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「爆弾/呉 勝浩」


久しぶりのミステリーだったけど、
読めば読むほど続きが気になって寝れなくなるこの感じが嬉しかった。

都内で爆弾が仕掛けられているという非現実的な話(可能性は0ではないけど)だからこそ、
現実を忘れられながら物語に没頭出来た。

「爆弾」を読みながら、昔読んだ「ラバーソウル/井上夢人」というミステリー小説を思い出した。
ラバーソウルは読み終わった後の余韻で涙が止まらなくて3日程ラバーソウルの事しか考えられなくなっていた。
愛が歪む事の悲しさと、
自分の欲望にあまりにも忠実に生きる主人公が羨ましかった。

ミステリーの不思議なところは
読み進めていくうちに、
気づいたら犯人の気持ちを“理解しよう”としてしまっているところ。
そして幾らかは共感してしまうことがある。

「爆弾」も、それなら犯人は爆弾を仕掛けても仕方ないか…と、思ってしまう瞬間があった。
自分も犯人と同じ思考なのかもしれない…と思うと少し怖かった。
そんなはずない、違うところを見つけよう、と思うほどページが進む。

そこが私なりのミステリーの醍醐味なのかも、と気づいた。

犯人だけじゃなく、爆弾に巻き込まれた側の人間、そして警察。
登場人物みんなの考え方とか気持ちがたくさん書かれていて、それもすごく好きだった。

や〜、もっと本読みたい。

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