キャストインタビュー② 片山桃子

今回の公演に向けて

私は、演劇は、自分が“人間らしく“なるために続けていようと思っていたところがあります。

大学に入った私は、よく“ロボット“または“AI“みたいだと言われていました。

物欲、食欲は、必要最低限。
感情は、“悔しい“以外は、分類分けできない状態でした。

こんな私が、演劇するなんてと思われるかもしれません。そうですね…笑
困ることもたくさんありました。その度に、根気強く私の演技に向き合ってくれたやまひろさんや、一緒に演劇で関わる方にも支えて頂いて、今の役者の私がいると思います。

また、色んな人生経験をするなかで、心を許せる人や、たくさんの人と触れて、固まっていた思考、心、体がほぐれて、、
大学を卒業する頃には、「人間になったねぇ」と色んな人に言われました。

1番の親友にそう言われたとき、私はなぜか涙が止まりませんでした。

“人間らしさ“が、何なのか…フワフワしていますが、、
逆に、前の私を思い返して考えると、“ちゃんとしなきゃ!“みたいな、自分なりの正義とか義務とかにガチガチになっていたのかなと思います。。

ほぐれていて、温かくて、弱い。
そんな私で、私はありたいと思っています。

なんてことを、この作品を読んで思い返したりしています。。

さあ、今回の「Plant」
キャストは、みんな言魂メンバーでお送りします。

劇団で演劇をするのってこんなにも難しいのだと目の当たりにしてから約1年ちょっと。役者としても、言魂の一員としても、迷いながら必死に進んで来た気がします。今、劇団メンバーで演劇ができることが本当に感慨深いです。

まだまだ役者として、何がいい作品なのか、どう演じるべきなのか、迷いながら進んでいます。それでも、関わってきた作品から受けたことを、関わったみなさんから教わったことを、たくさんたくさん詰め込んで今回の作品を創っていこうと思います。

自分の役に向けて

今回演じる”羽村美月”は、昔の自分と、とても似ているところがあります。
何事にも一生懸命で、世間知らずで、生きるのに必死で、、ただ、いろんな障壁があってなかなか前に進めない。けれど、それでも、悩みながら思いを持って突き進んでいく感じが、とても好きで、とても私みたい…です。

それから、持っている悩みも、すごく昔の自分に近いものがあって…
なので、役をやっていると自分のことのように苦しくなったり、傷ついている自分がいます。苦しすぎて思わず、自分はこの役をすべきではないのでは…と思ったりもしました。
ですが、この役のことをたくさん理解できるのも自分だとは思っています。
自分の過去や、心の傷とも向き合って、観てくださった方に何か届いたらいいなと思っています。

もし、皆さんが私の役に少しでも共感できたなら、いや、観劇して触れるだけでも、それは、私の弱いところに触れられたってことかもしれません。
それは、リアルな私に寄り添うことでもあるのかもしれなくて、、

過去の私は、寄り添ってくれる人はいないと感じて、孤独で、誰もわかってなんてくれないって思っていました。

作品を通じて、そんな過去の私と、みなさんが、何か温かなものでつながれていたらいいな…と、思っています。

きになる植物は?

パンジーです。
幼少期、母がよく道端や、家の庭に植えられているパンジーを指差して、
「ほら、パンジーおじさんがいるよー!」っていっていたのを今でも思いだします。

パンジーの花をよく見ると、おじさんの顔に見えるんです。
ヒゲのもじゃもじゃ生えたおじさん。

小さいころは喜んでたんだと思うんです。
でも、今は、見える…かな。あ、見えるかも…。くらいで、あんまり顔に見えないんですよね…

大人になったのかなぁ…と思ったり。

私もいつか「ほら!」っていうのを受け継いで、無邪気に言ってみたいなって思ったりしています。。

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