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福岡の弁護士です。企業法務、知財、交通事故をメインに、離婚や相続、不動産関係、債務整理…

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福岡の弁護士です。企業法務、知財、交通事故をメインに、離婚や相続、不動産関係、債務整理も扱っています。最近の趣味は釣りです。

最近の記事

著作権フリーのイラスト、本当に使っても大丈夫?

こんにちは。弁護士のスミです。福岡で知財案件を取り扱っています。 知財は東京や大阪など大都市だけと思われがちですが、私のいる九州でも知財戦略は重要だと言われています。逆に、地方の企業こそ、ビジネスを強くするために知財まわりを押さえておくべきだと感じます。 微力ながら、私も草の根から発信していこうと思っています。 さて、ちかごろは著作権に関するご相談が多くなっていると周りの先生方もおっしゃいますので、今回は著作権のお話です。 Q:著作権フリーのサイトにあるイラストを使っ

    • 【フリーランス新法】クリエイター・企業双方にとって重要です!

      こんにちは。弁護士のスミです。 今回はクリエイターに朗報、発注企業も要チェックな「フリーランス新法」をご紹介します。 フリーランスと企業が取引をするとき、どうしてもフリーランスが弱い立場になりがちです。 (フリーランスだけでなく、大企業と中小企業の契約でも強い弱いはでてきます。どう落としどころをつけるかは弁護士の大事な仕事ですね。) そこで、フリーランスの方が安心して働けるよう、「フリーランス新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」が来月5月に交付されます。 実際

      • 契約書を作ってほしいけど言えない・・・そんなときどうする?

        こんにちは。弁護士のスミです。 今日のテーマは、「契約書を作ってほしいけど言えない・・・そんなときどうする?」です。 イラストレーターAさん:企業さんからイラスト作成の依頼があって引き受けたんですけど、著作権とかどうなっているんでしょう。 なにか契約書とか作りましたか? Aさん:個人でやっているので、契約書とか作っていないです。 相手の会社に契約書の話はしました? Aさん:相手は企業さんなので、やっぱりやめたって言われると怖いので、 契約書を作ってくださいなんて言え

        • 外注したイラストや画像の著作権、大丈夫ですか?

          こんにちは。弁護士のスミです。 今日のテーマは「外注したイラストや画像の著作権、大丈夫ですか?」です。 貴社:当社のゆるキャラのイラスト制作をデザイン会社や個人に発注したんだけど、製作費も払ってるし、これうちで自由に使ってもいいよね? ゆるキャラのイラストの持ち物をイチゴからスイカに変えたり、帽子をかぶせたりしたいんだけど。 それを新しく配布するパンフレットに載せたいんだけど、どうかな? それでは、契約書を見てみましょう。 パターンA:契約書?そんなのないよ!口約束

        著作権フリーのイラスト、本当に使っても大丈夫?

          商品画像を勝手に使ったらどうなる?

          こんにちは。今回は架空のご相談をストーリー仕立てにしてみました。 急に警告書が届いたら怖いですよね・・・ 今日のお話 ある日、相談者のAさんが法律相談にやってきました。 相談者Aさん:こんな警告書が届いて・・・ 「警告書」:「勝手にうちの商品画像を使ってネット販売をしていますね。著作権侵害です。すぐに商品画像を削除して300万円払ってください。払ってくれなければ刑事告訴します。」 Aさん:こんなの無視してもいいですか。ネット販売も利益があがっていないし、お金もありま

          商品画像を勝手に使ったらどうなる?

          九州の知財判例⑤ チロリアン訴訟

          こんにちは。弁護士のsumiです。福岡で知財案件の仕事をしています。 このnoteは、九州にも知財案件がたくさんありますよということを伝えるために、九州の知財判例を分かりやすく紹介しようと作りました。 特許や商標を取った方がいいかな、誰かの権利を侵害していないかなと悩んでいるみなさんの参考になれば幸いです。 今日の訴訟 ~チロリアン訴訟~  今日の訴訟は、福岡の有名なお菓子屋の千鳥屋が、「チロリアン」の商標を巡って争ったケースです。 チロリアンはパッケージもかわいく、

          九州の知財判例⑤ チロリアン訴訟

          九州の知財判例④ ライセンス契約

          特許技術や商標を人に貸すとき、ライセンス契約を結びます。ライセンス契約は知財を活用する上でとても重要な契約で、多くの企業で利用されています。 今回は、ライセンス契約がきっかけで損害賠償の裁判になってしまったケースです。 大阪地裁令和1年7月4日判決(H29(ワ)3973号) 原告X社:蛍光液素の研究開発、製造販売を行う九州の会社 被告Y社:天然樹脂や合成樹脂の製造・販売を行う大手企業 原告X社は自身の特許発明について被告Y社と専用実施権(特許発明を独占的に利用できる権

          九州の知財判例④ ライセンス契約

          ルアー用トリプルフック ~審決取消訴訟~ 

          平成14年(行ケ)第239号 特許無効審決取消請求事件 原告:O社 被告:G社 原告O社は「ルアー用トリプルフック」の特許(特許第2584721号)を持っていたところ、被告G社は特許の無効を求めて特許庁に審判を請求しました。 被告G社の言い分は、原告の特許は以前から使われている針と同じであり、すでに世に知られた発明(公知発明)として特許が無効であるというものでした。 特許庁はこれを受け入れ、原告の特許を無効としました。 原告O社はこれを不服として、無効の判断(審決)の取

          ルアー用トリプルフック ~審決取消訴訟~ 

          九州の知財判例③ 特許権

          大阪地裁令和3年5月13日判決(平成30年(ワ)8708号) 原告は、コンクリート製品を製造販売する中部地方の会社で、側溝製品に関する特許をもっていました。 被告は、コンクリートブロックの製造販売、土木業を行う九州地方の会社です。 原告の特許は権利期間が終わっていましたが、権利期間中に被告が無断で特許発明を利用した(特許の技術を利用して商品を製造販売した)として、損害賠償を求めて提訴しました。 被告は原告の特許の無効をもとめて無効審判を請求していましたが、被告の訂正請求

          九州の知財判例③ 特許権

          九州の知財判例② 模倣品の差止め

          模倣品の差止めはよくあるケースの一つです。 九州の釣り具メーカーが訴えられた知財判例を紹介します。 【大阪地方裁判所 令和4年8月25日判決】 グレ用の棒ウキを製造販売する釣り具メーカーXが、九州の釣り具メーカーYに対し、模倣品の棒ウキを製造・販売しているとして訴えた裁判です。 原告Xの棒ウキの形状が不正競争防止法2条1項1号の「商品等表示」に該当するかが争われました。 本来は、会社の商品の形状を真似されないようにするには、意匠権を登録して商品を守ることが多いです。

          九州の知財判例② 模倣品の差止め

          九州の知財判例

          こちらでは九州の企業・個人が関わった知財判例を紹介していきます。 【商標法】≪すしざんまい事件≫ 令和2年(行ケ)第10107号(知財高裁R3.4.14判決) 原告Ⅹは有名なチェーン店「すしざんまい」を運営する企業、被告Yは九州地区において「寿司ざんまい博多店」等の宅配すし店チェーン店を運営する企業でした。 被告Yは以下の商標権をもっていましたが、原告Xはこの登録商標が無効であると主張しました(商標登録無効審判)。この審判では被告の商標権が無効であると判断されたため、被

          九州の知財判例