られますね)は、現代っ子ももっているはずです。

何を隠そう、うちの子も疳の強い子で、眠れない当直から帰って家で寝ようと思っても夜泣きで全然寝られなかったり、かんしゃくもちで怒るとキーキー言って泣いたりしました。当時漢方が手軽に使えなかったので、○○救命丸か○○奇応丸というのを飲ませた覚えがあります。
意外と効いたなあという日があったように思います。手元に「子育ての医学」というわかりやすく良い本がありますが、ここにも「疳の虫」の項目があって、昔は虫封じをしたとか、孫太郎虫(調べてみるとヘビトンボの幼虫だって!)という薬があったとありますし、「救命丸と奇応丸」、という項目もあり、有名な宇津救命丸はジャコウ、ゴオウ、レイヨウカク、ギュウタン、チョウジ、ニンジン、オウレン、カンゾウが含まれていて(HPでも確認)、樋屋奇応丸はジャコウ、ユウタン、ニンジン、ジンコウ(HPにはゴオウも含まれるとあります)だそうです。
医療用漢方エキス剤にも、植物製剤であるニンジン(人参)やオウレン(黄連)、カンゾウ(甘草)は多くに含まれています。ジャコウ(麝香)やゴオウ(牛黄)などの動物生薬は、エキス剤にはほとんど含まれていません。麝香はジャコウジカから取るのですが、なんせ現在は絶滅危惧種としてワシントン条約にひっかかるので、大変貴重なものです。ムスクの香りとはこの麝香のことですが、本来の麝香は意識障害や痙攣に効かせる強力なお薬です。整髪剤とかのムスクの香りって、そんなに目が覚めるような感じじゃありませんね。

 さて、○○救命丸などは生薬を使っているものの、漢方薬とは言わずに、民間薬とよばれる部類のものです。漢方薬で疳の虫といえば、抑肝散(ヨクカンサン)です。医学界では抑肝散が認知症の周辺症状(妄想、徘徊、不眠、暴力などの精神症状や行動障害)に効果があるとして有名になってきていますが、もともと神経過敏な小児用の薬です。構成生薬はサイコ(柴胡)、ジュツ(朮)、ブクリョウ(茯苓)、センキュウ(川芎)、トウキ(当帰)、チョウトウコウ(釣藤鈎)、カンゾウ(甘草)で、さきほどの救命丸などとは全然違いますが、夜泣きやひきつけといった、疳の虫に効かせるための薬なのです。

うちの子の話ばかりで恐縮ですが、よく歯ぎしりや寝言がうるさいので、抑肝散を飲ませて寝かすとましになります。別のお子さんで、アトピーで痒くて眠れないというので、眠前のみ抑肝散を飲ませて、睡眠状態がよくなったこともあります。でも、このお薬をより良く効かす秘訣は、母子同服といって子どもと一緒にお母さんも同じ薬を飲むことです。お母さんと子どもの関係の密接性、重要性を思い知らされる話ではありませんか。子どものイライラは親のイライラを反映しているのではないでしょうか。心当たりのあるお母さんも多いのでは?

 抑肝散だけではなく、柴胡加竜骨牡蛎湯(サイコカリュウコツボレイトウ)とか、柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)、甘麦大棗湯(カンバクタイソウトウ)などが、同じような分野でよく使われる処方だと思われます。

 文責 三重大学附属病院漢方外来担当医・小児科専門医 髙村光幸

《参考文献》
医学生のための漢方医学基礎編(安井廣迪・東洋学術出版社)

福井市福祉部子育て支援課ブログさんより

😍⤴️⤴️😍⤴️⤴️
宇津(うづ)救命丸、樋屋奇應丸(ひやきおうがん)聞いたことあります。小児が飲むお薬だったのですね。

佐藤潤平「家庭で使える薬になる植物」1集より

☘️採取期と薬効

花のある時期に全草を採取して乾燥し、長さ1cmぐらいの大きさに切り紙袋に入れて貯蔵する。
子供の疳すなわちヒキツケ・かぜ・血止めなどには、馬蹄草6~10gを水0.5㍑でその半量ぐらいに煎じ、これを1日量として3回に分けて飲む。
お茶のように服用しておれば、きょうそうざいにもなる。また慢性のかぜ・肺炎・泌尿器の病気などにも効がある。

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薬草教室金沢文庫参道のカキドオシ

☘️カキドオシ効能ウイキより

 全草を乾燥したものは和種・連銭草(れんせんそう)、中国種・金銭草という名で生薬にされ、子供の癇の虫に効くとされる。
このことから俗にカントリソウの別名がある

地上部の茎葉には、精油としてリモネン、このほかウルソール酸、硝酸カリ、コリン、タンニンなどを含んでいる。
一般に、精油には高揚した気分や高ぶりを鎮静する作用があるといわれている。
過去の研究によれば、カキドオシの温水エキスを糖尿病の動物に与えた実験で、血糖降下作用があることが認められるとした報告もされていて、糖尿病治療にも応用できることが日本生薬学会で発表されている。
しかし、動物実験により糖尿病に良いとされる発表については、これを疑問視する人もいる。

 生薬の連銭草は、4 - 5月ころの開花期に、地上部の茎葉を採取して陰干しにしたものである。
上方の花が残っているころに、茎を切って水洗いして、20本ほど束ねて風通しの良い日陰に吊るして陰干しにする。 

民間療法では、尿道結石、胆石、利尿、消炎薬として、連銭草1日量5 - 15グラムを、約500 - 600 ㏄の水で半量になるまで煮詰めた煎じ汁を、1日3回に分けて分けて服用する用法が知られる。
尿道結石にはウラジロガシと一緒に、胆石にはカワラヨモギと一緒に煎じるとよいとも言われている。

幼児の癇の虫には、前記の3分の1量以下の連銭草の煎じ汁を用いるとされ、苦いので甘味を加えて複数回に分けて服用するものとされている。
このほか、湿疹の幹部に煎じ汁を直接塗ったり、糖尿病予防に服用するといった民間療法がある。
⚠️冷え症や妊婦への服用は禁忌とされている⚠️

健康食品 

 抽出物には血糖値降下作用、体内の脂肪や結石を溶解させる作用があるなどとして漢方薬、ダイエット茶とされることもある。
しかし、国立健康・栄養研究所によれば、ヒトでの安全性を証明する十分なデータは不足している。
また「過剰摂取をすると胃腸粘膜や腎臓の炎症を引き起こす可能性」「ワルファリンを成分とする医薬品との相互作用」「発作性疾患のある人は使用禁忌」「腎疾患、肝疾患に罹患している人は使用禁忌」などの注意が促されている。 

動物実験 

一方、研究によるマウスやラットによる動物実験で、発毛効果、血糖上昇抑制、血圧上昇抑制などの効果があることが報告されている。 


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