「渡良瀬橋」に出て来る男の真似をしたら、桐生市の謎にぶちあたってしまった話 前編

久しぶりの夏休みである。

なので、森高千里の1993年の楽曲「渡良瀬橋」に出て来る男の挙動を、プロファイリングしようと、実際に男の気持ちに沿って、電車で「渡良瀬橋」まで行ってみることにした。

説明の歌詞は少ない「渡良瀬橋」なので、どんな男かを完全に再現するのは難しい。

そもそも、どこに住んでいて、女の住む渡良瀬橋のある足利市まで、「電車にゆられ」「会いに来てくれた」のか。

仮定の話ばかりで、ふわふわしたものになるが、推理を披露したい。

1993年当時、すでに男と別れて、その思い出を回顧する女の年齢は、別れたけれど、まだ新しい男は居ない、という微妙な年齢だろう。このような恋愛回顧は、別れたショックから回復して、新たな人生を歩みなおす1~3年後くらいか。

1993年の結婚平均年齢は、男29歳、女27歳で、実際、この二人は結婚を考えていたわけだから(「きれいなとこで育ったね ここに住みたいと言った」)、この歌の回顧されている時期は、男27歳、女25歳くらいが、いいところか。

で、足利市のあの川(渡良瀬川)を、「きれいなとこで育ったね」という、男。これは地方出身者ではないだろう。また、栃木県出身(いや北関東出身)でもないだろう。なぜなら、地方出身者は自分の故郷の風景に、どこか自尊心があって、別の地方の風景と比べてしまう傾向があると思うからだ。

もちろん、中京圏、関西圏でもないのは、訛りがないから明らかである。ちなみに、森高は熊本の人だから、その辺の感覚はわかるはずだ。

おそらくは、川と山が交錯する風景をあまりみたことのない都会の男、が、この当時27歳くらい男のプロフィルなのだと思う。じゃあ、彼はどこに住んでいたのか。これは「きれいなとこ」と反対の「とこ」、具体的に言うと、言えないけど、ビル群のごみごみしたところに住んでて、自然が少なく、人工的な刺激に富んだ街ではないか。

また「きれいなとこで育ったね」はずいぶん上からの一言だ。明らかに自分の上位性を意識していて、その上で許容できる、と尊大な気持ちが透けて見える。

そこから、足利まで、電車を乗り継いできてくれた、わけだ。でも、結局、そういうのんびりした地方の暮しに飽き足らないと思ったから、

誰のせいでもない あなたがこの街で
暮らせないこと わかってたの

という述懐も出たのだろう。

私は、新宿あたりのマンション住まいで、将来的なドリームを持っていた男、じゃないかと思う。

将来的なドリームについては、

今でも 八雲神社へお参りすると
あなたのこと祈るわ

祈りの内容なのだが、嫌いになったとかじゃなくて、たぶん、将来設計がうまくとれずに別れた二人なんだろう。

なんども悩んだわ だけど私ここを
離れて暮らすこと出来ない

ここは、超微妙なとこである。足利市から首都圏に通う、はできないこともない(大変だけど)。1993年だと、まだ、交通の便がかなり悪かったか。今は、宇都宮線に、湘南新宿ラインがあるから、ギリ、久喜乗り換えで、なんとかなるんじゃないかと思うけど。

そういうサラリーマン的な生活じゃない何かを求めていた男が、新宿あるいは東武伊勢崎線沿いから電車でゆられて、足利まで会いに行っていた。そんな感じか。

それを今回、実践してみようと思ったわけである。

ただ、今の時刻表でウチから足利市までは、そんなに遠くない。1時間半くらいでついちゃう。1993年当時の時刻表に合わせて、新宿から(仮定の話ね)足利まで行かなきゃいけない。それの再現が難しい。

新宿~大宮~小山~足利ルート(全部JR)なのか、
新宿~久喜~足利市ルート(JRと東武伊勢崎線)なのか、

渡良瀬橋を渡る、わけだから、もし足利駅であれば、渡良瀬橋の向こうに住んでいる設定だ。でも、それだと、東武伊勢崎線の足利市駅や野州野辺駅の方に行った方が近いということもありうる。

新宿住まいと伊勢崎線沿線住まいを比べた場合、JRを使いたい、と思うならば、やはり、新宿を起点とした家に住んでいる方が、つじつまが合う気がする。

渡良瀬橋でみる夕日が好きだった男。これは夕日の時間に帰らないと、終電がなくなる、ということだったのではないか。

ただ、「床屋の角」の公衆電話。1991年前後とはいえ、女が一人で公衆電話に夜、電話かけにいくのは、いささかぶっそうだ。

その辺の細かな設定を、私はキチンと詰めに、足利市へ向かったのである。

(すでに考察されている方もいるとは思いますが、とりあえず、抜けてるところだらけでも、読まずに書いてます。行ったあと、答え合わせをしていこうかな、と思ってます)

(桐生市の話でてこないじゃん、ということなんですが、最終的には、桐生市がなんで二つに分かれて存在しているのか、どうして、そのあいだにみどり市があるのか、という謎に至るわけです)

スランプなので、推敲しないで、書き散らしました。

お目汚し、申し訳ない。

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