TRON (前編) ―その圧倒的実力―
1984年、日本で純国産OS「TRON」の開発が開始された。
今現在このトロンは、「組み込み用OS」としては6割超の市場占有率を維持していおり、いわゆるデファクトスタンダードとして活躍している。
・汎用(情報処理系)OS…ウィンドウズなど主にPC上で活躍
・組み込み用OS…電子機器などに組み込まれている小さなコンピューターを制御するOS
『トロンの活躍状況』
トロンはデジカメ、電気炊飯器、などあらゆる家電製品に搭載され、さらには
車系(自動ブレーキ、ナビ、インジェクション)などで欠かせないモノとなっている。
その他に列挙すると。
・(小惑星イトカワから帰還した) 探査機「はやぶさ」の内部ネットワークの制御
・小惑星リュウグウに向かっている「はやぶさ2」にも搭載
・ロケットや人工衛星の内部ネットワーク
・コピー複合機
・(エレベーターなど)ビルの設備機器
・工場内の機械制御
などなど
・スマホの影の主役
もはや日常で欠かせないアイテムのスマホでも大活躍!
(スマホのアプリを動かすのは「情報処理系OS」だが) 画像処理、フラッシュメモリーへの書き込み、カメラ、バイブレーター、ディスプレイなどを制御しているトロンはスマホの影の主役とも称されている。
〈デファクトスタンダードからスタンダードへ〉
電気・通信の分野で世界最大の標準規格策定団体のIEEEがトロンの著作権譲渡を求めてきたのは、トロンをデファクトスタンダードと認めたからであった。
そしてトロン開発者の坂村大先生様は、その権利を無償で譲渡なさったのでした(ええんですかい?)。
IEEEは電気・電子関連の幅広い技術分野で約900件もの標準規格を定めている
その規格が世界標準となっているお陰で、世界中で同じ工業製品を使用することができる
どこの国でもスマホが「Wi-Fi(無線LAN)」に繋がるのは、世界中がIEEEの定めた無線LAN規格を採用しているから
情報処理系OSとして(パソコン以外では)圧倒的なシェアを占める「ポジックス(※後述)」もIEEE認定OS
IEEE標準化委員会で認められれば、IEEEの標準規格となる、早ければ年内認定見込みなのだとか。
これにより公式の世界標準となる。
世界標準となれば、トロンを多く採用している日本の工業製品には追い風になるだろうといわれている。
※ポジックス
クラウドサービス(外部に保存したデータやアプリなどを、NET経由で呼び出して使うサービス) などに用いられる大型コンピューターでは「ポジックス」というOSが主に使われている。
スマホのアプリを動かすアンドロイドOS(アンドロイド端末用OS)や ios(iphone端末用OS)もポジックスのプログラムを部分的に使っている。
参考資料↓
・悲劇のOS『Bトロン』
実はトロンは組み込み用OSだけでなく、(ウィンドウズのような) 情報処理系OS「Bトロン」も開発していた。
このBトロンについては改めて触れたいと思っております。
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